NEWSLETTER FROM ON READING 2024.08.30

週に一度のニュースレターをお届けします。
ON READING 2024.08.30
誰でも

こんにちは。ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。
昨日までの怒涛の日々が幻のように、日常が戻ってきました。昨日まで黄色の紙に埋め尽くされていたギャラリーも真っ白に戻り、NCチームもいない。けれど、そこには宝の山=黄色本がのこされていましたとさ。この何にも代えがたい経験と在庫を抱えてまた、今日からこつこつと本屋をやっていきます。さまざまな形で台風の被害も出ているかと思いますが、どうぞご無事でお過ごしください。(杏)

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NEWS

寺井奈緒美『生活フォーエバー』(ELVIS PRESS)が、おかげさまで、重版4刷、5000部となりました!いつ読んだって面白い本なので、コツコツ1万部目指したい。末永くよろしくお願いいたします。

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EVENT INFORMATION

本山のbabooshkaさんでの断捨離マーケットに参加します。
2024年9月6日(金)、7日(土)、8日(日)←こちらに変更になりました。
時間:12:00〜18:00
場所: babooshka (名古屋市千種区鹿子町2-3-3)
出品:
@puu__a
ON READING @on_reading
松尾ミユキ @matsuomiyukillustra
babooshka @babooshka329


いろいろ決め事がありますがご協力お願いします。11:30から会場のバブーシュカにて整理券をお出しします。
12:00〜 13:00〜 14:00〜 15:00〜 16:00〜 17:00〜
各回50分
整理番号早い順になります。時間指定はできません。この3日間はカレー営業は休み、babooshka駐車場はご利用できません。お支払いは現金のみ、エコバックを必ずご持参下さい。返品返金は不可となります。
※早くから並ぶことはご遠慮下さい。

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よむ きく はなすvol.9 
2024年10月5日(土)12:00~14:00
課題本:『生活フォーエバー/寺井奈緒美』(ELVIS PRESS)
会場:ON READING

視覚障害者情報提供施設、名古屋ライトハウスの読書会「よむ きく はなす」をON READINGで行います!課題本は『生活フォーエバー』。

実は、この度『生活フォーエバー』が点字・音声図書になったのです。(嬉しい!) 視覚に障害のある方とない方が、同じ本を読んで語り合うこの読書会の面白さは、これまで私もいろんな人に話したり、さまざまな場所で書いてきたりしたのですが、(ちなみに、『NEUTRAL COLORS』5号にも企画創案者のナカタさんによる記事が掲載されています)自分たちの店で、自分たちがつくった本で、いったいどんなことが起こるのか、(そもそも『生活フォーエバー』の読書会も初めて!)今から楽しみでなりません。

当日は、点字図書や音声図書がどのようにつくられていくのか、どのように利用されているのかなどについてもお話が伺えたらと思っています。

募集期間は9月2日(月)~13日(金)。定員を超えた場合は抽選になります。ふるってご応募くださいませ!
詳細はこちら:https://onreading.jp/event/yomukikuhanasu/

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入荷情報 PICK UP

NEUTRAL COLORS 別冊 ほんとの本の話をしよう #1
ON READINGで滞在制作した本書は、NC別冊として展開されていく予定の『ほんとの本の話をしよう』シリーズの第一号。24組の編集者やパブリッシャー、ブックデザイナー、本屋の、本づくりに対する飾らない本音。

増補版 にき 日記ブームとはなんなのか / 蟹の親子
「思い出すこと」を中心に据え、日記やエッセイなどを執筆している著者、蟹の親子が、2022年、2023年に自主制作した『にき』『浜へ行く』の中の、「ささやかな日記論」パートを加筆・修正してまとめた一冊。

長電話 / 高橋悠治、坂本龍一
  1984年に坂本龍一主宰の出版社「本本堂」から最初に出版された、作曲家・ピアニストの高橋悠治と坂本龍一の対話を収録した幻の名著『長電話』が、待望の復刊!

あしたの風景を探しに / 馬場正尊
リノベーション・ムーブメントを牽引した「東京R不動産」の立ち上げをはじめ、新領域への越境をつづけてきた“風景の建築家”こと、馬場正尊が綴った、仕事と生き方をめぐる思考と記憶の雑想記。

月のうた / 左右社編集部(編)
同時代の歌人100人がうたった 100首の〈月〉の短歌アンソロジー。

Spectator スペクテイター 53号 特集:1976 サブカルチャー大爆発
アニメ、オカルト、パンク、ムックという四つのカテゴリーに仔細な点検を試みることで、この国のサブカルチャー誕生の瞬間を明らかにし、サブカルチャーの誕生の歴史に迫る。

