NEWSLETTER FROM ON READING 2026.03.20

こんにちは、ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。まだまだ朝晩は冷えますが、それでも日中はぽかぽかとした春の陽気を感じられるようになりました。道路を挟んだ広場のユキヤナギも満開です。そろそろ桜の開花も近いでしょうか。そろそろ花粉も落ち着いてほしいところです。(義)
NEWS
【掲載のお知らせ】
『本の雑誌 2026年4月号』の、本屋ライター・和氣正幸さんの連載「本屋の旅人」にて、ON READINGを取材していただきました。
【寄稿のお知らせ】
『暮しの手帖41号(4-5月号)』の、「目利きの本屋さんに聞いてみた」コーナーに寄稿させていただきました。
【POPUPのお知らせ】
広島PARCOのBOOK PARK CLUBにて、ON READINGのPOPUPを開催中。5/12まで。
EVENT
いよいよ明日です!
物語から、浮かぶ味がある。舌から、たちあがる言葉がある。ある一冊の本(または言葉)を起点に、菓子屋おむすび @kashiyaomusubi が菓子を拵えます。言葉と菓子のコラボレーションをお楽しみください。
---
今回は、岡本真帆さんの歌集「あかるい花束」より2種の菓子をこしらえ、販売いたします
…………………………………………………
言の菓
2026年3月21日(土)販売
言葉:岡本真帆『あかるい花束』(ナナロク社)
菓子:夏の合図・しゅくふく(予定)
価格:3,000円(税込)
(『あかるい花束(サイン本)』1冊と、和菓子2種(各1個)のセット)
※当日販売分も少しございます!

『星を、たよりに』出張 星読み at ON READING
日程:2026年4月22日(水)
時間: 12:00~19:00
料金:6,000円(お買物券500円分付)※当日、現金にてお支払いください
場所:ON READING GALLERY(名古屋市千種区東山通5-19 カメダビル2B)予約枠(約60分/星読み+選書)
詳細・予約:https://onreading.jp/event/hoshi0422/
新しい季節のはじまりに、自分の”現在地”を確認してみませんか?
案内人は、名東区で「私設図書館もん」を運営している土山さん(通称:つっちー)。
星の配置や動きを元に、あなたの持って生まれた性質、今たっている場所、これからのことなどを紐解いていきます。
入荷情報 PICK UP
・虫の時間 往復書簡 こだまといりえ / こだま、いりえ
とにかく面白いです!エッセイストの「こだま」と、神保町にて間借りで本屋を営んでいた「いりえ」による一年半の往復書簡。作家と元書店主が打ち明ける、他人には言えない困り事──。一度しか会ったことのない二人は、いつの間にか友人にも話さないような悩みを明かす。
・そんな気がする / 武田砂鉄
ライター、編集者、ラジオパーソナリティーとして、社会や世相に対し、鋭い視点、着眼点で「問い」を投げかけている武田砂鉄によるエッセイ集。暑さや再配達、筋肉ネタまで、一回きりの日常を何度も立ち止まって味わう123篇。
・書きたいことがない人のための日記入門 / pha
ウェブ日記から文筆の道に進んだ著者・phaが、空前の日記ブームに贈る、待望の日記ガイド。日記は自由な表現で、書くほど文章力が育つ。創作の土台となり、自己理解を深め、日常の新たな魅力にも気づける。SNS時代にこそ、思考を整え他者とつながる手段となり、人生を豊かにする。
・IN/SECTS インセクツ vol.19 特集「私たちの時間」
大阪発ローカルカルチャーマガジン「IN/SECTS」最新号の特集は「私たちの時間」。効率や生産性が重視される時代に、あえて非効率な対話から生まれる思考を大切にしてきた本誌が、多様な立場の人々に時間の捉え方を聞く。
・時間と自己 / 木村敏
人間存在を探究し、「あいだ」を基軸とする独自の人間学を構築して、国内外に影響を与えた、医学者・精神科医の木村敏による時間と自己をめぐる論考集。5月から連続読書会を予定しております!
