NEWSLETTER FROM ON READING 2025.03.28

こんにちは、ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。花粉も辛いし、予定も詰まっていて多忙なはずなんですが、なぜか元気です。いいことだ!今日、郡上から団体のお客様がいらっしゃいました。もしこれを見ておられる方の中に郡上の方がいらっしゃいましたら、ご来店の際には是非お声がけください。郡上と聞くと(こころの)ふるさとの情景がばーっとひろがって嬉しくなるのです。ただ、それだけなのですが。(杏)
EVENT INFORMATION

SHIN SASAKUBO GUITAR SOLO TOUR 2025 at ON READING
日程:2025年4月16日(水)
時間: 開場 19:00 開演 19:30~
入場料:3,000円(要予約)
詳細・予約:https://onreading.jp/event/0416/
Sam GendelやFabiano do Nascimento、Carlos Ninoなど世界の名だたる音楽家たちとのコラボレーション作品も多数発表している、埼玉県秩父市出身の作曲家/ギタリスト・笹久保伸(SHIN SASAKUBO)のギターソロ・ライブを開催します。
4月には、モザンビークのパーカッション奏者・Matchume Zangoとのニューアルバム『KALAMUKA』をリリース。笹久保にとって通算42作目のアルバムとなります。アンデスギターの魔術的リアリズムの世界、アイデンティティである秩父の呪術的/魔術的な世界、近年の共演者たちと音楽を作る中で体感して音世界。笹久保伸にしか鳴らせない、至高の音楽を是非お楽しみください。

千種創一歌集『あやとり』刊行記念トークイベント
日程:2025年4月23日(水)
時間: 開場 19:00 開演 19:30~
入場料:1,500円(ON READINGお買物券500円分付)
定員:25名(要予約)
予約:https://onreading.jp/event/ayatori/
残席少なくなってきてますよ~!
千種創一による、『砂丘律』『千夜曳獏』に続くコンセプチュアルな最新歌集『あやとり』(短歌研究社)の刊行を記念して、トークイベントを開催します。
昨年開催された「アートサイト名古屋城2024」の出展作品についても触れながら、収録作品について、創作についてのお話を伺うほか、名古屋弁で書かれた作品の朗読も予定しています。イベント終了後にはサイン会も行いますので、ぜひご参加ください。
入荷情報 PICK UP
・20光年 / INA
『牛乳配達DIARY』や『つつがない生活』など、暮らしの中の豊かな情景が胸を打つ名エッセイ漫画を世に送り出してきたINAが描く、「記憶」と「思い出」にまつわる11の短編漫画集。
・随風 01
随筆、エッセイの復興を掲げる新たな文芸誌『随風』の創刊号。
・『たやさない つづけつづけるためのマガジン』vol.5
つづけつづけるためのヒントを探るリトルプレス『たやさない つづけつづけるためのマガジン』。今号は「憧れの結び目」をテーマに、本にかかわる仕事をしている人たちの「憧れ」をたどる特集。
・Witchenkare VOL.15
編集者の多田洋一が、「ぜひこの人に」と寄稿依頼して年に1回発行する、実験や自由な創作の場としての文芸誌『Witchenkare』の第15号。綿野恵太、武塙麻衣子、武田砂鉄、オルタナ旧市街、小川たまか、宮崎智之、仲俣暁生ら、多彩な分野で活躍する47名の「いま書いてみたいこと」が1冊の本に纏められています。
・広告 Vol.418 特集:領域侵犯合法化
博報堂が出版する雑誌『広告』が、今号よりリニューアル。「うれしい事件を。」というテーマを掲げ、ビッグデータやAIが台頭し、あらゆる計算が先行してしまう現代だからこそ、あえてぶつかり合い、協業し、ノイズを生み、「計算通り」「予想通り」を超えた「未来の交差点」を誌面で展開していく。今号の特集は「領域侵犯合法化」。
・TOO MUCH Magazine Work 2 — Schemata Architects (Second Edition)
アート、建築の話題を中心に、ヨーロッパ、北米等で多くの読者に親しまれている英語表記(日本語訳冊子付き)の、東京発のインディペンデントマガジン『TOO MUCH Magazine』。建築家の長坂常と彼の率いるスキーマ建築計画を特集した前号が、瞬く間に完売。本作は、新しい表紙、新しい装丁、そしてスキーマの最新プロジェクト「ボフミル千駄ヶ谷 東京』のモックアップカフェの考え方と制作の様子を紹介する追加コンテンツを加えた拡張版。
・洋子 / 深瀬昌久
只今ご予約受付中!深瀬昌久、不朽の名作『洋子』── 奇跡の復刊!長らく入手困難だった、1978年刊行の朝日ソノラマ写真選書8 深瀬昌久著『洋子』が約半世紀ぶりに新装復刊。
・The Light / Mustang 光の王国 / 山西もも
東京芸術大学で鋳金の修士課程を修了という経歴を持ち、ZOOMS Japan 2024 グランプリを受賞した新進気鋭のアーティスト、山西ももによる写真集。かつて王朝が存在したムスタンの地で、拾い集めた素材から自作したピンホールカメラによって撮影したシリーズ。
・幽かなスリル / 木下理子
美術作家・木下理子による2024年2月に9日間のみ開催された展覧会「幽かなスリル」を収録する記録集。撮影は写真家の高野ユリカ。
RECOMMEND BOOK !
