NEWSLETTER FROM ON READING 2025.06.06

こんにちは、ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。今週は取材が3本重なったり、トークイベントに呼んでいただいたりと、ありがたいことに、まとまった話をする機会をいただきました。その度、問われるから考えることがあり、聞かれるから話すことがあるな、と実感します。交わされた言葉はその場だけではなくならず、あとから何度も思い出しては、また別の人との対話に繋がっていきます。(杏)
EVENT

光嶋裕介・坂本大祐・青木真兵トークイベント
光嶋裕介『建築のはじまり』刊行記念 “僕らが旅に出る理由〜クリエイティブと学びの関係”
日程:2025年7月4日(金)
時間: 開場 19:00 開演 19:30~
入場料:2,000円(ON READINGお買物券500円分付)
定員:25名(要予約)
予約・詳細:https://onreading.jp/event/bokuraga
建築の話はもちろん、坂本さんのプロジェッティスタ研修イタリア旅行の報告などを交えながら、クリエイティブと学びを主軸にしたトークを展開します。建築、デザイン、クリエイティブに携わる方にはもちろん、学生や、これからの生き方について考えたい人などにもおススメのイベントです。ぜひご参加ください。
入荷情報 PICK UP
・【サイン本】スノードームの捨てかた / くどうれいん
俳句、短歌、エッセイなど幅広く活躍中の注目の作家、くどうれいんによる風味絶佳な小説作品を6篇収録した作品集。
・星沙たち、 / 青葉市子
欧米でも高い評価を得ているシンガーソングライター、青葉市子によるはじめてのエッセイ集。
・趣味のほとりで(つくづくポケットライブラリ)
自由研究者を名乗り、日夜役に立たない自由研究に勤しむ編集者、金井タオルによる「つくづくポケットライブラリ」シリーズ。日々のなかで考えた事柄を雑文として書き散らすこと、という趣味のほとりで考えたこと。
・Ilmm: Design Journal #2
プロダクトとインテリアを軸にして、建築やグラフィックなどを含めた広範な領域のデザインを専門に扱うインディペンデントマガジン『Ilmm』の第2号。新世代から重鎮まで、充実したロングインタビューを中心に誌面を構成し、いっそう意外性と発見にあふれた内容になっています。
・APARTAMENTO ISSUE #35 Spring/Summer 2025
スペイン発、2008年に創刊した年二回刊行のインテリア雑誌『Apartamento』。
・RAIN by David Horvitz
アメリカン・ジャパニーズアーティスト、デヴィッド・ホーヴィッツの作品集。グルジア語に存在する「雨」を表す言葉、64語をユニークに紹介した一冊。
・MORANDI’S BOOKS / Mary Ellen Bartley
本や印刷物をモチーフにした作品で知られる、ニューヨークを拠点に活動するアメリカ人アーティスト、メアリー・エレン・バートリーによる作品集。本作は、イタリアの画家、ジョルジョ・モランディのアトリエと図書室に滞在制作した際に撮影した写真をコラージュしたり再撮影したシリーズ。
・UNTITLED SKETCHBOOK / Paul Thek
アメリカ人アーティスト、ポール・テックの作品集。54歳で生涯を閉じたそのあまりに短い生涯で、スケッチし、走り描き、煮詰めたイメージやアイデアが描かれたノートのうち、1969年に使用していたものを再現した一冊。
RECOMMEND BOOK !
人がきて信用金庫の自動ドアひらいて夏がひらめいていく
アメリカと言っても広いですからね こころと言っても広いといいね
郷愁は遠いところをやってくる未来にちょっと寄り道をして
歌人の岡野大嗣が生まれ育った大阪の街を、写真家の佐内正史と巡った夏の記憶。2023年の7月と2024年の8月、2年をかけてつくった短歌102首と写真42枚を収録。
先日のトークの中で、「“短歌102首の連作”ではなく、“短歌102首と写真42枚の連作”」だと、岡野さんは話していました。
写真家と歩幅をあわせて街をあるくこと。どこに反応し、どこでシャッターを切るのかを間近に見ることは、馴染み深いはずの街の風景を変容させたかもしれない。
それは世界との呼応、歌人と写真家の呼応、ことばと光の呼応。
コデックス装で180度開くページが美しく、豊かな時間がとじこめられた、映画のような一冊です。
初回、岡野大嗣さん&佐内正史さん両名のサイン入りで入荷です!
