NEWSLETTER FROM ON READING 2026.07.10

名古屋のbookshop & gallery ON READINGから、週に一度のニュースレターをお届けします。
ON READING 2026.07.10
誰でも

こんにちは、ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。暑い、、週間天気予報みたら7月15日のところに39度と表示されていて慄いております。うそでしょ。。。そろそろきちんと体力つけていかなくちゃと、チョコザップも再開するつもり。なんとか暑い夏をのりきりたいものです。みなさんも熱中症などにはくれぐれもお気をつけください。(義)

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NEWS

名古屋市の芸術文化の話題を幅広く伝えるフリーペーパー『なごや文化情報』418号の「#ZOOM UP」コーナーで、歌人の小坂井大輔さんを取材しました。

『平和園に帰ろうよ』『コザカイズム』が当店でもロングセラーの歌人であり、名古屋駅西の老舗中華料理店「平和園」で鍋をふるう料理人でもある。先日は、秋山歌謡祭2026にも出演したりと、もはやローカルヒーローと言っても過言はないですよね。

生い立ちからギャンブル三昧だった20代、雷に打たれたように短歌をはじめ、自分で運を引き寄せてきたこれまでのこと、駅西エリアの変遷や、「短歌の聖地」と呼ばれることについて、そして至った現在の境地…などなど、あれこれお話くださいました。

同行してくださった名古屋市文化振興事業団のIさんは、なぜかめちゃくちゃ感動してくださって、これから迎える人生の岐路が幸多きものになるように…と、小坂井さんを拝んで帰っていきました。

小坂井さんの魅力あふれる語り口をなるべく生かしたインタビュー記事が書けたと思います!

本誌は名古屋市の文化施設等で配布している他、名古屋市文化振興事業団のウェブサイトで公開されています。

当店でも配布してますので、是非お読みいただければ嬉しいです。

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WORKSIGHT バックナンバーフェア!
2026年6月27日~8月2日

黒鳥社が編集・制作を担当する、「自律協働社会」という社会像を手がかりに、これからの社会を考える上で重要な指針となりうるテーマやキーワードを拾いあげ、探究・発信するマガジンWORKSIGHT

ゾンビ、記憶、詩、ゲーム、料理、鳥類……最新号の「新しい中世」まで、多様なテーマが枝葉のように広がるラインナップをお楽しみください。最新号とバックナンバー、計2冊以上お買い求めの方にに「WORKSIGHTオリジナル測量野帳」を進呈します。(プレゼントは無くなり次第終了)

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EVENT

都筑晶絵さんの製本ワークショップ
2026年7月25日(土)、7月26日(日)

造本家の都筑晶絵さんをお招きしての製本ワークショップ。今回は、『フレンチノット製本』と『フラッグブック(flag book)』。早速埋まってきておりますのでご希望の方はお早めにどうぞ。しっかり技術が身に着くのでとっても楽しいですよ~

詳細・ご予約:https://onreading.jp/event/akie_ws_03/

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世界をきちんとあじわうためのデッサン教室
2026年8月2日(日)
時間:9:45~11:45 / 14:00~16:00
料金:3,000円
部長:高橋天真音さん
定員:各5名
予約・詳細:https://onreading.jp/event/dessin_club/

今回は、お持ちいただいた、お気に入りの本をデッサンしてみます。

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出張 やまだしん灸 at ON READING
次回開催日:2026年7月31日(金)、8月1日(土)
料金:6,000円(税込)
施術:約1時間 ※施術は完全個室状態で行います。
ご予約:https://onreading.jp/event/yamada_shinkyu/

こんにちは。やまだしん灸です。ささない「はり」とあたたかい「お灸」、骨にアプローチする手技で鍼灸施術をしています。

ON READINGさんでの出張施術では、より多くのみなさまの身体と心と交流でき、とってもうれしく思います!
施術で大切にしていることは、まずは「今の自分がどうであるか?」を知っていただくことです。みなさまとの対話、お身体の観察を重ねることで「ご自身の現在地」を一緒に感じていただけたらと思います。身体と心のつながりを実感し、奥行きのある自分を味わうことって、すごくいいものです。リピーターの方も、はじめましての方も、大歓迎です!

