NEWSLETTER FROM ON READING 2025.06.20

こんにちは、ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。梅雨はどこへ行ってしまったのやら、という暑さが続いています。突然の気温の変化で不調をきたすのは人間ばかりではありません。今年もきました、家電からのSOS(詳しくは「枝葉末節な日々」にて)。確認したら、去年、店のエアコンが故障したのは7月5日だったようです。37℃のなかでエアコンなしでよく営業していたな…と、思い出してもぞっとします。皆様どうぞご自愛ください。(杏)
EVENT
光嶋裕介・坂本大祐・青木真兵トークイベント
光嶋裕介『建築のはじまり』刊行記念 “僕らが旅に出る理由〜クリエイティブと学びの関係”
日程:2025年7月4日(金)
時間: 開場 19:00 開演 19:30~
入場料:2,000円(ON READINGお買物券500円分付)
定員:25名(要予約)
予約・詳細:https://onreading.jp/event/bokuraga
建築の話はもちろん、坂本さんのプロジェッティスタ研修イタリア旅行の報告などを交えながら、クリエイティブと学びを主軸にしたトークを展開します。建築、デザイン、クリエイティブに携わる方にはもちろん、学生や、これからの生き方について考えたい人などにもおススメのイベントです。ぜひご参加ください!
入荷情報 PICK UP
・CHOU YI × ON READING TEE
台湾を拠点に国内外で活躍中のアーティストCHOU YIとON READINGのコラボレーションTシャツ。太宰治の小説『正義と微笑』の本文中の一節「真にカルチベートされた人間になれ!」のメッセージをアートワークに落とし込んだデザインです。
・ここは安心安全な場所 / 植本一子
「自分自身で生きる」ってなんだろう。何度も問い直す植本さんの姿をみて、私たちは一生をかけて、その練習をし続けているのかもしれない、と思った。自身の経験を真摯に文章にしてきた写真家、文筆家の植本一子による最新エッセイにして最高傑作。
・間取りと妄想 / 大竹昭子
ノンフィクション、エッセイ、小説、写真評論など幅広い分野で活躍中の大竹昭子が、13の間取り図から妄想を膨らませて紡いだ、身体の内と外が交錯する、ちょっとシュールで静謐な短編小説集が文庫化。初回入荷特典あり。
・さみしくてごめん / 永井玲衣
ロングセラー『水中の哲学者たち』で颯爽とデビューした在野の若手哲学者・永井玲衣の最新エッセイ集。世界が送る未知のサイン、批評と哲学、哲学「させられている」私、見ることと聴くこと、誰かと考えるということ。初回入荷分サイン入りです。
・這々の体で、愛について / 中島とう子
37歳独身女性である著者が、約2年間交際したパートナーと別れ、愛することと愛されることを求めて這々の体で生きた1年2ヶ月間の日記集。トラウマ治療をしながら精神の病理と正面から向き合っていく過程が、切実に綴られています。
・LOVERS' NAGOYA vol.7 池下・覚王山
「大ナゴヤツアーズ」主宰の加藤幹泰が中心となり制作する『「名物」より「好物」を』をテーマにした名古屋案内本シリーズ。第7号では「池下・覚王山」エリアを紹介。
・手に負えない空間 / 伊藤槙吾(itou)
京都の古物商「itou」の店景と店主・伊藤槙吾の言葉を約3年かけて収録した作品集。月に1度、什器ごとディスプレイを一新するitouの店づくりを、イメージ、台、空間、接地、物の配置、整理、値段などあらゆる要素から深掘りし、その立体的な空間を、デザインと言葉からも感じられるよう表現した一冊。 これは面白い!
・LIFE HISTORY MIXTAPE 02
ABEMAのオーディション番組「ラップスタア」のディレクターでもある菊池謙太郎が手掛ける、若いラッパーたちの子どもの頃の話をインタビューして集めた生活史集シリーズ『LIFE HISTORY MIXTAPE』。それぞれの語りから立ち上がる、それぞれのかけがえのない人生。
・日本語ラップ長電話 / KEISUKE YAMADA
KEISUKE YAMADAによるポッドキャスト番組「In Our life」でゲストとともに話された、日本のヒップホップに関する対話を再構成した雑談ZINE。メタ的な視点で日本のヒップホップを捉えつつ、アーティストや楽曲について語られています。
・[新版] 傘下 / 立花文穂
アーティスト・立花文穂による作品集。広島平和記念公園の慰霊碑地下に安置され、毎年、書き加えられる原爆死没者名簿の「風通し」の様子を収めた写真と、演出家で彫刻家の兄・立花英久による小説「親愛なる日記へ」を収録した一冊。
・折形のコードとモード / 山口信博(折形デザイン研究所)
伝統的な「折形」をモダンデザインの観点から捉えなおすことを目的として発足した、デザイナーの山口信博が主宰する「折形デザイン研究所」の設立25周年の集大成として刊行された作品集。
RECOMMEND BOOK !