枝葉末節な日々
今週の担当:(義)
5/30(金) 朝9時半から、キュレーターのHさんとZOOMミーティング。Hさんは、とある民具や生活道具・雑貨などの蒐集家をここ数年取材されていて、どうにか本という形で発表できないかと模索している最中。「蒐集する」という営み自体に迫る内容になると面白い本になりそうな予感がする。どのような切り口で編集するのがよいかや販売、流通のことなどをアイデア出しさせてもらう。何かしらのかたちで伴走させてもらうことになりそう。ZOOMでミーティングしていると必ずはっちゃんがかまってほしそうにやってくる。今日はソファの隣にちょこんと座ってきてかわいかった。朝ごはんは、イングリッシュマフィンにチーズとハムをサンド。マケットさんで買ったコーヒー。名古屋育ちということもあり、基本的に深煎りが好みで酸味系のコーヒーが苦手で避けていたのだけど、やっぱりおいしいコーヒー屋さんでいれてもらうと、浅煎りでも嫌な酸味がなくて美味しく飲めることに気づいた。はっちゃんのお腹の傷も瘡蓋が目立つようになってきた。膿んではいないので多分大丈夫だと思うがこんなもんなのかな。若干肌荒れ?してるのかポツポツと赤くなっているのが気になる。なんともないとよいのだけれど。日中はイベントの告知準備や、明日のトークイベントの会場準備等で忙しく終わる。昨日はめちゃくちゃ暇で、久しぶりに、おいおい大丈夫か?な売上だったけど、ユカワさんの展示も終了間際ということもあり、今日は昼間からたくさんのお客さんが来てくれてホッとする。夜、僕たちも何度か出店させていただいている、広島PARCOの催事「BOOK PARK CLUB」を主催されているIさんが来てくれていろいろおしゃべり。今後の展開などのお話も聞かせてくれたのだけど、地方でいろいろと面白い試みが増えるのはとっても楽しみ。
5/31(土) 朝、グラノーラ、サラダ、ヨーグルト、コーヒー。今日は楽しみにしていた、歌人の小坂井大輔さんと岡野大嗣さんのトークイベント。満員御礼。お二人は短歌をやり始めた時期も近く、雑誌や新聞に投稿しながらお互いのことを意識していたことや、これまでの歩みなどを楽しくお話してくださる。小坂井さんもそうだけど、岡野さんもめちゃくちゃ喋りがたつ方で、終始完璧な回しでとめどなくお話が続き、あっという間に2時間、終了時間に。岡野さんの新刊が写真家の佐内正史さんとの共著ということもあり、佐内さんがジャケ写を撮っていた中村一義の話に。『金字塔』に収録の「魔法を信じ続けるかい?」の歌詞が、当時はあまりわからなかったけど、今読んでみるととんでもなく凄いと。作品に魔法がかかる瞬間というのを、いかに信じ続けられるかが創作においていちばん大事なことだと岡野さんはおっしゃっていた。技術ももちろん大切だが、それを超える瞬間を手繰り寄せようとする強い気持ち。それがないと手癖になってしまい、自分自身が楽しめなくなってしまう。わかっていることをやるんじゃなくて、やっているうちにたまたまわかってしまうことがある、というのは凄くわかる。あと、小坂井さんが名古屋をレペゼンしていきたいと言っていて、凄く頼もしいと思った。実際、小坂井さんと平和園の存在は、名古屋にとって本当に財産で、小坂井さんがいてくれたおかげで成し得たことってめちゃくちゃ多いと思う。イベント後、Xを見ていたら参加してくれていたお客さんが、名古屋にON READINGがあってよかったと書いていてくれた。でも、そんなお客さんがいてくれるからやれてるんだよなと逆に思う。今までは全然そんなこと思っていなかったけどレペゼン名古屋な心意気も、そろそろ持ち始めるべきなのかもという気もしている。明日の出店の準備をして22時前に帰宅。夜ご飯は、残りのチキンカレー。月曜日に控えている打ち合わせのブレスト。眠い。そして明日の朝は早い。