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入荷情報 PICK UP

【サイン本】もっと真剣になればよかった / 鈴木ジェロニモ
前作『水道水の味を説明する』でも注目を集めた芸人・歌人、鈴木ジェロニモ初のエッセイ集。芸人になるまでの道のりや身体への違和感、自意識、「正解」の外側にある感覚を、驚くほど精緻な言葉で描き出す。ユーモアと繊細さが響き合い、「自分らしさ」を問い直す一冊。

世界の書店を旅する[増補新版] / ホルヘ・カリオン
世界各地の書店を訪ね歩き、本と人、街、文化の豊かなつながりを描く、ホルヘ・カリオンの紀行エッセイ。書店が本を売るだけでなく、人や言葉、表現が交差する場であることを鮮やかに浮かび上がらせる。新エピローグや図版を加えた増補新版。初回特典小冊子付き。

私の女の実 / ハン・ガン (著)、斎藤真理子 (訳)
ノーベル文学賞作家ハン・ガンの初期短篇8篇を収めた《ハン・ガン コレクション》第1巻。『菜食主義者』の原点ともいえる表題作をはじめ、暴力や沈黙、身体の変容、孤独を幻想と現実が交錯する筆致で描く。作家の出発点に触れられる一冊。

【サイン本】ハッピー山 / 松田いりの
『ハイパーたいくつ』で文藝賞を受賞した松田いりのによる長編小説。憧れの大学生活は、キャンプでの悪夢を境にナンセンスな世界へ暴走する。抱腹絶倒の展開の奥に、新しい環境で抱える不安や居心地の悪さを映し出す、奇想と切実さが同居する「珍怪予言文学」。

わたしと歴史をつなぐ物語
「わたし」と歴史はどこでつながるのか。作家・小林エリカを講師に迎えたワークショップから生まれたアンソロジー。18名の参加者が、記憶やリサーチを手がかりに家族や土地の歴史を物語として紡ぐ。記録と創作のあわいから、過去と現在を結び直す一冊。

歴史の蟹 アジアの旅と語りの記録
NOOKのワークショップから生まれた勉強会グループ「歴史の蟹」によるZINE。アジア各地を歩き、風景や証言、記録を手がかりに「戦争」と「戦後」の記憶をたどる。フィールドワークとリサーチを通して、過去を一つの歴史ではなく、多様な声として受け止め、未来へ手渡す視点を育む一冊。

【サイン本】PEANUTSの気になるあの子 意地悪なだけじゃないルーシー / チャールズ・M・シュルツ、谷川俊太郎、最果タヒ
『PEANUTS』の名エピソードをキャラクターごとに集める傑作選シリーズ第1弾。弟や友人たちとの関わりを通して、「意地悪な子」では語れないルーシーの魅力が浮かび上がる。最果タヒによるエッセイも収録。初回入荷分は最果タヒサイン入り。

L.L.A. BOOK Living Like an Artist -アート思考を獲得するための10のレッスン- / 田中英行(編著)
アートやデザイン、ビジネスの第一線で活躍する実践者9組による講義を収めたレッスンブック。L.L.A. Schoolの講義に加え、思考を深めるワークや実践例も掲載。「アート思考」を知識として学ぶのではなく、自ら問いを立て、考え、表現する力を育む一冊。

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RECOMMEND BOOK !