世界中の様々な媒体でも活躍中の、シンガポール出身のフォトグラファー、Nguanによる最新写真集が届きました。
本作『All the Dreamers』は、ニューヨーク市マンハッタンのホワイトホールとスタテンアイランドのセント・ジョージ間を航行するフェリーに乗る、ニューヨーカーたちの姿を捉えたシリーズ。
トランプ大統領の誕生やパンデミックなど、都市、国家、世界が揺れ動く中、フェリーの乗船者たちは、この船上を束の間の安息の場所として過ごした。自由の女神像を眺めながら、乗客たちは何を思っていたのか。
詩情あふれる、おすすめの写真集です。
枝葉末節な日々
今週の担当:(義)
3/21(金) 今朝も目を覚まそうと思ったタイミングで枕元にはっちゃんが来て、ゴロゴロいいながら眠りを誘ってくる。少し寝坊。朝、昨日の残りのチキンカレー。今日はすっかり暖かい穏やかな天気。平和公園の梅も見事な咲きっぷり。開店してすぐに来て下さった方が、片岡さんの作品をじっくりと観て行ってくれる。サイアノタイプの作品を気にいってくれて購入してくれた。夕方、遠方から来て下さった方も写真集を購入してくれた。少しお話したら、身近な植物をモチーフに絵を描いているそうで、興味をもってくれたみたい。本屋でも買い物してくれて、後に某人気漫画家のNさんだということが判明。びっくり!芳名帳のお名前をみて、あ、あの人が!ということがしばしばある。一昨日くらいにシンガポールの写真家、Nguanさんに連絡して新しい写真集をオーダーしたのだが、その荷物がもう届いた。シンガポールから僅か2日で届くとは。DHLの早さにびっくり。そしてNguanさんの新しい写真集も素晴らしかった。とあるフェリーの乗客たちを撮影したシリーズ。今までの作品よりもドキュメンタリー性が強い作品ではあるが、平凡なシーンの中から丁寧に物語性を見出そうとするNguanらしい作品とも言える。夜は賞味期限の切れた冷凍餃子をじゅうじゅうと焼く。プチトマトとブロッコリーの芯の卵とじ、もやし炒め、味噌汁。最近、すぐ眠くなってしまう。
3/22(土) 朝、トースト、サラダ、ウインナー、ヨーグルト。コーヒー豆が残り少ない。いよいよあったかくなってぽかぽか陽気。と、なったらなったで店はちょっと暇になってしまう。外で遊びたくなる気候だもの。片岡さんは、京都芸術大学の通信で写真を教える先生もしているので、教え子たちも片岡さんに会いに来てくれている。生徒さんたちとの会話を聞いていても本当によい先生なんだろうな、というのが伝わってくる。なによりみんなが楽しそうに写真に取り組んでいるのがとてもよい。いろんな写真集や写真作品を観てきて、やっぱり自分はある程度の長い時間をかけて作られた作品が好きだと思う。数年、十数年、あるいは数十年かけて、文字通り一瞬一瞬を積み重ねてひとつの作品に纏め上げる。この時間軸の表現って実はあまりないんじゃないかと思う。この時間の捉え方、表し方に、実は写真の可能性や面白さが詰まっているのかも。今回の片岡さんの作品も、祖父の庭に15年間通い続け撮影しているシリーズ。半世紀以上にわたりお祖父さんが手を入れてきたその庭は、祖父亡き今、人の手を離れて徐々に変化し続けている。片岡さんはその変化を丹念に撮影し続けているのだが、未だ飽きず、その庭に足を踏み入れるたびに心惹かれる風景に出会うという。その「まなざし」を見つけたり、手にするということが、写真家になる、ということなのかもしれない。夜ごはんは、池下のTeTeへ。音楽家でもある浅野裕介さんが営む、本格的なスパイスカレーのお店。偶然、十年ぶりくらいの知人にも会う。帰宅後、ロングレッグスの流れで、杏子が「羊たちの沈黙」を観たいというのでアマプラで鑑賞。もう何度も観ているはずだが、覚えていないシーンも多く、オープニングの感じとか改めてかっこいいなと思った。