深い雪に足をとられながら、ざくざくと音をたてて進むたび、自分は今、ここで新しい道をつくろうとしているのだと思う。それは「わたし」として生きるための道筋なのだ。
自身の経験を真摯に文章にしてきた写真家、文筆家の植本一子による、あなたとわたしの現在地をみつめるエッセイシリーズ「わたしの現在地」。
二年前、西村佳哲さん主催のワークショップ「インタビューのワークショップ」に参加するため、遠野のクィーンズメドウ・カントリーハウスを訪れた著者は、そこで暮らす馬たちと、その馬のお世話をする「とくさん」に出会い、それ以来、数回にわたって通うようになります。
日頃の生活のなかでの名前や、社会的役割から離れ、ただの「わたし」として、人や馬と出会うこと。言葉を介さない馬との、気のやりとり。暗闇で、馬の気配を感じることーー。
傷を負い、葛藤を抱えながら生きてきた心を携えて、馬たちと過ごす静かな時間のなかで、自身の変わっていく内面を見つめた、8篇のエッセイと1篇の詩、そして写真。さらにこのエッセイ集の主要人物である「とくさん」こと徳吉英一郎さんの寄稿文を収録しています。
肩書や役割を脱いでしまった自分はきっと、最初は少し心細い。けれどそうした「無名」の状態でただそこにいることは、ほかならぬ自分自身と出会いなおすことなのだろう。「自分自身で生きる」ってなんだろう。何度も問い直す植本さんの姿をみて、私たちは一生をかけて、その練習をし続けているのかもしれない、と思った。
冒頭、久しぶりだというフィルムで撮影された写真が、まず素晴らしい。植本さんの世界に向き合う態度。人懐っこく、同時に少しおびえて、まっすぐに。それが本当に写真から伝わるのです。
私は今作、最高傑作だと思います。毎度、最高傑作を更新してくる植本さんなので、たぶん、次回もそう言うかもしれないけど。
枝葉末節な日々
今週の担当:(義)
6/13(金) 朝、バタバタして家でごはん食べれず、SUNのパンを買って出勤。ぼんやりとした天気で蒸し暑い。四十肩の痛みが日によって酷い時とそうでないときがある。今日は多少楽かも。今日は、山田さんの出張しん灸の日。お客さんも様々なからだの不調と付き合いながら生きている。ツムラが実施したアンケートによると、日本人の約8割が「なんとなく不調」らしい。これだけみんな不調なのだから、お互いもっと寛容になって労われるような世の中になればよいのだけど、中々そうはいかず、より不調を助長しあうようになってしまっている。自戒を込めて。夜、鷹見くんがきてTEMPORAの内装についてちょっとおしゃべり。お土産にKISOのラスクをいただく。山田さんからもSUNのチョコドーナツをもらった。帰宅すると、はっちゃんのエリザベスカラーが外れて、廊下に落ちている!どうやらキャットハウスの屋根の布のマジックテープがカラーにくっ付いてしまったらしく、もしかしたら本人は大パニックだったかも。その様子がカメラに映ってるかもと思ったが、今日に限ってデータエラーが出ていて記録されていなかった。わ~!と思ってお腹を確認してみるが、そんなにペロペロした形跡もなく傷跡もほぼほぼ治っていたので一安心。もう外したままでも大丈夫か、ということでエリザベスカラー卒業。これで思いっきり遊んであげられる。夜ごはんは以前ゆいちゃんにもらったおいしいきしめんをコロで。杏子がつくってくれた、ちくわの磯部揚げとともに。
6/14(土) 朝、昨日もらったチョコドーナツ。久しぶりの大雨。週末とはいえ、さすがに暇な一日。台湾のイラストレーター、CHOU YIにイラストを描いてもらったTシャツが出来上がった。かなり良い出来で気持ちも上がる。以前、太宰治の『正義と微笑』を文庫化する際に表紙の絵をお願いして描いてもらってTシャツやトートも作ったのだけど、今回、デザインだけ変更して再リリースしたいと伝えたら、それならと新たに描き下ろしてくれた。いまや、大企業のクライアントワークも多数手がける超売れっ子になった彼女だけど、こうやって10年ぐらい前に出会った頃のままの感じで変わらず付き合ってくれるのが本当に嬉しい。Tシャツなどのマーチづくりは最早趣味のようなもの。ちなみに、TEMPORAでもたくさんグッズを作る予定で、毎夜、どんなものを作ろうか悩みに悩んでいる。夜はとり胸肉のソテー。