たね / ギータ・ヴォルフ、トゥシャール・ワイエダ&マユール・ワイエダ
『夜の木』や『世界のはじまり』など美しいハンドメイドの絵本で知られる、南インドの小さな工房・出版社、Tarabooks(タラ・ブックス)の新作絵本『Seed』の日本語版『たね』。

【サイン本】ADVICE FOR YOUNG ARTISTS / Alec Soth
アメリカ人フォトグラファー、アレック・ソス(Alec Soth)の最新作品集。

DONALD JUDD FURNITURE / Donald Judd
 アメリカ人アーティスト、ドナルド・ジャッドの作品集。「椅子における芸術とは、芸術のようであることではなく、ある程度の椅子としての合理性、有用性、スケールである」本書は、100点以上におよぶ作者のデザインによる家具を収録。

Triptyque / Ronan Bouroullec
現代のフランスを代表するアーティスト、ロナン・ブルレックによる初の総合的なモノグラフ。

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RECOMMEND BOOK !

怒涛の11日間が終わり、ついに完成しました!!

NEUTRAL、TRANSIT、ATLANTIS を世に送り出してきた、編集者・加藤直徳と、気鋭のデザイナー・加納大輔が二人三脚で発行する、インディペンデントな雑誌『NEUTRAL COLORS(ニュー・カラー)』。「超個人的」な体験や創作、記憶をリソグラフなどのハンドメイドな印刷手法を交えながら唯一無二の誌面で発信していきます。

本誌は、別冊として展開されていく予定の『ほんとの本の話をしよう』シリーズの第一号。 ON READINGで8月に開催された、NEUTRAL COLORS Exhibition『NC別冊「ほんとの本づくりの話をしよう」滞在制作』で、来場者を交えながら、校正、リソ印刷、丁合、製本の工程を経て完成させたもの。

収められているのは、24組の編集者やパブリッシャー、ブックデザイナー、本屋の、本づくりに対する飾らない本音。困難に向き合いながらも、本を信じ、読者を信じて、本づくりへの手を止めない彼らの声には、確かな希望が滲みだしている。

本の未来を照らす圧巻の224ページのイエローブック。

初版500部。糸綴じ製本は、ON READING 限定です!

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枝葉末節な日々

今週の担当:(義)

8/23(金) 昨日杏子が注文した二兎さんのパンが午前中にどさっと届いた。早速大好きな食パンを焼く。もっちもちで本当においしい。食パンは二兎さんのがいちばん好きかも。10月にELVIS PRESSからリリースするイラストレーター、OKATAOKAの作品集の制作がいよいよ大詰め。各地で巡回展も開催するので、あわせてグッズの制作も進める。いろいろ見積りが届きだしているが、今のところなんとかなりそう。
 NCの滞在制作に、今日もいろんな人が訪ねてきてくれる。今回のNC別冊は、全24組のパブリッシャーやブックデザイナー、本屋へのインタビュー記事を収録したもの。校正済みの原稿が壁一面に貼りだされているので眺めて読んでみると、皆、ここまで言っていいの?と思うくらい、本づくりのことを本音で具体的に語っている。改めて、本を扱う本屋として、出版レーベルとしても背筋が伸びる思い。本づくりに興味がある人はぜひ完成版を手に取ってほしい。夜、この夏製菓の勉強をしに京都に通っているスタッフのゆいちゃんが来て、実習で作ったロールケーキとオムレットを差し入れしてくれた。皆でほおばりながら、いよいよ印刷工程に。黄色い紙に2種類のパープルのインクでリソ印刷していく。加納くんが裏表間違わないでくださいねと、言ってるそばから加藤さんが間違えていて笑う。明日は、一日中ノンストップで印刷。ちょっとだけ希望が見えてきた。のか? 帰宅して、作り置きのピクルスと素麺。

8/24(土) 朝、今日も二兎のパン。今日も朝早くから加藤さんが印刷を始めている。睡眠時間が心配。しかしやり遂げなければならない。。。今日はお客さんもぼちぼち。作業もなんとか順調に進んでいる。帰宅して、夕食は茄子とひき肉のみそ炒め。台風の進路予報が毎日変わっていく。どうなることやら。バブーシュカでの断捨離マーケットに出す服を押し入れから引っ張り出して仕分け。昔買ったバンドTや今では太ってサイズが合わなくなってしまったジャケットやパンツなど。値札も用意しなくては。かなりお安くしているので手に取ってくれると嬉しい。DVDレコーダーを買換えたので、古いレコーダーも出品してみようかと思い、録画して残っていた『クレイジージャーニー』を観ながら削除していく。が、そのまま寝落ち。