・Vacant/Edition #2『Polylog』
東京・代々木八幡のプロジェクトスペースVacantの活動を記録する出版物『Vacant/Edition』第2号。テーマは「ポリローグ」。6名の作家と主宰・永井祐介が展覧会を振り返り、「場」が生まれるプロセスを対話で探る。あわせて「文化空間学」をめぐる永井の書き下ろしエッセイも収録。
・詩脳講義 / 野村喜和夫
詩人・批評家の野村喜和夫による東京大学での「現代詩」講義を収録。自作「デジャヴュ街道」を軸に、詩とは何か、誰に向けて書かれるのか、言葉や隠喩の力を具体的に解説する実践的入門書。読むための視点も丁寧に示す。
・京大マガジン 0号「失敗」
歴史学者・藤原辰史が編集長を務める、京都大学発の雑誌『京大マガジン』の創刊号。北川進氏インタビューや師田史子氏との対談、三宅香帆×三島邦弘×藤原辰史鼎談など。
・暮しの手帖 5世紀41号
1953年に創刊し、広告ゼロの編集方針を貫いて、毎日を豊かに、美しくするヒントを紹介しているインディペンデントな総合生活雑誌『暮しの手帖』。「目利きの本屋さんに聞いてみた」コーナーで、ON READINGも寄稿させていただきました。
・短歌探偵タツヤキノシタ / 舞城王太郎、木下龍也
舞城王太郎最新作!福井に引っ越した小学3年生・キノシタタツヤが「短歌探偵」として事件を解く全5話連作短編集。短歌一首を読み解き真相に迫る、前代未聞の「短歌×謎解き」ミステリー。
・MY IMPERFECT SELF / Yoshitomo Nara 奈良美智
奈良美智の作品集。2025年にBLUMで開催された展覧会に伴い刊行。近年のブロンズ彫刻への展開と、不完全さに宿る詩性を軸に構成される。イーワン・クーンの新規エッセイに加え、制作過程のドローイングや来場者を捉えた写真を多数収録!
・OSLO ARKIV(SIGNED / NUMBERED)/ Ole John Aandal
オレ・ジョン・アーンダルによる作品集。2011年ノルウェー連続テロ事件以降、オスロ政府地区を自宅から10年にわたり撮影した記録から構成される。反復する風景の中に、喪失と回復の時間が静かに刻まれる。750部限定サイン入り。
・UP AND DOWN TOWN / REGENBÜCHLEIN / David Weiss
ダヴィッド・ヴァイスの作品集。MASI Luganoでの展覧会に伴い刊行。約150点の精緻なインクドローイングで、雨に濡れる都市の情景を反復的に描く。テキストは最小限で、細部に目を凝らすほど奇妙な人物や関係が立ち上がる。1975年初版、後に『Regenbüchlein』として再版された、見るたびに発見が更新される一冊。
RECOMMEND BOOK !
名前はわたしだけのためにあるものじゃない、あなただけのためにあるものでもない。それはきっと、わたしとあなたのため、その関係をつなぐものとして存在する。あなたがわたしの名前を呼べば、わたしはそれに応えることができる。(中略)それはたとえば魔法の呪文のようなもの、呼ばれたとき、内側でビカビカッと閃光を放つなにか。(中略)わたしだってそう、他にもいくつかの呼び名がある。わたしの目を覚まし、わたしを「我に返して」くれるような名前が。
祝・重版!
きくちゆみこさんからのお手紙付録「To you, わたしがいま話しかけたいあなたへ もしくは:〈Stranger〉から〈You〉までの長い道のりの途中にて」&サイン本にて再入荷しております◎
パーソナルな語りとフィクションによる救いをテーマにしたジンを定期的に発行しつつ、言葉を使った作品制作や展示も行っている翻訳・文筆家のきくちゆみこによる、あたらしく引っ越してきた郊外の団地で、長年苦手としてきた「人とともにいること」の学びと向き合う日々を綴った日記エッセイ。
“人間関係101”の人たちへーー。
名前をよぶこと/よばれること、待つということ、3人の難しさ、シンクロニシティ(またはイニョン)、与えること/与えられること…。
「わたし」と「あなた」のあいだにあるものを、言葉にすることはたやすいことではない。
誰かと、いま・ここで、ともにいること。それは途方もなくしんどいことで、信じられないほど美しいことだから。
人といることでエネルギーを使い果たしてしまうため、なるべく人に会わないでいられる暮らしをつくってきたきくちさんが、40歳になってたどりついた「もっと、人と一緒にいたい」という気持ち。この切実さに、打たれてしまった。