3/23(日) 朝、鶏肉を焼いてチキンサンドに。ちょっと早めに出勤。杏子はイベント出演のため犬山に。今日は、昨日よりもさらに春っぽい陽気。が、花粉と黄砂のダブルパンチで目も鼻もぐじゅぐじゅでさすがにしんどい。発注作業やらなんやらでちょっと残業。ちゃんとご飯をつくる気力も起きなかったので、杏子がちゃちゃっと豚肉と野菜を炒めて、即席麺で五目ラーメン。
3/24(月) 風呂場の換気扇が動いてない。。。やばい、故障か。。。今日は、午前中に中日新聞の取材。いつもお世話になっている記者のMさんが担当している「トントン拍子」という子供向けの記事&動画コンテンツの撮影だった。火の起こし方やアイロンのかけ方など毎回いろんなコツを子どもたちに教えるという内容。で、今回は、本の並べ方のコツというアクロバティックなお題だった。分類してみよう、よく使うものから並べてみよう、背を揃えてみようとか、家の本棚を前提にしたときの並べ方の一例を紹介する。ちなみに我が家の本棚はほぼ無秩序。一方、店の本の並べ方はめちゃくちゃ大事で、一冊一冊ときちんと”目が合う”ように並べている。こうして、家だったり、図書館だったり書店だったり、その場所場所で並べられ方が大きく異なるので、着目してみると実は面白いテーマだったりする。というか本に限らず、並べ方って研究しがいあるかも。夕方から土砂降り、そして雷。LIVERARYのボランティアスタッフをしてくれていたIさんが来店。今年大学卒業で5月から東京に出て編集の仕事に携わるという。こうやって優秀な人材がみんな東京に流れて行ってしまうのが名古屋の寂しいところ。夜、ガストで唐揚げ定食を食べたのち、和平くんの展示の搬出作業。23時には帰宅。
3/25(火) 昼、焼きうどん。今日はもう家を出ないと決めた。少しだけ片付けをして、作業したりメールの返信をした後は思いっきりグダグダしながら猫たちと戯れる。夜、杏子が作ってくれた大根と豚肉の煮つけ、さやえんどう、筍、鶏肉の煮物。ネットフリックスで『アドレセンス』を4話、一気に観る。圧倒的な作品だった。全話、全編ワンカットという驚異の撮影手法によって作られたせいか、ずっと緊張感が途切れない。ケン・ローチ作品にも通じるヒリヒリとしたドラマ。加害者家族を描いているという点で、坂元裕二の『それでも、生きてゆく』も思い起こされるが、何よりもあれだけ家族想いの親でさえ、SNSやネットに蔓延る現代の病から子どもを守れないのか、という絶望感に打ちのめされる。嘲笑は「呪い」となって、いとも簡単に人を殺すし、殺させる。もう、毎日のようにそんなことを見てしまっている。
3/26(水) 朝、トースト、蒸し野菜、コーヒー。黄砂がすごい。空が霞んでいる。なんか野焼きっぽい焦げた匂いもするがこれも黄砂なのだろうか?TLでも愛知周辺の人たちが同じようなことを呟いていた。ここ数日、店のベランダの植物たちの成長がすごい。花の蕾もつきはじめている。道路挟んで向こうの公園にはユキヤナギが見事な咲きっぷり。おやつにゆいちゃんが梅花堂で買ってきてくれた羽二重餅をいただく。おいしい。途中、元スタッフのあいちゃんと足立くんが来店。ながながとおしゃべり。営業終了後、アーティストの是恒さくらさんとオンラインミーティング。是恒さんはこれまでに、各地をフィールドワークして鯨にまつわる文化や物語を集め、自身の刺繍作品とともに収録したリトルプレス『ありふれたくじら』を6号まで作っていて、当店でも取り扱わせていただいていた。今年、『国際芸術祭あいち2025』でも出展が決まっていて、それならばせっかくなので、売切れてしまっているバックナンバーを合本して一冊の本にまとめませんか、と依頼したのだった。鯨と人の関わりは歴史も長く、範囲も広い。壮大な物語にまた触れられるのが嬉しい。良い本に仕立てなければ。帰宅して、夜は大根と豚肉の煮つけ、さやえんどう、筍、鶏肉の煮物。どうやら野焼きっぽい匂いの原因は、韓国の山火事だったらしい。ここまで煙が届くなんて。一刻も早い鎮火を祈るばかり。