8/25(日)   朝、今日も二兎のパン。まだまだある。冷凍してあるのでしばらく二兎のパンを朝食にという贅沢な朝。今朝も加藤さん、加納くんは朝から出勤。テキパキと働いている。今日は裏面に印刷をして刷りあがったものから折り機にいれて、半分に折っていく。夕方からトークイベントなので、終了後に集まったお客さんに丁合してもらえるように準備。トークでは、そもそもこの展覧会(滞在制作)は何なのか、というところから、NCが考える本づくり、今ここで制作している別冊の内容や取材の裏話などを加藤さん、加納くんと話した。印刷テストしている最中に加納くんが放った「これだと読めすぎる」という発言の真意を伺いながら、「読みづらさ」や、ある種の不完全さがもたらす「読む」ことへの能動性への話になっていったのが面白かった。確かに学生時代に読んでいたスタジオボイスなんかも、読みづらい、というか実際にテキストが読めないページもあったりしている中、目を皿のようにして読みふけっていたのを思い出す。本を人に読ませる、手に取らせるということについては、まだまだ可能性を探れるはず。本当に細かな部分の積み重ねだと思うけど、それが本づくりや店の棚づくりの醍醐味だと思う。トークの熱気が冷めやらぬまま、そのまま丁合作業になだれ込む。みんなでぐるぐる机を回りながらページ順に紙を重ねていく。来場して下さったやる気まんまんのお客さんが頼もしい。おかげで予想以上に作業工程が進んだ。あいちゃんと写真家の足立くん、最後まで残って作業してくれていたTさんも一緒に、プチ打ち上げで、新栄の延辺館へ。ここは、量が多いので大人数のほうが断然楽しい。水餃子やらチャーハンやらあまり馴染みのない本場の中華料理を堪能。最後に出てきた酢豚が満腹できつかった。日付まわって帰宅。

8/26(月) さすがに眠い。朝、覚王山の角角然然で自分たちの朝ごはんと加藤さんたちへの差し入れにおにぎりを買っていく。11時にギャラリーに着くと、加藤さんの机に葛根湯が。さすがに疲労困憊なのか加藤さんの体調が思わしくない。美術作家の大田黒衣美さんが加納くんとの打ち合わせで来ていてテンションがあがる。猫の上に板ガムを置いた作品が好きで、ガムを乗っける猫としてハチを推薦しておいた。今日は朝から写真家の新多さんが駆けつけて丁合作業をしてくれている。午後にはTくんが東京からやってきた友達を連れて来てくれたり、沖縄そばの店マドカのまどかさんも丁合しに来てくれた。他にも志段味図書館のFさんやOさんも。いろんな人がやってきては丁合しながら、様々な会話が生まれている。ひとりふたりだと途方もない数に思えるが、人数が多いと気持ちいいくらい凄いスピードで出来上がっていく。丁合ハイになったみんなは誰も止められない。予定数をなんなくクリアしたので、明日は加藤さんもゆっくり休んだらと促すが、もうちょっと作業を進めておきたいというので、明日もギャラリーのみ数時間開けることに。
 営業終了後、今夜は常連のTくんに誘ってもらって楽しみにしていたM家でのご近所会。知床で買ったクラフトビールをお土産に持っていく。ピーナッツバターを使った白和えや、長芋(ネバリスター)の酢びたし(?)、さんまの炊き込みご飯に、シューマイなどなど。さすがにプロの料理人。どれもめちゃくちゃおいしい。ゆいちゃんもつるんと美味しいわらびまんじゅうと琥珀糖を作ってきてくれた。料理できるっていいな~。。。くだらない話から今後の楽しみな話など。幸せな夜。気付いたら12時をまわっていた。

8/27(火) 朝9時半に秋のイベントの打ち合わせで名古屋城へ。施工を担当してくれるミラクルファクトリーの青木さんと現調。ほぼほぼ思い描いていた感じでいけそう。一部、懸念事項が出てきたので持ち帰って検討。ギャラリーに向かう前に、車道のマドカさんに寄って沖縄そばをいただく。本当においしい。まどかさんがTくんのことをNCのスタッフだと勘違いしていたのが面白かった。確かにNCのTシャツを来てハリハリと動いていたのでそう見えても仕方ない。ギャラリーに着くと、いよいよ加藤さんの体調が悪そう。恐らく発熱も。今日は、5号の誌面にも載っていた方がお子さんたちを連れて手伝いに来てくれた。夕方には常連のNさんも。加藤さんには早めに帰ってもらい、明日の製本作業の準備を整える。夜はスーパーによってネギトロと刺身を購入し丼に。そして引き続き断捨離マーケットの準備。

