NEWSLETTER FROM ON READING 2025.06.27

名古屋のbookshop & gallery ON READINGから、週に一度のニュースレターをお届けします。
ON READING 2025.06.27
誰でも

こんにちは、ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。少し夏休みをいただいて、昨日から沖縄に来ております。僕は初めての沖縄。半分は仕事ですが、美味しいもの食べたり、いろんなものを観たりしてインプットできればと思います。

※週末はゆいちゃんが店番してくれるので、お店も開いてます。ご来店お待ちしております!(義)

6月27日(金) 休業

6月28日(土) 12:00~20:00(通常営業)

6月29日(日) 12:00~20:00(通常営業)

6月30日(月) 休業

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NEWS

 2025年6月29日(日)ー7月17日(木)at 本と商い、ある日(沖縄)
OKATAOKA Exhibition |WALL OF SOUND

ELVIS PRESSよりリリースした、オカタオカ作品集『WALL OF SOUND』の巡回展が、沖縄・本と商い、ある日さんで始まります!描き下ろしの新作もあり。初日はオカタオカも在廊してサイン会も行います。

本と商い ある日、(沖縄県うるま市勝連比嘉20-1  )
https://www.instagram.com/hamahiga_aruhi_/

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EVENT

【残席僅か!】
光嶋裕介・坂本大祐・青木真兵トークイベント
光嶋裕介『建築のはじまり』刊行記念 “僕らが旅に出る理由〜クリエイティブと学びの関係”

日程:2025年7月4日(金)
時間: 開場 19:00 開演 19:30~
入場料:2,000円(ON READINGお買物券500円分付)
定員:25名(要予約)
予約・詳細:https://onreading.jp/event/bokuraga

建築の話はもちろん、坂本さんのプロジェッティスタ研修イタリア旅行の報告などを交えながら、クリエイティブと学びを主軸にしたトークを展開します。建築、デザイン、クリエイティブに携わる方にはもちろん、学生や、これからの生き方について考えたい人などにもおススメのイベントです。ぜひご参加ください!

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入荷情報 PICK UP

天国ではなく、どこかよそで / レベッカ・ブラウン (著)、柴田元幸 (訳)
アメリカの作家、レベッカ・ブラウンの代表作『体の贈り物』が、金井冬樹の装画による新装版として復刊。初回入荷分は著者、レベッカ・ブラウンと翻訳者、柴田元幸のWサイン入りです!

迷ったら笑っといてください / 濱田祐太郎
“多様性”をうたうテレビ界への疑念、実話漫談にこだわる理由、不安に苛まれた賞レースの予選、初の冠番組で得た手応え、“いじり”について思うこと……濱田にしか持ち得ない視点でそれらを語り尽くす、お笑い芸人・濱田祐太郎による初のエッセイ集。

縄文 革命とナショナリズム / 中島岳志
政治学者、歴史学者の中島岳志が、戦後日本人の縄文言説について論じ、その「幻想」を追うことで、戦後日本人の新たな精神史を示そうとした1冊。戦後日本は何につまずき、いかなる願望を「縄文」に投影したのか。  

「書くこと」の哲学 ことばの再履修 / 佐々木敦
批評家、文筆家として長らく「書くこと」を生業としてきた佐々木敦が、技術よりも大事な思考と実践を丁寧に解説した一冊。

26歳計画 / 椋本湧也(企画・編)
何度も版を重ねているロングセラー。再入荷しています。 世界各地で暮らす26歳たちによる「26歳」をタイトルにしたエッセイ集。料理人から宇宙工学者、俳優から機動隊員まで、総勢48名の等身大の文章が掲載されています。

CANNES / Derek Ridgers
イギリス人フォトグラファー、デレク・リジャース(Derek Ridgers)の作品集。12年間、カンヌ映画祭を訪れ、そこに集まった群衆やカメラマン、そして映画祭周辺の奇妙で活気ある雰囲気にカメラを向けたドキュメンタリーフォト。

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RECOMMEND BOOK !