思えばきくちさんはこれまでもずっと、過去の自分やまだ見ぬ誰かへ、「あなた」と呼びかけてきた。ずっとずっと、呼びかけてきた。その言葉で呼び起こされた「わたし」があって、そうして私は「わたし」に話しかけようと思えたのだった。「わたし」は「あなた」から呼ばれてはじめて、応答することができる。「わたし」に返ることができる。
住むところや、通う場所、会う人びとが変わるこの季節。春が、苦手だなあと思う人にも、おすすめしたい一冊です。
枝葉末節な日々
今週の担当:(杏)
3/13(金) 本当はいつだって、ご機嫌でいたい。ON READINGって最高、と常に思っているし、ここに並んでいる本は自信を持ってお勧めしたい。私にはよくわからないフリペを持ってこられた方が「あそこに似たようなのが並んどるね」というので、どれですか?と聞くと、「ペラっとしててチャチャッと描いたみたいな。これは、もっと深い内容のもので~」云々。あ、これは失礼なこといわれてるな、とわかったので、にっこりと笑って「うちは大丈夫です。ご案内ありがとうございます」とお返しすると、「愛想ないな」と悪態をついて帰っていかれた。趣味は人それぞれだが、対話の前には敬意が必要。そもそも、敬意を感じられない店になぜ、ご自分の大切なフリーペーパーを置きたいんだろう。私は、私の店で扱っている本を守らなければいけない。もちろん、こんなこと、いくらでもある。けれど、曇天と花粉と寒の戻りにやられたのか、鬱々とする。長く苦しんできた確定申告も、解明されないままの謎も抱えつつではあったが、ようやく完了。税金が恐ろしい金額になっていて、せっかく売上がたっても、本当に手元に残らないものなんだな。夜、余っていたすき焼きのたれがあったので、鶏肉と白菜のすき煮。よっさんが「ちょっとだけ、なんか見たいな~」とアマプラとNetflixをザッピングしている。ONE PIECEの実写版ドラマのシーズン2が始まったようで、「面白いんかな~」といいながら何話あるかみてみると、なんとシーズン1の最終話ひとつ前まで再生済みになっている。一番盛り上がりそうなところまで見てやめているなんて。さらに本人は全然覚えていないらしい。その後も「マイリスト」に入れてあった気になっていたドラマをいくつかチェックすると、これも!これも!と、まったく記憶にないドラマが「再生済み」になっている。めちゃくちゃ怖い。結局、最新の『彼の真実、彼女の嘘』というドラマを見始める。1話目から気になる展開で、私の方がぐっとひきこまれる。ふと隣を見ると、よっさんはそっと目をとじている。なるほど、こういうことなんだろうな。
3/14(土) 大量の出荷作業があるので早めに行こう、と言っていたのに起きられず、朝ごはんも食べられなかった。なけなしのおやつでやりすごせるだろうかと心配していたら、ひらめぐちゃんが、妹さんが営んでいるパン屋いこうのクリームパンを持ってきてくれた!救世主~!いこうはクリームパンが看板メニューなのに(ショップカードもクリームパンのいこうちゃん)ご家族はクリームパンが苦手で食べられないのだそう。私はパン屋に行けば、クリームパンを率先して買う。捨てる神あれば、とはまさにこのこと。めちゃ美味しい。夜、大学時代の友人たちと名古屋駅でごはん。仕事後にかけつけたので1時間くらい遅れて到着すると、今日の幹事もお子さんの寝かしつけに時間がかかってしまったそうでほぼ同着。大学時代の話や子育てのこと、猫のことや仕事のことなど、全く話し足りない。なのだが、席が2時間制という枠があり、あともう1時間しかない。大急ぎであれこれオーダーしたものの、すべてのオーダーが並んでからものの10分で出なければいけないということに気づき、もうバタバタ。パエリアとアヒージョとニョッキを口に詰め込みつつ、バスクチーズケーキをホットコーヒーで流し込んで追われるように店を出る。消化不良でもう一軒!と行ったカフェにも時間制限があり、名古屋駅って今、こういう感じなのか…。場所にも時間にもお金がかかる時代、なんとも世知辛いな、と思ったけど、多分こうやってエリアの経済は回っているんだろう。1軒の滞在時間を短くすれば、もう1軒、もう1杯と人が回っていく。大規模の再開発も白紙になって、この先、このまちはどうなっていくんだろう。交差点で「お、今日やぎ座1位だった」とよっさんが言うので見ると、電光掲示板で星占いが流れている。みずがめ座は8位。「よく考えずにあれこれ手をつけてどれも中途半端」。これは今日に限ったことではない。