長崎・平戸の離島の海辺に、父が古くて小さな家を借りた。寝袋を持ち込み自力で補修しながら、ふた月に一度くらいのペースで通っている。父の行動に興味を持った僕は、彼のあとを追い島に渡ることにした。

西山勲『Papa, You’re Crazy〈クジラと天体、父の島〉』より

只今、展示を開催中のこちら、あらためてご紹介。

フォトグラファー・西山勲による写真集。ウィリアム・サローヤンの小説『パパ・ユーア・クレイジー』を着想源に、長崎・平戸の離島で暮らす父との時間を写し取った一冊です。

島で生活する父の写真に、小説からの引用、家族写真の断片、書き下ろしエッセイを重ねながら、父と息子の距離や記憶を静かにたどります。しかし、そこに写る風景は単なる記録ではありません。写真家がロケーションやシーン、衣服や室内のしつらえまで丁寧に演出し、父とともに作り上げられた、フィクションを含んだ「父の肖像」です。

いつしか父とまっすぐ向き合うことが難しくなった作者にとって、「写真作品を一緒につくる」という行為は、新たなコミュニケーションのかたちでもありました。写真に写る父親像は演出された存在でありながら、その共同制作の過程には、現実の父子だからこそ生まれるぎこちなさや親密さが確かに宿っています。

写真と文学、記録と演出、その境界を行き来しながら、「父を撮ること」と「父と関わること」、また、父ではなく、ひとりの人として向かい合うことの意味を静かに問いかける写真集です。

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枝葉末節な日々

今週の担当:(杏)

7/3(金) 朝、ズッキーニのツナマヨトースト焼き、大根とわかめの味噌汁、いぶりがっこ、梅干し、白米。明日から開催の西山勲さんの展示『Papa,You are Crazy』の搬入。言わずと知れた、ウィリアム・サローヤンの名作小説にインスパイアされた写真作品で、父親が被写体になっている。写真集を見ていた時は、なんて素敵な暮らしをされているお父さんなんだろう、と思っていたのだが、「これフィクションなんです」と西山さん。小説『パパ・ユーア・クレイジー』を下敷きに、実際に、長崎の島の家を借りて手を入れながら暮らし始めた父の姿を撮ってるのだが、詳細なイメージボードを作成し、それに応じて撮影をしているのだそう。お父さんが着ている衣服や内装などもスタイリングされているのだという。西山さんはいつからか、父とまっすぐに一対一で話をすることが難しくなっていったが、こうやってカメラを持って「作品を一緒に作る」ことであれば関われる、と思ったのだという。それを聞いて、作品の見え方がまた変わった。写真にうつっている「素敵な麦わら帽を被るイケてるお父さん」はたしかにフィクションだが、そうすると今度は、そこに至るプロセスや共同作業として作品を作る親子の姿が見えてくる。向かい合うことが難しければ、並んで一緒に歩く。これは父との関係を人生の課題として持っている私にとっても大きなヒントである。青い海と空の広がる海辺と、そこに佇む年を重ねた人の写真はそれだけでも感じ入るところの多い作品なのだが、こうして話を聞いてみるとさらに複層的な見方のできる、とても豊かな作品だと思う。夜、ひさしぶりにスーパーへ行き、あれこれ買い込んできたので、長芋たんざく、レンジで蒸したなすに、鰹節とみょうが、しょうがをのっけて白だしをかけたもの、焼きサバ大根おろし添え、白米、トマトときゅうりのピクルス、大根とわかめの味噌汁。帰宅後にちゃちゃっとこんなに作ってすごくないか!?と思えて、よっさんに「すごくない?」というと「すごい!ほんとにすごい!杏子はどんどんすごくなってる、人として!」とめちゃくちゃ雑に褒められた。しかし、食べ始めたのは23時すぎ。自分の食べられるもの、食べたいものは、自分でつくるしかない。作り置きおかずは明日の自分を助けてくれる。食後にもう一品、なすと甘長の焼きびたしをつくって就寝。