私は身を乗り出して、もっと近寄った。彼と私の汗の匂いがした。彼の顔の前に自分の顔を据えて、おたがいの目がまっすぐ向き合うようにした。私は彼の目のなかを覗きこんだ。私にはわかった。リックはまだそこにいる。
「もう一度言って、リック」と私は言った。「聞いてるから」
レベッカ・ブラウン 著 柴田元幸 訳『体の贈り物』(twililight)より

アメリカの作家、レベッカ・ブラウンの代表作『体の贈り物』が、金井冬樹の装画による新装版として復刊。

逃れようのない死の前で、料理を作り、家を掃除し、洗濯をし、入浴を手伝う。喜びと悲しみ、生きるということを丸ごと受け止めた時、「私」は11の贈り物を受け取った。エイズ患者とホームケア・ワーカーの交流が描き出す、悼みと希望の連作短篇。レベッカ・ブラウンと本作に出会ったのは10代の頃だった。自分の本屋をはじめてからは、海外小説の棚ではなく、「からだ」や「ケア」に関する棚にいつもに並べていた。

今回、装い新たになった本作に出会いなおして、これまでもそうだっただろうがそれにも増して、「今こそ、読まれるべき作品だ」と強く感じた。

主人公と出会う人びとは、日に日に、死に近づいていく。けれどそれは、一秒一秒、生きていることに他ならない。その汗にその涙にそのまばたきに、「生きる」が詰まっている。

著者書き下ろし「『体の贈り物』三十年後」を収録。本作がかかれたきっかけになった、あるひとりの男性との会話が記されています。

そしてなんと、初回入荷分は著者、レベッカ・ブラウンと翻訳者、柴田元幸のWサイン入りです!すごい…!!日本の読者への、奇跡のような贈り物です。  

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枝葉末節な日々

今週の担当:(杏)

6/20(金)  開店前に、TEMPORAで取扱いさせていただくSETO TOTEMPOLEさんと打ち合わせという名のおしゃべり。私たちが学生の頃から数年関わった、長者町のえびすビルでやっていた本屋「LOTUS」に来てくださったことがあるという。当時、学生だったIさんは、長者町のシャッターに絵を描いたのだそうで、意外な共通項に驚く。昨日も、TEMPORAで展示をお願いしているHOME ECONOMICS EXPERIMENTのふたりが来てくれて「気合入れてやります!」と言ってくれた。今回、TEMPORAではできるだけ地元のものや人との協働を心がけている。決して簡単なプロジェクトではないが、協働をお願いする人たちが皆、意義を感じて前向きに取り組んでくれているのが本当に嬉しい。徒然舎の深谷さんからは、古書部門をお願いする三組(徒然舎、LIEB BOOKS、古本いるふ)のファイティングポーズの写真が送られてきて、泣けた。閉店後、松のやでとんかつ定食を食べ、よっさんが楽しみにしていた『28年後...』を観に行く。ここに向けてシリーズ過去作も観て臨んだけど、なんか、過去作とも今まで観てきたゾンビ映画とはもう全く違うもの。予告も観ず、ジャンル映画に対する知識も期待もない私には、とっても面白かった。かなりグロテスクだし、びっくりしすぎて疲れたけど。草原を駆け抜けるゾンビたちのシーンはライアン・マッギンレーみたいだった。

6/21(土)     朝、グラノーラ、チーズ。朝から身体もだるいし、気分が落ちている。明日から雨だというし、気圧の影響だろうか。先日、星読みイベントをしに来てくれたつっちーに「心身ともに気をつけて」と言われたことが、なぜか重くひっかかっている。春に星読みをしてもらった時、今年は「家」にタスク?がある、と言われて気になっていた。実家の引越しを控えていたので、それかな、と思っていたのだが、はっちゃんの結石があって、これだったか、と思った。さらにエアコンの故障も加わった。実はまだ、気になりつつ取り組めていない懸案事項(風呂場の換気扇、網戸の修理)もある。だから実際「家」に意識がだいぶ引っ張られているのだけどそれはまだ来月まで続くらしく、それを聞いてからどうにも不安がもくもくと湧いてしまって、来週に控えた沖縄出張にもまだ完全に気がのらない。猫が心配なのだ。しかし、星は頼りになる道具であるべきで、星に気持ちを支配されるのは本末転倒。おかげさまで来客も続いたので、何も考えずに仕事に邁進する。こういうとき店があってよかったと思う。人とひと言ふた言、言葉を交わしたり笑ったりしているうちに、フラットに戻っていく。閉店後、Tくんと名東区のTAMA CURRYへ。ビリヤ二にエッグをトッピング、スープとサラダのセットをつけて。TEMPORAの内装やら飲食のPOP UPイベントのことなどいろいろ相談。

