NEWSLETTER FROM ON READING 2025.09.19

こんにちは、ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。TEMPORAが無事オープンしまして、一週間が経ちました。想像以上にたくさんのお客さんが立ち寄ってくれて嬉しい悲鳴。怒涛の忙しさに突入しております。仕事がお、い、つ、か、な、い。。。倒れたらおしまいなので、体調管理だけなんとかせねば。。。(義)

絶賛営業中!
国際芸術祭「あいち2025」が開催される2025年9月13日~11月30日の期間中、愛知芸術文化センターB2にて、ON READINGが期間限定のミュージアムショップ『TEMPORA(テンポラ)』をオープンします。
様々なプレーヤーと協働しながら、アートブック、書籍(新刊・古書)を中心に、スーベニアとなるようなオリジナルアイテム、地元ゆかりのクリエイターたちによるプロダクトやグッズ等も販売するほか、ギャラリースペースを設け、展示企画やポップアップも開催し、ミュージアムショップの新たな可能性を提示していきます。芸術祭もぜひ、観に行ってくださいね!今回、かなり興味深い展覧会になってますよ!
Instagramのアカウントで随時、情報発信していきますのでぜひフォローお願いします!https://www.instagram.com/tempora2025/

9月21日締め切り!
エッセイを綴る、プロジェクトメンバーを募集!
皆さんの中区にまつわる記憶をあつめ、エッセイ集を制作します。中区にまつわるみんなの記憶が、一冊の本に。
『まちの記憶を呼び起こすプロジェクト in 中区“Our Memories, Our City”』
詳細・お申込:https://note.com/kioku_naka_ngo/n/nf66e90624a7d
ワークショップ「思い出すためのレッスン」
2025年10月12日(日)10:00〜18:00
ナビゲーターは作家の永井玲衣さん。当日は、永井さんと様々な活動をともにする、アーティストの磯崎未菜さんにも場をつくるお手伝いをしていただきます。
入荷情報 PICK UP
・ありふれたくじら / 是恒さくら
ELVIS PRESSよりニューリリース! 国内外各地の鯨類と人の関わりや海のフォークロアをフィールドワークを通して探り、エッセイや詩、刺繍、造形作品として発表しているアーティスト、是恒さくらによる作品集。国際芸術祭「あいち2025」にも出展中の作家です!
・手から足 / 久保寛子
先史芸術や民族芸術、文化人類学の学説に取材しながら、生活に身近な素材を用いて農耕や偶像をテーマに作品を制作するアーティスト・久保寛子による初作品集。国際芸術祭「あいち2025」にも出展中の作家です!
・New York Älways, Älmost / 白川青史 Seishi Shirakawa
ファッションの分野でも幅広く活躍する写真家・白川青史による、ニューヨークを舞台とした写真集。彼が見つめたのは華やかな都市の表層ではなく、その奥に息づく陰影と体温、人々の気配。
・【サイン本】Lithuania,Lithuania,Lithuania!-リトアニア リトアニア リトアニア!/ 在本彌生
世界を旅して、暮らしや人の息遣いを写真に切り取る写真家、在本彌生の10年ぶりの写真集。バルトの小国・リトアニアの美と記憶の断片を集め、その国で出会った日常を写しながら、過去と今、他者と自分、世界とわたしを繋いでいく。
・【サイン本】PORTRAIT OF J / ホンマタカシ
日本人写真家、ホンマタカシの作品集。本作は、2002年から近年までの間に撮影された111人の日本人のポートレイトを収録した写真集。
・X-GIRL SHOW / Angela Hill
Angela Hillによる写真集。X-girlがブランドを立ち上げた1997年に行ったゲリラストリートファッションショーの様子を撮影したもの。プロデューサーにソフィア・コッポラやスパイク・ジョーンズを迎え、キム・ゴードンとデイジー・ヴォン・ファースが展開したショーの貴重な記録。500部限定!
・CALLED HOME / Larry Clark
アメリカ人映画監督でフォトグラファー、ラリー・クラークの作品集。作者が映画作品『KIDS/キッズ』の映画監督を務めていた1992年から1995年に撮影した写真のアーカイブから作られた一冊。
・YACHIYO KATSUYAMA 2026年カレンダー / 勝山八千代
モノクロームで味のあるイラストが特徴のイラストレーター、勝山八千代によるカレンダーです。2026年は横長のポスター使用。表裏で、6か月分ずつが掲載されています。
・【ご予約受付中(10月5日発送予定)】ハルカゼ舎 日めくりカレンダー2026
毎年大人気の経堂の文具店ハルカゼ舎による手のひらサイズの日めくりカレンダー。うれしい日、元気のない日、待ち遠しい日、季節を楽しむ日。小さなコトバをひとこと添えた、毎日が少し楽しくなるようなカレンダーです。
RECOMMEND BOOK !