7/4(土) 朝、なすと甘長の焼きびたし、小松菜の塩おひたし、えのきと油揚げとわかめの味噌汁、白米、スナップエンドウの卵とじ、トマトときゅうりのピクルス。西山さん展示初日。突如「夜のイベント、なんか用意したほうがいいかな」と西山さんが言い出し、パートナーのSさんとあれやこれやと考えて、夜のトークイベントは、西山さんのふるまいウェルカムドリンクと差し入れでいただいた「吉芋の花火」付きになった。仲の良いお二人の掛け合いが楽しい。ご来場のお客さんと話されている様子を見ていても西山さんは本当にお話も上手なのだが、トークではまたもう一段深く、ぐっと考えながら探りながら語ってくださって、作品を作って写真集を出して各地で展覧会をしていくその過程で、西山さんのなかでも様々に作品が変わっていっているんだろう、というのが見て取れた。作品というのは、一度まとめたらそれで終わり、ではない。外に出して、鑑賞者からのフィードバッグもあり、自分の中での変化もさまざまに起きて、きっとずっと続いていくものなのだと思う。『急に具合が悪くなる』の書籍と映画が、同じ源流からわかれた別の川のような作品であるように、『パパ・ユーア・クレイジー』という小説とこの写真作品も、そんな関係性なのかなと思う。トークのなかで出た、親と子は生まれた時に役割が固定されてしまう、という話が印象的だった。西山さんが父と作品を作るという試みは、その固定化された関係をすこしずらす効果があったのかもしれない。フィクションとドキュメンタリのあわいにあるこの作品が、ON GOINGなものとして西山さんの心に住み続けているのは至極当然のことなのだろう。夜、鶏むね肉のソテー、イエスタデイ辣油かけ。小松菜の塩おひたし、えのきと油揚げとわかめの味噌汁、白米。

7/5(日) 朝、昨晩つくっておいた炒り鶏、なすと甘長の焼きびたし、小松菜の塩おひたし、えのきと小松菜とわかめの味噌汁、十六穀米、納豆(半分)。今日も、一日雨模様。気圧のせいか、ずっと耳がポーンとなっている。夜、長谷川あかりさんのレシピで、鶏むね肉のレモン煮明太マヨソースを十六穀米にかけたもの、小松菜の塩おひたし、えのきと小松菜とわかめの味噌汁。テーブルにつくなりよっさんが「これ…何料理?」と戸惑いをみせる。ありものでつくったかのような名前のない料理、しかし自分では思いつかない組み合わせで、ちゃんとしっかり美味しい。これこそが長谷川あかりの真骨頂、という気がする。食後、YouTubeで無料配信中の原一男監督の代表作『ゆきゆきて、神軍』を観る。戦後40年、ニューギニアに派遣されていた元日本兵であり、アナーキストの奥崎謙三が、終戦後に起きた銃殺事件の真相を探るべく、元隊員たちを尋ね歩く。戦争体験は、何年経とうとも消えることはない。戦争を反省し世を正そうとするもの、記憶を葬りさろうと嘘をつくもの、過去に折り合いをつけて前に進んでいこうとするもの。「近づいてみれば、誰もまともな人はいない」。『急に具合が悪くなる』で出てきた言葉が思い起こされる。戦争はすべてを変えてしまう。いろんな意味で衝撃が大きく、観終わってもなんとなく気持ちが収まりきらず、芸人・みなみかわの解説動画と、2024年に東別院で開催された原一男監督のトークイベントを観ながら就寝。