6/22(日)  朝、グラノーラ。夕方、お客さんに「こちらの店名って『読む時間』からきてるんですか?」と声をかけられた。その方は、図書館の写真集コーナーで『読む時間』をふと見かけて、それ以来気に入って何度も借りて、ついには、手元にいつも置いておきたくなって購入したのだそう。気に入った写真集を何度も観られるのっていいですよね、と話す。いつだったか、当店の写真集部屋でお客さん同士が交わしていた会話が思い出される。「写真集ってどういう時に観るの?」と連れの方に聞かれたその人は「自分の軸を思い出したいと思ったときかな」と答えていた。ふと見かけた何かに、なぜか心惹かれて買って帰る。その時に持ち帰るのは、写真集という物体だけでもないし、ましてや写真家の作品だけでもない。いいな、と思ったその時の自分の心の動きも、そこに綴じられている。そうした自分の感性を、心が動いたその時の自分自身を、好きな写真集をひらくと思い出せるのかもしれない。さらに、今日のお客さんはニュースレターも読んでくださっているそうで「たまに、こんなことまで書いちゃっていいの?と思いながら楽しく読んでます」と言ってくださった。へえ、と思った。私たちが、いっちゃんや図Yカニナさんや蟹の親子さんや古賀及子さんや犬川蒔さんや、その他たくさんの日記を読みながら思っていることを、自分たちの日記を読む人も思うんだな。いっちゃんは以前、赤裸々って言われるけど、書けることしか書いていないと言っていて、そのジャッジメントの絶妙さに震えたものだけど、私も書けないことは書いていない。ただ、その「書けない」には種類がいろいろあるんだよな。書けるものなら書きたいことはもっとある。夜、お取り寄せの冷凍ハンバーグ、にんじんと大根のピクルス、ジャガイモソテー、コンソメスープ。旅行前なので冷蔵庫がいよいよ空っぽ。食後、映画『殯の森』。「私はいま、生きていますか?」という問いが、再読したばかりのレベッカ・ブラウンの『体の贈り物』とも響きあう。よっさんは続けて大好きな『ファーゴ』も。半分くらいで寝落ちしてしまった。

6/23(月)  開店前にスーチェさんと打ち合わせ。朝ごはんは食べれなかったので、昨夜の残りごはんを塩昆布でおにぎりに。なかなか購入できないので久しぶりにいただいたが、スーチェさんのクッキーは本当に美味しい。シンプルで実がある、そういうお菓子が好き。昼前から大雨でさすがに暇であった。今日は、慰霊の日。夜、アマプラで『ドキュメンタリー沖縄戦』。沖縄戦で数多くの民間人の命が失われた。そのひとつひとつが痛ましいが、特に自ら命を絶つことを強要した当時の軍国主義がとてつもなく罪深い。今年は戦後80年の年だが、「沖縄には戦後はない」とも言われる。被害だけでなく加害の歴史を、私たちはもっともっと知るべきだ。

6/24(火)     出張中に母と義母が猫のお世話にきてくれることになった。今日はその打ち合わせと称して、黒田の父と母に猫たちに会ってもらう。黒田家にも二匹の猫がいるし、昔から猫は何匹も飼ってきているので猫には慣れっこ。だけど八朔にとっては初対面なのでさすがに隠れてしまった。お昼は鰻。とても綺麗な店内で親切な店員さん、鰻も美味しい。お盆には毎年、一宮にある「なまずや」に行くのだが、雰囲気も含め「やっぱりなまずやがいいな」とお父さん。私もそう思う。あれこれ用事を済ませて帰宅し、動物病院へ行くためにはっちゃんのおしっこをまちかまえる。はっちゃんは、猫砂にお尻を押し付けるようなスタイルでおしっこをするので、ウロキャッチャーなどで尿を採るのが難しい。そのため、トイレを一回綺麗にして、おしっこシートを外し、トレイにたまったおしっこをいただくという方法で採る。もし、この間にさくちゃんがトイレを使用してしまうと一からやりなおし。最近はっちゃんは左側、さくちゃんは右側のトイレを使用することが多いので、最初は左だけを掃除したのだが、過去の失敗を思い出し、やはり右も掃除することに。数時間後、案の定、はっちゃんは右でおしっこをした。手術からちょうどひと月経過したのだが、尿の回数と量が相変わらず多い、というか増えているのでその相談に。尿検査に加え、血液検査もしたが、特に目立った異常もなく、おそらく手術の影響で膀胱炎が治っていないのだろう、という診断だった。二週間効く注射をうってもらった。夜は、ハローエッグへ。6月から始まったとろろオムライスが食べたくて、いつ終わってしまうのかと気が気じゃなかったのだ。奥まった席に座ってメニューを開くと、定番のメニューしか掲載されていない。「もしかして、とろろは終わってしまいましたか?」と聞くとやっているとのこと。黒板メニューが見えない位置だった。岩のりが入ったライス、とろろと梅がベストマッチで美味しい。とろろは夏季限定メニューで、明太子とろろと月見とろろもある。よっさんは、ほうれん草とツナのクリームオムライス。はちのこともひとまずひと安心したので、シャカリキ沖縄出張の準備にとりかかる。