ちりぢりになった布きれを縫い合わせ、刺繍をほどこし美しく生まれ変わらせるように、世界にちらばり時に諍いの元となる鯨にまつわる物語を集め、そのイメージを作り直すこともできるのではないか。本書では、さまざまな土地に暮らす人たちにとっての鯨の話を尋ねてまわる。そうして綴った物語に刺繍を添えて、本を編む。やがては一枚のパッチワーク・キルトのように、本書がまだ見ぬ鯨のイメージとなり、世界を包むことができるように。
ELVIS PRESSからのニューリリース!ついにできました!
アーティスト、是恒さくらは、国内外各地の鯨類と人の関わりや海のフォークロアをフィールドワークを通して探り、エッセイや詩、刺繍、造形作品として発表しています。
本書は、是恒が東北やアラスカなど各地でフィールドワークするなかで出会った、鯨にまつわる文化や物語を集め、刺繍作品とともに収録したリトルプレス『ありふれたくじら』の第1号から第5号をあわせ、再編集したもの。
風に乗って運ばれてくる鯨の匂い、鯨の油であげたかりんとう、鯨を神さまとして祀った石碑、町の象徴だった捕鯨船、鯨の内臓膜とセイウチの牙を使ってつくったドラム、狩りの結果を予言するダンス、おじいさんがつくった古式捕鯨の鯨舟、大漁を祝って拵えられた着物に描かれた鯨――。
網走、石巻、三浦半島、和歌山、アラスカなど、世界各地の人びとの暮らしに息づく「ありふれたくじら」のはなし。
ささやかで力強い人びとの営みから見える鯨の姿は、大きな歴史の流れや捕鯨の是非をめぐる議論、“スーパー・ホエール”のような超現実的な鯨のイメージとは、異なる印象を与えてくれます。
鯨という大きな存在の背中に乗って文章と刺繍でこの世界を編み直すような、壮大で繊細なこの試み。
ひとつ新しい視座を得るたびに、世界はまた豊かになっていきます。
国際芸術祭「あいち2025」では、東海地方の人と鯨類のかかわりに焦点をあてた大規模なインスタレーションを、愛知芸術文化センターの8階で展示されています。近くに遠くに、鯨の存在を感じられて、いつまでも見ていたくなる展示です。会期中何度も見に行こう。本書の刊行を記念したトークイベントも開催いたしますので、告知をお楽しみに。
枝葉末節な日々
今週の担当:(杏)
9/12(金) 昨晩ギリギリ、23:44頃になんとかTEMPORAがお店になった。今日はいよいよプレオープンの日。スーチェさんがオープン前にクッキー缶を持ってきてくださって、これでピースが揃った! という気持ち。まだまだ自分的にはやりたいことが多々あれど、あとは少しずつ手を入れていこう。プレオープンとはいえ、特に広く告知もしていないし、よく考えたら担当のYさんくらいにしか、今日10時にオープンするよって言ってない。あわててSNSで「あけてます」と投稿する。芸術祭のプレスの方々や、プレビューに来られた方が寄ってくれたり、SNSを見て来てくれた方々が来てくださって、店は店になっていく。閉店後、日報がさっそくあわない。レジの操作上のあれこれや記載モレや、どこでどう間違える可能性があるのか、皆が何を困っているのかを、見極めて早めにつぶしていかなければ。なんだかんだで深夜になって、コンビニでサラダチキンとキャベツの千切りを買ってチキンサラダを作ってもりもり食べる。私はマカロニグラタン、よっさんはいつものカップ焼きそば。
9/13(土) TEMPORAグランドオープン!まだレジ操作も不慣れな私たちな上に、ON READINGでは体験のしたことのない混雑で、想定していたシステムは早々にパンクした。これはオペレーションをイチから考え直さなければ。今回、基本的にはTEMPORAはTEMPORA専用のスタッフでまわしてもらう設定になっていて、私たちが常日頃見ていられるわけではない。もちろん毎朝行って、メンテナンスや品出しはするけれど、日中のあれこれはお任せになってしまうので、早いうちにいろいろと体験して伝えていけたら。ありがたいことに何度か大きな波もあり、たくさんの方にご来店いただくことができた。へとへとで閉店業務をしていると、「おつかれ~!」と野田ちゃん。野田ちゃんは毎日顔を出してくれるので、すっかりもうTEMPORAの一員のよう。今夜はVioで、バゼル・アッバス & ルアン・アブ=ラーメのパフォーマンス。加えてMAGOではSHING02が! 体も頭も疲労困憊なので迷っていたけれど、野田ちゃんのひと押しもあって、3人で行くことに。バゼルのメンバーのひとりがアメリカから出国出来ず、オンラインでの渾身のパフォーマンス。SHING02はNujabessとのLuv(sic)をpt1~pt6までやって会場を爆上げ。「HIPHOPははじめから抵抗の音楽だった。掲げた拳(0)をピース(2)にするのは簡単じゃない。一度、1を通らなければいけない。ボブ・マーリーはOne Love(1)といったけど、これは異なる考えや出自を持つ人びとが同じになるってことじゃない。ばらばらのままで、それを認め合うっていうこと。その後にピース(平和)はある」と言っていた。「はじめたことはやめることができる」とも。最高のパーティだった。