6/15(日) SUNのトースト、キキのスコーン、目玉焼き。杏子にこれ読んでみてと言われた、webゲンロンの田中功起さんのコラム。突然の痙攣の末、亡くなってしまった飼い猫の大福のお話。否応なく、麦子を一人ぼっちで死なせてしまったあの日のことを思い出してしまう。病院で点滴をしてもらったあと、そのまま仕事に行かずに家にいてあげれていたら。今でもその後悔の念は消えることがない。ごめんね、ごめんねと、横たわる亡骸を撫でてあげることしかできなかった。はっちゃんとさくちゃんと暮らしていても、麦子のことは幾度となく思い出す。本当にとびきりかわいい猫だった。(はっちゃんとさくちゃんももちろんそうだけど。)。今、麦子にしてあげられることは、こうやって思い出し続けることしかできない。これだって、勝手なエゴでしかないのはもちろんわかっている。でもこうやってしか、麦子の死を受け入れることはできない。「物語ることでひとは何かを受け入れる。例えば傷を受け入れていくのかもしれない。」本当にそうだと思う。
6/16(月) コーヒー、ハムエッグ、グラノーラ。旅行の際の不在時に、猫用の自動給水器もあったほうがいいかもね、と購入したものが届いた。早速設置し稼働させてみるが、二匹ともまったく見向きもせず、普段のお皿からしか水を飲まない。どうしたものか。。。広告の動画で他の猫たちはあんなに嬉しそうに飲んでいたのに。。。出勤しメールをチェックすると、現在、制作中の書籍「ありふれたくじら」の見積もりが印刷所から届いていた。思っていたほど金額も上がっておらず、ほっと胸を撫でおろす。これなら考えていた仕様のままいけそう。是恒さんからも原稿の戻しが届いたので、修正を反映し、校正用のデータを作っていく。今回も校正はいつもお世話になっているFさんにお願いできた。毎度、ものすごく丁寧なプロの仕事を見せてくれて、めちゃくちゃ勉強になる。「校正」って、きっとお願いしたことがないと、その凄さがわかりにくいお仕事かもしれないが、いつも本当に頼んでよかったと思う。文章の輝きが一層増して返ってくるから。夜は、バブーシュカに言って、店主の杉ちゃんと、友人Oくんを労う会。いろいろと積もる話を聞いて、いや、まぁ人と仕事するって本当に大変だね、という。今、これだけほとんどストレスなく仕事できてるのも本当に奇跡的なことで、関わってくれている人に感謝しかない。Oくんも新たな出発のために早速動いていて、きっとよい未来が待っているのだと思う。久しぶりにバブーシュカのバターチキンカレー。やっぱり大好き。食後にもうすぐ提供予定のかき氷を試食させてもらう。スパイスが効いたチャイのかき氷。甘くないおとなの味。これをワンオペでやろうとしている杉ちゃんがちょっとだけ心配。
6/17(火) 来週、沖縄への出張があるため、猫たちのお世話を母と義母にお願いしている。そのため今日は家を掃除するぞ~と思っていたものの午前中はしゃっきりとせず、ついついグダグダしてしまう。午後から、よし、やるか!と思っていたら、なんだか寝室の冷房の効きが悪くて全然涼しくならない。あれ?と思い、室外機を確認してみるとなんと動いていない。急な猛暑で、今年初めてのエアコン稼働。これがいけなかったか。とはいえ、もう12,3年前のものなので寿命だったのか。しかし、10年ちょっとで壊れる仕様なんてあんまりじゃないか。急いでパソコンで検索してみるものの、取り換え工事できるのがほとんど1週間後。沖縄出張時に重なってしまい、それだと猫たちの体調が心配すぎる。というわけでヤマダ電気に直行し、在庫があってすぐに交換できるもので、と明後日の工事を取り付けてもらい新エアコンを購入。痛い出費だが、背に腹は代えられない。もはやエアコンなしでは熱中症は避けられないご時世。毎年思うのだけど、夏に震災がきたら本当にどうすればよいのか。熱中症の二次被害がものすごい数出てしまいそうでゾッとする。帰宅し、玄関から寝室と、玄関からベランダの間を業者さんが通れるように片付け始める。が、モノが溢れかえっていて途方に暮れる。なんとか気を奮い立たせ、モーセの気持ちで切り開いていく。とりあえず半分ほど終了。今日はここまで。夜ごはんは焼きそば。