3/15(日) 朝、ハムとチーズのイングリッシュマフィン、スクランブルエッグ、サラダ、グレープフルーツ。イングリッシュマフィン、たまに食べるととってもおいしい。このところ気持ちがスカスカして心もとない。たまにあるこの状態を、なんと名づけましょう。確定申告やらエッセイ集完成やらで、ひと山越えたところなので心が暇なんだろうか。暇だと自分に目がいく。尹さんのトークがあったり、やまださんやHちゃんとおしゃべりしたり、会う人会う人に「どうやって仕事を選んでいったらいいのか」と聞いて回ったり、きくちゆみこさんの新刊を(ようやく!)読んだりして、そうやって集めた言葉を、何度も反芻させて考えている。私のなかのやわらかい部分がどろり、と出てきている。さみしさなのだろうか。多分この波もすぐに過ぎ去ってしまう。自分をないがしろにしないことと同時に、自分に関心を向けすぎないこと。自分の話をちゃんと聞きつつ、深刻になりすぎないこと。過去を見つめつつ、いま・ここを生きること。この塩梅である。尹さんの『「要するに」って言わないで』の中の「なんのことはない。それはただの日々の暮らしと呼ばれるものです。」という一節が好きで、時折唱えている。自分と向かい合ってしまうことが怖い。不安や緊張に飲み込まれてしまうのも怖い。いまだ怖いものだらけの私だが、感じていること起きていること、ただそのままを見れば、その先にあるのはただ「なんのことはない、ただの暮らし」なのである。今日着ているのは、ON READINGの2024-2025A/Wスウェット、胸には「Humor/Pathos」と書いてある。ユーモアとペーソス。これが人生だ。夜、手羽元とキャベツの塩麴煮、キムチ。
3/16(月) 放送大学の申し込み日が過ぎてしまった。通信教育への苦手意識があるので全12回の授業をやり通せるかとか、1講義だけだと入学金がそのままのっかってしまうのがもったいないような気になって、踏ん切りをつけられずにいた。できたら生涯学習として2、3講義くらいを毎年ゆるやかに受講しつづけていけたらと思うのだが。パンデミックのころ、オンラインのワークショップやトークイベントが増えた中で受講した、FILTRのオンライン講座がとてもよかった。磯野真帆さんと金セッピョルさんの講座を受けたが、5、6回で終了すること、相互にやり取りがあることで適度な緊張感がありつつ、ぐっと集中することができたのだった。あの感じでまた取り組めるものがあったらな。放送大学に興味が出たのは、それもパンデミック時に本屋B&Bの年越し企画で、全国の書店とオンラインでつないでリレー形式でトークしていったときに、八戸ブックセンターの方が放送大学のテキストが面白い、という話をされていたことだっただろうか。とにかくこれも数年来やりたいな~と言いつつやっていないことのひとつ。今年はこれぞ、という講義も定まっていたので、もうあと申し込むだけだったのだけど。今、他に迷っているものは、パーソナルトレーニング(トレーナーがマッチョすぎる、週に1度定期的に通える自信がない)、ペーパードライバー講習(講習受ける前に、一回ちょっと広いところでアクセルとブレーキ踏みたい)。定期便で届く化粧品やサプリも日々の継続ができずすぐに余らせてしまうので、ひとしきり届いた段階で停止する、を繰り返しているし、チョコザップも行ってない。インスタで流れてきた何かで、美容の最大の敵は、紫外線でも乾燥でもなく「面倒くさい」だ、とあってその通りだと思う。やればいいだけのことはやろうと思う。こんなところにぐだぐだ書いてないで。中区PJのエッセイ集の執筆者さんがご来店くださった。Uさんはご自身のエッセイを元につくられた映像を見て「こうなったか」と思ったそう。WSの二人一組で互いの記憶を聞きあって書くプログラムでも、やはり同じように「こうなったか」と感じた。自分の記憶と、それを伝えた相手のあいだに起こるズレ。けれどそれを受けて、自分自身のまちに対する印象そのものも変化をしたのだそう。変わってしまったまちに対して感じていたちょっとしたネガティブな思いが、人に聞いて語ってもらったことで消化されて、まあそれもありかな、と思えるようになったのだという。こうやって「わたしの記憶」が、誰かに伝わって変容していったり、誰かの記憶と混じっていったり。それが「まちの記憶」なのかもしれないですね、とお話くださった。明日も早いのにドラマ『彼の真実、彼女の嘘』を最後まで。だいどんでんがえし~!