9/14(日) 朝だけTEMPORAに。ちょうどTOUTEN BOOKSTOREの古賀ちゃん夫妻が来てくれていてパンとめぐりズムという最高の差し入れをくれる。パンをひとつだけもらって私はON READINGへ。久しぶりのON READING。やっぱりTEMPORAとは、全然違う店だなと思う。ON READINGはなるようになっていった感覚だけどTEMPORAは「店を作った」という感じがする。TEMPORAにいると予想以上に「あら、復活したのー?」「ここのお店好きだったから、また来られて嬉しい!」と、声をかけていただくことが多く、アートショップマイブック、その前のナディッフ愛知、さらにその前と、何代にも渡ってミュージアムショップがあったこの場所に流れているアートの水脈を強く感じる。歴史の上に、一時的に間借りさせてもらってできているTEMPORA。夜、「夕ご飯どうする?」と聞くと、よっさんは、閉店後パンとホットコーヒーでひと息ついたということでお腹が減ってないとのこと。私だけ冷凍うどん、Kさんにいただいた和菓子。日報をリアルタイムでつけるのをあきらめることにした。
9/15(月) 三連休最終日。朝、菅さんにいただいたどら焼、Yちゃんにもらったぶどうのふくおかのぶどう。ON READINGから書籍や備品の追加を運ぶ。昨日、一昨日よりは少し落ち着いていたので、皆と相談しながらいろんなオペレーションを決めていく。先日の取材で店づくりについて聞かれて、考えながら話したことを思い出している。「ミュージアムショップ」はある種、「スーベニイルショップ」だともいえると思う。美術館で展示を観たという体験、愛知に来たという思い出、そこで感じたことや考えたことをどう持ち帰って、どう日常につなげていくか。家に帰ってからふと、展示のことを思い出したり、そこで考えたことをさらにゆっくり学んでいったり、作品のエネルギーに影響されて何かを作ってみたくなったり。そうやって「持ち帰る」のは、何もポストカードや図録だけじゃない。TEMPORAに置きたいなと思ったのは、そういう気持ちに寄り添えるような「持ち帰る」ためのものたち。そうした意味において、本は、スーベニイルとしての役割も果たすことができるのだと思う。今回オリジナルで作ってもらったお菓子やコーヒーやハーブティーやキャンドルもきっと、ここでの体験を「持ち帰る」ための装置になっている。昼、あいちショップのお弁当。準備期間から、もう今日が何曜日かもわからなくなるくらい走って来たけれど、ようやく明日は休み。連休の振替で火曜が休みになる日が4日あって、ON READINGの定休日とかぶるので、そこが私たちの貴重なお休みの日。明日はゆっくり起きて、猫を撫でて、家事もして、たまった仕事も片付けて、スーパー銭湯もあわよくば…な~んて思っていたら、なんと明日は臨時開館の日だということを、芸術祭の公式SNSで知る。ショックが大きすぎてしばらく呆然とする。よっさんに「知らなかったことにする?」と聞くと、「開けるしかないやん」とのこと。よっさんはえらい。打ちひしがれていると、ずいぶん前に、鷹見くんが韓国土産でくれたマ・ドンソク印の栄養ドリンクを冷蔵庫から出してきてそっと渡される。四の五の言わず、やるしかない。夜、あいちショップで買った空心菜。ニンニクと塩の香りをつけた油に和え、湯通しするというレシピ。しゃきっとして油っこくなくておいしい。なすと鶏肉の豆鼓醤炒め、わかめスープ。