8/28(水) 杏子は朝早く起きて手芸本のゲラチェック。校正を郵送しにポストまで出かけた。もうちょっと寝かせてもらう。朝ごはんは二兎のパン(ちょっとあたため失敗)、杏子が作ってくれた人参と玉ねぎのポタージュ。今日は製本家の中川京子さんが来てくれてみんなに製本を教えながら作業してくれる。中川さんは今年、名古屋に引っ越してきて熱田で製本工房&教室を始めたばかり。今後も何かとご一緒したい。加藤さんはまだまだグロッキー。まさに満身創痍。明日の最終日に立っていられるだろうか。今日も早く帰ってもらう。とりあえず寝てほしい。京都の大学生、滋賀から来た方、みなとまちアートブックフェア関係の方々、もう4日くらい連続で来てくれているTさん、ゆいちゃんも参加。その後19時過ぎてからも続々とお客さんが集まる。中川さんによる製本ワークショップでみんな直ぐにコツをつかみ、中には10冊以上も製本してくれる方も出てきて、今日の目標冊数は越えることができた。製本工程の穴あけ作業に励んだため、手に小さいマメができた。地味に痛い。結局今日もそこそこ遅い時間になってしまい、コンビニでペヤング。ささっと食べて、引き続き断捨離マーケットの準備で、スチーマーをかけたり値付けしたり。何だかんだ2時過ぎに就寝。

8/29(木) 朝、バブーシュカの杉ちゃんから連絡。台風を鑑みて、週末の断捨離マーケットは来週に延期に。準備し足りなかったのでちょっとほっとした。せっかくなのでレコードも出品してみようかな。昨夜、ゆいちゃんがインスタに今回のNC滞在制作のことをポストしてくれていて、そのテキストにじーんとくる。ヴァーチャルでもなく、ましてAIでもなく、自分の身体を使って、この空間に身を置いて、有限性に縛られながら、様々なものことに影響されながら微調整したりして物を生み出していくということ。偶然居合わせた誰かと交わした何気ない会話やしぐさ。そういった一つ一つが積み重なって、大げさかもしれないけど、生きている実感に繋がっていく。疲れや少々の痛みさえもなんだか誇らしく心地良い。ここにモノづくりの本質があるのだと思う。多少下手でも構わない。手を動かしていく人生を送っていきたいと思うし、そういうものを愛でていたいと思う。
 出勤すると、ちょっと顔色の良くなった加藤さんの姿が。なんとか持ち直したようでほっとする。最終日ということもあって今日もたくさんのお客さん。時間まで目いっぱい製本作業をしてくれて、2日間で230冊を綴じることができた。撤収作業はあっという間に終わり、みんなで車に荷物を運び込む。ガランとしたギャラリーを見ると、なんだかさっきまでの喧噪が幻のように思える。仕事を終え去っていく3人の後ろ姿が輝いて見えた。無事、横浜に帰れますように。夜はヘトヘトになった身体に英気を養うために焼肉牛ざんまいへ。

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EXHIBITION INFORMATION

~~~~~ COMING SOON ! ~~~~~

【EXHIBITION】9月5日(木)~9月9日(月) at ON READING GALLERY
KOKOLIS exhibition vol.15

革鞄・革小物ブランド KOKOLIS(ココリス)15回目の展示受注会。気付けば毎日、何年も使ってしまう。いつでも ”ちょうど良い” KOKOLISの革製品。この機会にぜひお試しください。商品はすべてセミオーダーメイド。サンプル品をベースに、革色や仕様をお選びいただけます。

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【EXHIBITION】9月14日(土)~9月29日(日) at ON READING GALLERY
大杉好弘 個展 『sometime,somewhere,somethings』

当店では2回目となる、愛知在住の画家、大杉好弘の個展を開催します。

私は、私自身にとってリアリティのある空間や場所、人や物を描く際にともなう、現実とイメージとの間にあらわれる不確かながらも、確かに存在する空気のようなものを表現したいと思っています。今回の展示では、旅先でのスナップ写真や私の生活空間をモチーフとして描き、プレス機によって圧縮されたモノタイプの作品群を通して、ささやかな空気のようなものを感じていただけたらと思います。(大杉好弘)

また、本展示に合わせて、モノタイプの作品をまとめた作品集をリリースいたします。

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♪ Now Listening

 Hometown to Come / Minhwi Lee

韓国の女性SSW、Minhwi Lee(イ・ミンフィ) による2023年リリースのアルバム。インディーパンクデュオ、Mukimukimanmansu (ムキムキマンマンス) 解散後にソロ名義での活動を始めた彼女。2016年にリリースした1stアルバムもカルト的人気を誇る名盤として知られています。内省的で美しいメロディーに、ストリングスの奥行のあるアレンジが重ねられた哀愁漂うアンビエントフォークが胸にしみる。本作も名盤です。(義)

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今日のところはこのあたりで。また来週~~!

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