6/18(水) 朝、歯医者。詰め物の寿命がきているとのことで再治療。チク、チクッと麻酔をうたれて30分ほどで治療終了。麻酔が切れるまで3時間ほどかかるのだが、その間、筋肉が引っ張られて口元が少し歪んでしまう。杏子を美容院に送って、一旦出勤。今日は土山さんの星読みの日。オンラインショップの出荷作業だけ終え、ゆいちゃんに店番をお任せして帰宅。昨日の続きの大掃除。杏子が帰宅し、二人ともお昼をろくに食べれていなかったので、こういう時のためにとスーパーで買ってあったつけ麺を食す。衣替えもしながら、毛布をコインランドリーで洗ったり、ひたすら掃除機をかけたり洗濯機を回したり、エアコン下の本棚を移動したりと、汗だくになりながらなんとか終わりが見えてきた。夜、作るのも面倒くさくなったのでスシローへ。こころなしか、お寿司が小さくなっている気が。こんなもんだったっけかな? 帰宅して、もうちょっとだけ掃除機を掛けたり仕上げをして、寝室は冷房が効かないため、リビングに布団を敷いて就寝。はっちゃんも一緒についてきてソファで寝ている。かわいい。
6/19(木) 朝、エアコン業者から電話。予定より早く到着しそうとのこと。慌てて用意をして、杏子を送りがてら一旦店に行き、Fさんに送る校正紙を出力する。すぐに自宅に戻ると既に業者さんが到着していた。知らない人が急に部屋に入ってきたものだから猫たちはびっくり。はっちゃんは尻尾をパンパンに膨らませて、さくちゃんと一緒に一目散にベッドの下に隠れた。エアコン工事は2時間ほどで終了。この暑い中、本当にご苦労様です。とても丁寧な方で、玄関のドアを開ける際に万が一猫たちが飛び出さないよう十分に注意して作業してくれた。業者さんが帰ってしばらくすると、猫たちは何事もなかったかのように、ベッド下から出てきて、ごろんと寝転んでいる。麦子は、給湯器の工事の際に、(たぶん)そのストレスで膀胱炎になってしまったことがあった。二匹の様子を見ているとおそらくその心配はなさそう。とはいえ、たっぷりじゃらして遊んでストレス解消させてあげる。夜は、いただいた地頭鶏の炭火焼き、中華スープ、ごはん。
EXHIBITION INFORMATION

【EXHIBITION】2025年7月5日(土)~7月21日(月) ON READING店内
NOBUSE NOBUYO exhibition 『光合成の練習』
愛知在住のイラストレーターで文筆家の、ノブセノブヨによる展覧会を開催します。

【EXHIBITION】2025年7月11日(金)~7月14日(月) ON READING GALLERY
vent de moe 2025 summer exhibition 扇子・小物展示販売会
花は忘れる、風は覚えている。Flowers Forget. Wind Remembers.
従来の枠にとらわれない自由でコンテンポラリーな扇子ブランド、vent de moeの展示即売会を開催します。

【EXHIBITION】2025年7月17日(木)~7月28日(月) ON READING GALLERY
mocchi mocchi & 望月佐知子
HANGA – silkscreen × papermaking -EXHIBITION
京都にある版画工房 Printmaking studio PRESS CLUBをアトリエとして活動する、mocchi mocchi(シルクスクリーン版画)、望月佐知子(紙造形版画)の2作家による作品展です。
♪ Now Listening
Love Made Trees / Loaded Honey
UKのダンサンブルなネオR&Bバンド、JUNGLEのメンバーのうち、二人(リディア・キットーとジョシュ・ロイド・ワトソン)によるニュー・ユニット。こちらはぐっとロマンティックでスウィートでレイドバックなメロウ・ソウル。
今週はこのあたりで。
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