6/1(日) 朝、猫たちのトイレを掃除した後に猫砂のストックがないことに気づく。コンビニに売ってるかもと思い、セブンとローソンに行ってみるが売ってない。仕方なく一度避けた猫砂を半分戻して我慢してもらう。そんなこんなでドタバタと出発し大垣に向かう。朝ごはんは無印の不揃いバウムとマウントレーニア。9時半ごろに会場のPaulさんに到着。会場にはTABのキオスクが置かれていて、いい感じに本棚や平台が設置してあった。本を並び終えるくらいにちょうどイベントもゆったりとスタート。いろいろお話しながら本を見てもらう。14時からのトークイベントには20名ほどのお客さんが来てくれた。TABの西田さんがお相手となって、これまでのON READINGのこと、本のこと、ZINEのこと、出版のこと、プラットフォーム、DIY、営みと資本主義について、手段の目的化をしないこと、「そもそも」を口癖にするなど、普段本屋やりながら考えていることを一通り話す。「学び」というものが今回のイベントのひとつのテーマで、西田さんも、日常的に「学び」に触れられるようにするためにはどうしたらよいか、という質問をしてくれたのだけど、自分たちは本屋をしていて、常に本に触れあってるので、「学び」を特別に意識せずとも常に「学び」の中にいるんだなと再認識した。確かに、普通は仕事をしていたら、職業的な学びについては日々得ていることもあるだろうけど、それ以外の「学び」については、何かしらのアクションを起こさないと触れられない。そう考えると、本屋ってなんて幸せな仕事なのかと思う。と、同時に日常的な「学び」の装置として本屋や図書館はやはりアクセシビリティの高い場所なんだなと改めて思った。「学び」は自分を変容させるためのもの。本屋をやることで、何より自分自身がいちばん変わっていっているという実感はある。コメダで休憩し店に戻る。ユカワさんの展示の最終日ということもあって今日も忙しかったみたい。頼りになるゆいちゃんがいてくれるお陰で安心して店を任せられる。帰宅。
6/2(月) 起床。朝ごはんを食べる時間もなく出勤。10時から、名古屋のとあるプロジェクトの打ち合わせ。それぞれがざっくりとしたアイデアを持ち寄って、方向性を決めていく壁打ちの段階なのだけど、映像作家のSさんが考えてきてくれたことを聞いて、同じ方向を向いているメンバーがいることがわかってとてもほっとした。はじめまして、の人たちと仕事をするのは、本当に大変で難しいことも多いのだけど、こういう感覚的なことでフィーリングが合う人とはきっと上手くやっていける気がする。コンビニの菓子パンで昼食を済ませ、杏子は「なごや文化情報」の定例会議へ。ひとつだけ残った作品を引き取りにユカワさんが来ると、ちょうど「アオサギ」の絵を買ってくださったお客さんのMさんが受け取りに来て、ご本人に会えたと大喜び。Mさんはアメリカ人で、最近、カリフォルニアから日本に引っ越してきたばかり。カリフォルニアのお家は、大きな川の側に建っていて、その川にはアオサギがたくさん生息しているそう。ユカワさんの作品を飾って、故郷を思い出すねと言っていた。杏子が店に戻るのを待って、一旦帰宅し、はっちゃんを動物病院へ連れていく。今日は先日の手術の抜糸。傷口もふさがっているとのことで無事に抜糸終了。とりあえずこれで通院は終わりで、できれば数か月おきに尿検査で様子みていくと安心ですよ、とのこと。はっちゃんもどこかしらほっとした表情。杏子を迎えに行って帰宅。夜は鯛の塩焼き。
6/3(火) 定休日。朝、グラノーラ。パイン、ヨーグルト。13時に、徒然舎のお二人とアクティブGのNさんと岐阜駅で待ち合わせして来年の「岐阜駅本の市」の打ち合わせ。僕らも徒然舎も、秋から冬はいつも忙しい(今年は特に)ので、早めにスケジュールを立てて動いていくことに。今年よりも少し拡大するかも。岐阜駅の構内の売店で、なぜか滋賀県のご当地パンの「サラダパン」が販売されているのを杏子がみつけて購入。以前、彦根のMITTS Fine Book Storeさんに伺った際に、ついぞ買いそびれてしまっていたので嬉しい。夜、WEBメディア「M.E.A.R.L」の取材。