7/6(月) 朝、SちゃんとSoup Stock Tokyoで待ち合わせ。塩糀と生姜のチャウダーと緑の野菜のミネストローネのスープセット。Sちゃんは20歳の頃、突然体質が変化したことがあったそう。もともとアトピーがあったため、こうすると痒みがでる、とか、こういうときは大丈夫、とか知識と自分のからだを観察しながら、3年ほどまったく小麦をとらない生活をしてベースを整えて、今では自分の状態やタイミングを見計らいつつ、食べたいものを食べられるようになった。油の融点と消化の関係や、小麦粉の種類、ホルモンバランスとの関係、素材の組み合わせによっても反応が違うなど、食べ物に対する考え方の指針になりそうなことをたくさん話してくれた。Sちゃんは料理も食べることも大好きだから、学びながら観察しながら自分にとっての健やかさを手に入れていったのだろう。「これ食べるとお腹にくるんだよな~と思って食べるとちゃんとくるから、心持ちはやっぱり大事」と、ほとんどよっさんと同じこと(気のせいだ、食べれないわけじゃないでしょなどと、かなりマッチョ)を言ってるけど、経験に基づいたSちゃんの言葉はすんなり聞ける。ざーざー降りの雨がつづく一日。意を決して、人間ドックを予約する。電話をして予約する。こんな簡単なことが私はめちゃくちゃ苦手だ。先週、野田ちゃんが、クーポンと人間ドッグは併用できるよ!と教えてくれたので、名古屋市の無料がん検診クーポンと協会けんぽも併用して人間ドックを受けたい、とAIに聞いてみたらすんなり方法がわかって、電話してみたらすんなり予約できた。ここ5、6年、ずっと気になっていた宿題だったので、ほっとひと安心。夜、炒り鶏、なすと甘長の焼きびたし、小松菜の塩おひたし、わかめスープ、明太子じゃがいもとパセリのオムレツ、白米。

7/7(火) 今日はTくんとKings of Convenience のライブを観に大阪へ。Tくんがインスタグラムで「大阪のおすすめを教えて」と投げかけたところ、多種多様なおすすめが集まっていた。まずは、朔で、無農薬の小麦を使ったドーナツと米粉の焼き菓子を購入。続いて、ヴィ―ガンスープカレーの飛輪へ。アツアツの土鍋のなかには、えのき茸、カブや金時人参、蓮根などのお野菜でいっぱい。スパイスが効いた出汁も染みわたる美味しさで、食べごたえもあるのに重たくない、という胃弱の私にも食いしん坊万歳の同行者二人にも嬉しいランチであった。そして、白布。木彫り熊をはじめ、全国の郷土玩具や世界のフォークアートが並んでいる。陽気な店主さんのお話が面白く、気づけば予定の時間を過ぎてしまっていてあわててお買い物をする。私は手作りの織機で布を織っているという作家さんのポシェットを、Tくんは富士吉田辺りで制作されていた前田水声さんの河童を。これは私も入ってすぐに気になったので、Tくんの家に置かれるのは嬉しい。よっさんは、お店の推しでもある、ひょうたん狸(居酒屋の玄関に置いてあるあれ)を、お話を伺ううちにすっかり気に入ってしまったが、突然だし、デカい。一旦踏みとどまった。梅田で、今日ライブに一緒に行くYさんと待ち合わせ。Tくんも会うのは2、3回目?で、私たちは初めまして、というつもりだったのだが、会ってみたら、よく店に来てくださっていた方だった。ギャラリーの芳名帳でもよくお名前をみかけていたし、この笑顔、知ってる!と、嬉しくなる。TEMPORAで働いてくれていたHちゃんもそうで、野田ちゃんからの紹介だったけど面接してみたら何度も店に来てくれている子だった。Yさんも大学の頃よく来てくれていたようで、こういう再会、というか出会い直しは、長く店をやってきたご褒美のようだな、と思う。Tくんが一度食べてみたかったという「東京の芸能人の手土産で大人気」というチャーシューメロンパンの店で軽く食べて、いよいよライブへ。Kings of Convenience のライブを観るのは初めて。ふたりの落ち着いた美声とハーモニーが本当に美しい。イントロのリフで歓声があがる名曲のオンパレード。途中からはベースとドラムも加わってのバンドセットで、アーランド・オイエ のエンターテイナーぷりが遺憾なく発揮され、歌ったりハンドクラップしたり指パッチンしたり座ったり(スタンディングなのに)立ったりと、思いのほか踊りまくってぶちあがりのライブだった。4人で帰路へ。この帰りのドライブがひときわ楽しかった。Kings of Convenience の『Quiet Is the New Loud』が発売になったのは2001年。当時大学生だった私たちにとってはリアルタイムのミュージシャン、という感覚なのだが、Yさんはまだ20代なのでどうやって出会ったのかとよっさんが聞いたところ、大学院の同級生が結構年上で、作業中エンドレスでKings of Convenienceが流れていたのだそう。親が車で聞いていたり、職場でかかっていたり、音楽が人づてに伝わって時代を越えていくのって本当に面白い。現在カーテンデザイナーとして活動しているYさんのお仕事は、先日金田さんが設計したリノベマンションで拝見していて、光や空間への布のかかわりがとてもささやかでうつくしく、風でゆれるカーテンをぼうっと黙って眺めていた。Yさんの話をいろいろ聞きながら、カーテン、もしくは布が空間にもたらすものについて、これからきっと見る目が変わるだろうなと予感する。狸もそうだし、誰かの話を聞いて、世界を見る目がすこし変わる。一時的なものもあれば、自分自身の中に根付くものもあるだろうけど、そうやって自分を揺らしていくことが、生きていく楽しさだと思う。なんて大げさなことを書いてしまうくらいに楽しい夜だった。