3/17(火) 東京へ。あいちゃんにチケットをもらった『アルフレッド・ジャー:あなたと私、そして世界のすべての人たち』展。広島で制作された作品を見ながら、2025年8月15日に広島で、皆で空をみあげていた永井玲衣さんのことを思い出していた。アメリカ、チリ、ボスニア=ヘルツェゴヴィナ、ヒロシマ。安全な場所から「見る」をしている私の暴力。渋谷駅からすぐの場所で、4月からオープンするL PACK.の新スペース「Museum of Imaginary Narrative Arts[MINA]」がプレオープンしていたので覗きに行く。L PACK.のやろうとしていること、やっていることはいつも気になる。今回は“アート作品に囲まれながら飲食を楽しむミュージアム&カフェ”。ごはんを食べながらこの距離で作品を見られることって自宅以外にない、というくらい近く、どちらかというと展示空間のなかでお茶してる、くらいの距離。私はスープ&サラダセット、よっさんは鉄板ナポリタン。スープの団子がめちゃくちゃ美味しい。メニューはたぐちごはんさんの監修によるものだそう。天井の高い気持ちのよいスペースは新築で建てたもので、たまたま東急のご担当者さんもいてあれこれ話を伺う。外部から「こういうことやりましょう!」と言ってくれる人がいないと、企業や行政もお金を動かせない、という話。当たり前の話だけど、そうやって掛け合っている人たち、妄想を形にする人たちは本当にすごい。個人が個人の力でやれること、もちろんそれがベースだけど、インフラとして整備した方がいいもの、多くの人に広めた方がいいものは、そういう外部の言い出しっぺがいないと実現しない。そしてこの場所は、言葉にすると、“アート作品に囲まれながら飲食を楽しむミュージアム&カフェ”なのだが、それだけではない。メニューや展示、コレクションなどあらゆる側面から、ミュージアムが持つ意味や役割を問い直す取り組みでもある。松陰神社駅に移動して、メルシーベイク。お目当てのナッツはなかったけれど、クッキー瓶や焼き菓子を買い込む。Kさんと合流して近くのカフェへ。今年に入ってから、Kさんに月に一度、「おたより」として文章を送って読んでもらっている。書きたいこと、書けないことなど一気に話を聞いてもらう。「あっちの物語が強すぎて、負ける」という自分の口から出た言葉にはっとする。時間はかかるだろうが、取り組んでみたい。Kankyo Recordに行っていた(けどやってなかった)よっさんとtwililightで合流。ここからが今日の主目的。nakabanさんの展示にあわせて企画された、阿部海太郎さんとnakabanさんの「テントパシー」というパフォーマンス。タイニーな空間のなかで、魔法つかいのようなおふたりと一緒に演奏をするスペシャルな時間。オルガンをまわす音、衣のこすれる音までもが、音楽になっていく。医療行為というテイに乗っかって「すっかりよくなりました~」というと「お大事に~」とnakabanさん。日高屋で私はタンメン、よっさんはチゲラーメン。帰りの新幹線ではtwililightで買った『庭に埋めたものは掘り起こさなければならない』を一気に読む。私には希死念慮もなく、白血病でも摂食障害でもない。それでも書くことを通じて世界と、自分と出会い直そうとする著者に、強烈なシンパシーを感じた。
3/18(水) 朝、キャロットラぺ、メルシーベイクのタルト。食感がたのしく、美味しすぎる。昨日、花粉をあびまくったよっさんは調子が悪そう。私は気圧で調子が悪い。ゆいちゃんは日曜に行ってきた嵐のライブでぴっかぴか。登場シーン、機材トラブル、衣装のことや終わり方まで、いろんな話を聞きながら同僚って素晴らしいな…と思っていた。リブロを辞めてから、あいちゃんがうちで働くようになるまで、私には同僚と呼べる人がいなかった。リブロ時代、同僚と作業をしながら、ディズニーランドの年間パスのことや、韓国ドラマのこと、アルフィーや聖飢魔Ⅱの近況、大根の煮方など、いろんな話を聞いた。どれも自分ではたどり着かないことばかりで、そのものには興味を持てなくても、好きなものの話をしている人の話が面白かった。夜、TESIOのソーセージをお取り寄せした際についてきたケチャップが残っていたのを使いたくて、冷凍ごはんでオムライス。すんごい量ができてしまった。