9/16(火) 早起きになれていないこともあり、最近12時を超えると猛烈な眠気に襲われる。いつもの感じで、家で作業したり日記をつけたりしようと思っていても、毎日寝落ちしてしまう。昨夜もそうだった。朝、昨日の残りごはんでこんぶとかつお梅のおにぎり。火曜日だということは考えないようにして出勤。ゆいちゃんが急遽来てくれることになったので、ようやく芸術祭を観に行くことにする。すでにレビューもいろいろと出ている通り、今回は、芸文センターの作家も、一部屋まるまる使っての展示をしている人が多く、とても見応えがある。今日は全体をぐるっとだけ、と思ってまわっていくが、思わず足を止めて見入ってしまう。『ありふれたくじら』の是恒さくらさんのインスタレーションは、設営途中でも一度見せていただいていた。天井を見上げると、刺繍でできたくじらがゆったりと泳いでいる。床をみると、陶器や日用品でできたくじらの骨格が鎮座している。遠くに、近くに、鯨を感じられて、いつまでも眺めていたいと思った。他にも印象的な作品は多々あるが、映像も全く観れていないしまたゆっくり来よう。夜、刺身、味噌汁、冷奴。
9/17(水) 朝、トースト、ハムエッグのっけ、ぶどう、キウイ。久しぶりにまともな朝ごはんを食べた気がする。私はTEMPORAへ、よっさんは歯医者へ。開店直後、保健所の方が現地調査に。ゆいちゃんと緊張の面持ちでお迎えしたけれど、あっという間に承認がおりて、「いやあ、この施設は久しぶりに来ましたよ」と談笑モードに。以前ON READINGに来た保健所の方もそんな感じだった。なんにせよ、ほっとひと安心。来週から飲食のイベントが始まる。今日は私は終日TEMPORAで、来客があったり取材があったり。隙をみて展示も観に行きたかったがなんだかんだで行けず仕舞い。ON READINGと違って常に人がいるので、考える仕事が手につかない。いずれこの環境にも慣れていくのだろうか。三連休分の日報をようやく転記し終えた。今回、憧れのPOSレジ導入には至らず、マンパワーでいこうと決めたけれど、こんなんでいけるのだろうか。オープンして一週間近くたっていまだにオペレーションが定まりきらないというのは予想外だった。明日以降は、ほぼ私たちは不在になってしまう。久しぶりの出勤だったあまねさんが猛然とストックの整理をしてくれて、みるみるカウンターや事務所が片付いていく。ありがたや~~。閉店後、メニコンシアターで開催された梅田哲也「ウォーキング・イン・シアター」。誰かにとっては〝あたりまえ”の風景や所作は、他者からみるとこんなにも魅力的で刺激的。透明人間になってうろついているような感覚になって、終始「ほえ~」と口があきっぱなしだった。終了後、パスタ de CoCoへ。バジルほうれん草を鉄板乗せで。
9/18(木) インターネットの接続工事のためよっさんは早朝からTEMPORAへ。私は少しゆったり気分で、キウイ入りのグラノーラを食べながらラヴィットとか見たりして、10時すぎてからON READINGへ出勤。このところ9時には家を出ているので、この1時間がとてもありがたかった。今日は大町さんの展示搬入日。ON READINGはゆったりだったけど、後回しにしまくっていた書き仕事や、滞っていたレコメンドのテキストなど、すこしずつ、すこしずつ日常モードに戻していきたいところ。2か月半は、お祭りモードで乗り切るには長すぎる、しかしルーティン化するには短すぎる。きっとこうやって、ああでもないこうでもないとやってるうちにあっという間に終幕してしまうのだろう。思えば本屋人生の19年(そうだ、9月2日が周年だったのだ、もうすっかり過ぎ去ってしまった)だって、そんなことの繰り返しだった。一日たりとも「完璧だ!」と思ったことはない。今日やれることを、粛々とやるしかない。TEMPORAもON READINGも、すこしでもいい店にしたい。夜、塩さばのソテー、もやしと小松菜の炒め、豆腐とわかめの味噌汁、納豆、かつお梅。
EXHIBITION INFORMATION

2025年9月19日(金)~ 10月5日(日) ON READING GALLERY
Kohei Omachi exhibition “moon echo”
アーティスト、フォトグラファーの大町晃平による個展を開催します。本展では、月を胎児に見立て、撮影した写真をエコー写真に使用されている感熱紙にプリントしたシリーズ『moon echo』を発表します。
とてもユニークな作品!ぜひ観に来ていただきたいです。
<作家在廊予定>
9月19日(金) 12:00~18:00
9月20日(土) 12:00~18:00
9月21日(日) 12:00~20:00
10月4日(土) 12:00~20:00
10月5日(日) 12:00~20:00
♪ Now Listening
Nujabes - Luv(sic) feat. Shing02
アンセム過ぎる。。。ご褒美のような時間でした。
今週はこのあたりで。
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