武部くんたちとやっている『LIVERARY』の取材だったのだけど、あわせてON READINGも取材してくれた。『LIVERARY』も立ちあげてから12年が経った。最近はたまに記事を書いたり、イベント企画に関わったりしているだけになっちゃったけど、未だに他に類をみないメディアだと思う。全然マネタイズ出来ていないのに、これが続いているっていうのがちょっと面白かったりもする。いろんなことを思い出しながら喋った。夜は、王将へ。先日『かまいたちの知らんけど』で「餃子の王将王決定戦」をやっていたので、まんまと行きたくなってしまった。レバニラや餃子、チャーハン、野菜たっぷり胡麻味噌担々麺を注文。担々麺は、ほぼ味噌ラーメンだった。
6/4(水) 朝、昨日買ったサラダパン。コッペパンにマヨネーズで和えた刻みたくあんが挟まっている。そのままの味。ゆいちゃんが週末の「言の菓」で出す菓子とお茶の試食を持ってきてくれる。ゆったりと物語のなかに浸らせてくれる、素晴らしい菓子と茶。すごく贅沢な時間になると思う。こういう「本を読む時間」も、もう少しいろいろ作れたらなと思う。夕方、いつもお世話になっているインセクツ編集部の松村さんが、夏ごろ刊行予定の某MOOKの取材で来てくれた。松村さんにはもう何度も取材にきてもらったりお話もさせていただいているので、終始、ほとんど関係ない話で盛り上がってしまった。大丈夫だろうか。。。夜、スーパーに寄って味付き豚ロース。ごはん。味噌汁。
6/5(木) 朝、グラノーラ。ヨーグルト。黒鳥社の土屋さんとオンラインミーティング。黒鳥社がやっている「blkswn lounge」のプログラムで、参加メンバーとディスカッションする企画をON READINGで開催したいとのこと。特に利害関係のない人たちが集まる、大人の修学旅行みたいなプログラムでとても楽しそう。杏子を先に店に送り、クリーニングに出していた服を引き取って出勤。ギャラリーを片付けて、週末のイベントの準備をして帰宅。久しぶりに三洋堂に寄って「28日後」「28年後」「THE SIN 罪」「ヌルボムガーデン」「変な家」のDVDを借りる。全部ホラーになってしまった。もうすぐ、ダニー・ボイル監督の最新作「28年後」が上映されるのだが、杏子が前作を観たことがないというのでおさらいも兼ねて。夜ごはんは、作り置きしてあった肉味噌を使って麻婆茄子。最近買った豆鼓醤を加えたらちょっとしょっぱくなってしまった。「28日後」を久しぶりに鑑賞。ゾンビを走らせた映画として知られているが、こんなカルトっぽい作りの映画だったっけ?という印象。でも印象的なシーンはしっかり覚えていた。「28年後」も予告で観る限り変な映画っぽいので楽しみ。公開初日に観に行くつもり。
EXHIBITION INFORMATION

【EXHIBITION】2025年7月5日(土)~7月21日(月) ON READING店内
NOBUSE NOBUYO exhibition 『光合成の練習』
愛知在住のイラストレーターで文筆家の、ノブセノブヨによる展覧会を開催します。

【EXHIBITION】2025年7月11日(金)~7月14日(月) ON READING GALLERY
vent de moe 2025 summer exhibition 扇子・小物展示販売会
花は忘れる、風は覚えている。Flowers Forget. Wind Remembers.
従来の枠にとらわれない自由でコンテンポラリーな扇子ブランド、vent de moeの展示即売会を開催します。
♪ Now Listening
金字塔 / 中村一義
岡野さんと小坂井さんのトークイベントで話題に上がっていて、ひさ~しぶりに聴いてみた。97年作か~。。。高校時代のこと、色々思い出しちゃうな~。(義)
今週はこのあたりで。
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