3/19(木) 朝、Kさんにいただいたパン、ネオバターロール、サラダ。引き続き頭がいたい。手芸部のYさんがご来店。日米首脳会談、怖いよね…と言い合う。本当に、どうなるんだろう。昨日友人のRから「今のうちに本買っておこう、みたいな人もいる?」と聞かれたが、今のところ店頭では感じない。しかし、すでに輸送コストや原材料の高騰(紙が高い)、不況で製本会社や印刷会社が経営難に陥いるなど、様々な要因で書籍の価格はあがっている。洋書は円安でさらに高くなっている。書籍は比較的、影響がでるのが遅い、とは言われているものの当然影響はさまざまに出るだろう。Rはひとまずエアコンを買いなおす予定だという。うちもエアコンは買い替えようと思っていたタイミングなので、早めに手をうっておかねば。夜、鯖の塩焼き、レンコンと茄子の甘酢炒め、豆腐と海藻の味噌汁、いぶりがっこ。L PACK.の中嶋さんから「先日はありがとうございます!ところでポスターお忘れじゃないですか?」とメッセージが。アルフレッド・ジャー展でもらってきたポスターを、よっさんが東京のどこかで忘れてきてしまって落ち込んでいたのだった。「やさし~!」と大喜び。
EXHIBITION INFORMATION

2026年3月12日(木)~ 3月23日(月) ON READING GALLERY
EPIC HOUSE EXHIBITION
イラストレーションとそれを彩る額装、それぞれのアイディアを掛け合わせてユニークな作品を生み出す、イラストレーターの佐藤梓(LIGHT HOUSE)と、額装家の沖津真美(ÉPICE)によるユニット『EPIC HOUSE』の展覧会を開催中です。

2026年3月28日(土) ~ 4月12日(日) ON READING GALLERY
HARUNE HORIGOME “TINY EHIBITION TOUR”
2026年春、地方3都市の書店を巡る原画展を開催。
本展では画集『I vvonder(アイ ワンダー)』に収録された作品を中心に、新作を含む原画を展示いたします。ページの中に収めた世界が書店という場所で静かにひらかれ、訪れる方それぞれの想像と重なりながら広がっていくようなひとときになればと願っています。
---
画集”I vvonder”について
ただひたすらにえがくことが好きだったひとりの少女が絵を通じて世界と向きあい、羽ばたくための旅路を描いたファーストアルバムです。かつての無垢な衝動は、0.05mmのペンでおりなされた繊細な問いへと変化し、観る者のこころに眠る好奇心をそっと呼び覚まします。光と闇、迷いと希望が交差するこの作品集は、一枚一枚があらたな発見と自己探求の扉をひらき、あなた自身の物語を紡ぐ旅のはじまりともなるのです。
堀米春寧/絵描き
文化学園大学在学中より絵描きとして活動を始める。いのちの流れと好奇心をテーマに、ドローイングやペインティング、刺繍を用いた作品を国内外の個展やコラボレーションで発表してきた。近年は衣装制作や百貨店の空間デザインなど、立体的な表現や手仕事を通じて活動の領域を広げ、ヴィジュアルアートを軸に新たな物語を紡ぐ試みを続けている。2025年2月には、初の画集「I vvonder」を刊行。
https://www.instagram.com/haruneh/

2026年4月17日(金)~20日(月)ON READING GALLERY
佐藤さん55周年おめでとうございます展 in 名古屋
※最終日は16時まで
北海道を拠点に現役で木彫り熊を彫り続ける作家・佐藤憲治さんの展示販売会を開催します。佐藤さんが作る木彫り熊は、どこか肩の力が抜けた、静かでユーモラスな佇まい。力強さの中にあたたかさと親しみがあり、見れば見るほど、不思議と心に残ります。
木と向き合い、彫るという行為を重ねて生まれるかたち。木彫り人生55周年を迎えた佐藤さんの、手仕事が積み重ねてきた歳月と、その静かな存在感を、春の光のなかで感じていただけましたら幸いです。
\\ 開廊時間 //
4月17日(金) 12 : 00 – 19 : 00
4月18日(土) 12 : 00 – 19 : 00
4月19日(日) 12 : 00 – 19 : 00
4月20日(月) 12 : 00 – 16 : 00
企画:Vada
東京吉祥寺にて沖縄の器やちむん、アンティーク家具、古道具、服、北海道の木彫りの熊、徳島の藍染などを扱うお店。
♪ Now Listening
Therapy / Brendan Eder Ensemble
ロサンゼルスの作曲家、Brendan Eder率いるアンサンブル。臨死体験や神智学、哲学の影響を背景に、室内楽の繊細さとミニマル、アンビエントが静かに溶け合う極上のコンテンポラリーミュージック。パンク~エイフェックスツインを経由した後に、ここに行きついているのすごい。前作もめちゃくちゃ良かったけど、今回も名盤。
今週はこのあたりで。
すでに登録済みの方は こちら