6/25(水)     朝、税理士のKさんと定例ミーティング。経理にまつわるいくつかの謎と、TEMPORA開店にあたってのあれこれを相談。Kさんとは、もうかれこれ10年くらいのお付き合い。うちでは経理にクラウド型の会計ソフトfreeeを使っていて、freeeに強い税理士、ということで、友人から紹介してもらった。当時、一体何がわかっていて何がわかっていないのかもわからなくて、「税」と聞くだけで怒られそうでおびえていた私に、Kさんは「日本の税のしくみはわかりづらすぎる。僕は税理士という職業はなくなったらいいと思ってます」と言った。Kさんは沖縄が大好きで年に何度も行っているそう。来週も税理士仲間と沖縄旅行らしく、何をするんですか?と聞いたら「エアビーを貸し切りで、ハンカチ落としをやります」とのこと。Kさんには全幅の信頼を置いているが、その旅行はご遠慮したい。夜、鶏胸肉の塩麹焼き、もやしとキャベツの炒め物、冷奴、ピクルス。

6/26(木)     朝、昨日の残りごはんで塩むすび、ピクルス、ハムエッグ。昼頃、突然雷がなってどしゃぶり。寝室にいる猫たちが心配で覗くと、お腹を見せてごろごろ寝ていた。図太い猫たちで助かる。夕方の便で沖縄へ出発。セントレアで書店に寄ろうとしたら、なんとしばらく前に閉店していた。出発前に書店に寄って旅の間に読む本選ぶのが楽しみなのに。結構そういう人多いと思っていたんだけど。ショックだったが、とはいえ家から2冊携えてきているし、そもそも今回の出張は「本と商い ある日、」さんでの展示搬入のためなのだから、どうせ本は買うだろう。飛行機の中ではちくまプリマー新書『沖縄について私たちが知っておきたいこと』。いつの間にか寝てしまっていて、ふと目が覚めると、雲から虹のはしっこが生えていた。夕焼けと共に着陸すると、オカタオカがレンタカーで迎えに来てくれていた。夜、国際通りの台湾料理店、青島食堂へ。カウンターで料理場をかぶりつき。中華鍋ひとつで、炒め物も揚げ物もなんでもできていく様子は見ていて気持ちがいい。ビーフンが香ばしくて美味しかった。

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EXHIBITION INFORMATION

【EXHIBITION】2025年7月5日(土)~7月21日(月)  ON READING店内
NOBUSE NOBUYO exhibition 『光合成の練習』

愛知在住のイラストレーターで文筆家の、ノブセノブヨによる展覧会を開催します。

【EXHIBITION】2025年7月11日(金)~7月14日(月) ON READING GALLERY
vent de moe 2025 summer exhibition 扇子・小物展示販売会
花は忘れる、風は覚えている。Flowers Forget. Wind Remembers.

従来の枠にとらわれない自由でコンテンポラリーな扇子ブランド、vent de moeの展示即売会を開催します。

【EXHIBITION】2025年7月17日(木)~7月28日(月) ON READING GALLERY
mocchi mocchi & 望月佐知子HANGA – silkscreen × papermaking -EXHIBITION

京都にある版画工房 Printmaking studio PRESS CLUBをアトリエとして活動する、mocchi mocchi(シルクスクリーン版画)、望月佐知子(紙造形版画)の2作家による作品展です。

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♪ Now Listening

Music Will Explain (Choir Music Vol. 1)  /  Mocky  

カナダ出身のソングライター/プロデューサー/マルチプレイヤー、Mockyのニューアルバムがめちゃくちゃよい。LAの名門インディーレーベル「Stones Throw」に移ってのリリース。今回は「歌」を中心に据え、アナログな手法にこだわり作られた、温もりを感じられる1枚。もはやクラシックとなった「Saskamodie」に匹敵する名盤じゃなかろうか。素晴らしい。

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今週はこのあたりで。

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