3/27(木) 朝、ピーナッツバタートースト、目玉焼き、ウインナー、ヨーグルト。昨夜、マッサージ機を当てすぎたのがいけなかったのか、今日は肩がめちゃくちゃ痛い。入荷したばかりの『随風』を早速読む。文芸の中でいまいち評価されてこなかった「随筆/エッセイ」というジャンルが、近年にわかに盛り上がっている。noteや文フリ、日記ブームもあいまって書き手もどんどん増えていて、うちみたいな、いわゆる独立書店とよばれる店でも特に売れ行きのよいジャンルのひとつになっている。『随風』はそうした動きに呼応するようにして刊行された、随筆・エッセイに特化した文芸誌。柿内さんの批評が凄かった。というかまだ理解が追いついていかない部分もある。ササキアイさんとrn pressの野口理恵さんのエッセイもとてもよかった。もうすぐ百万年書房から刊行される野口さんのエッセイ集もすごく楽しみ。営業終了後、杏子は本チャンネルの収録。4月に左右社から新刊『おめでたい人』が発売となる寺井奈緒美さんと編集者の筒井さんへのインタビュー。寺井さんの静かな反骨さが好きすぎる。めっちゃ仕入れるので『生活フォーエバー』とあわせてガンガン売っていきたい。夜ごはんは、煮物の残りと焼き鮭、黒豆納豆。納豆ってわさびも合うんだね。黒沢清の『CURE』をアマプラで。怖かった。日常から地続きのまま狂気に振れていく感じ。人間の嫌な部分を、本当に嫌らしく描くね、黒沢清って。これも「呪い」の話だなと『アドレセンス』と接近して考えてしまう。
EXHIBITION INFORMATION

【EXHIBITION】2025年3月20日(木)~3月31日(月)at ON READING GALLERY
片岡俊 個展『Life Works』
3月30日(日)と最終日の31日(月)は、作家も在廊します。ぜひお話聞きに来てください。
2024年に赤々舎より刊行された、片岡俊による写真集『Life Works』の作品展を開催します。
半世紀以上にわたりその庭で、野菜や植物を育て、草をむしり水を撒いてきた祖父の営み。鬱蒼と育っては枯れるを繰り返す、自生する植物の存在 ──。自由に育つ植物と祖父の手。その二つが交差した時間は伯父へと受け継がれ、新たな育ちの場として人の影を写しながら絶え間ない変化と循環を繰り返しています。本展では写真集『Life Works』から選ばれた写真を新たに再構成し展開します。そして近年、「LifeWorks」の庭で制作されている写真の古典技法であるサイアノタイプによる新作も発表します。その場所の土に含まれた水分や、照らされた太陽によって生み出された青。変化の途中にある庭という空間に存在していた揺らぎが、層を重ねるように写し込まれています。

【EXHIBITION】2025年4月12日(木)~ 4月14日(月)at ON READING GALLERY
イイダ傘店『令和七年春 受注会』
※12 時~18 時 ( 最終日17 時まで)
日傘・雨傘を布地からデザインし、一本ずつ手作りする傘屋『イイダ傘店』の受注会を開催します。

【EXHIBITION】2025年4月18日(金)~ 4月21日(月)at ON READING GALLERY
ヴァダアンティークスのやちむん市 “KOBO MACHIHIKO EXHIBITION”
毎年恒例のやちむんイベント。今年は・工房マチヒコの個展を開催いたします。沖縄から届いた沢山のうつわが並びます。どうぞ端正な器をお楽しみください!
4月18日(金) 12:00~19:00
4月19日(土) 12:00~19:00
4月20日(日) 12:00~19:00
4月21日(月) 12:00~16:00
♪ Now Listening
藤子 / 野口文
都内在住の謎多き宅録ミュージシャン、野口文の2ndアルバム。フリージャズだったりヒップホップだったり、ポエトリーリーディングだったり、ポップスだったり前衛だったり、をとんでもないバランス感覚で編み上げていて凄いとしか言いようがないくらい凄い。(義)
今週はこのあたりで。
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