7/8(水) 朝、十六穀米の卵がゆ、炒り鶏、なすと甘長の焼きびたし。よっさんは、グラノーラ、目玉焼き、ウィンナー。読書会:The Practice of Readingの第二弾。柳宗悦の『民藝とは何か』を飛騨高山でやわい屋を営む朝倉圭一さんとともに読んでいく。柳の文章は格好良くて、読んでいるとこちらも熱いものを受け取った!という気になる。しかし今回はせっかくなのでもうちょっとしつこく読んでいきたい所存。情報ではなく自らの目でものを直接見て、感じて、使って、生活を愛していこう、という民藝の本質部分は、今の私たちにはわりとすっきりと受け取ることができる。そのうえで、というかだからこそ、ずっと”わからなさ”がつきまとう。柳がそういって、特定のモノを批判し、特定のモノを褒めたからこそ、その美はそのモノに宿っているかのような受け止め方をされてしまった。このジレンマを、どう受けとめたらよいのだろう。もっと、民藝を現代にいきる哲学として読めないか、と思っている。読書会は、参加者の印象(ずいぶん、たぎってますよね)や、各々の生活や仕事の中での「美」の受け止め方などを起点にあれこれ話していく。書かれた当時の民藝の状況や、柳の人生、家庭、その後の「民藝」の変化などなど、随所に話される朝倉さんの解説がとんでもなく面白く、人間としての柳の輪郭がぐっと濃くなった気がした。折しも岐阜県現代陶芸美術館で「吉田璋也のデザイン」展が開催される。次回の読書会までの間に観て、また皆で話せたらと思う。

7/9(木) 朝、目玉焼き、小松菜と油揚げの味噌汁、焼きブロッコリー、炒り鶏、いぶりがっこ。今日は楽しみにしていた碇雪恵さんと土門蘭さんのトークイベント『「話す」「書く」からはじめる“今を生きるためのプラクティス”』。もともと今回のトークは現在店内にて開催中の碇さん選書フェアにあわせて企画したもの。2026年上半期を象徴するようなこの2冊は、どちらも自身の身体をもって、他者と、世界と、そして自分自身と対話していく日々のプラクティス(練習・実践)が綴られている。この2冊に強く響き合うものを感じつつ、その方法やお人柄それぞれに違いがあるからこそ、きっといいトークになるだろうと思っていたが、そんな期待は遥かに越えるほどの面白さだった。「怒り」という感情の種類について、関係を続けたいからこその喧嘩、考えの違う相手と政治の話をすることについて、話を引き出しすぎてしまうことについてなど、おふたりがお互いの”本を読んだ私”からの応答としての言葉は、まさに、ここでしか聞けない話ばかり。「私にとって怒りはファストフードのようなもの」と土門さんが言えば、碇さんは「むっつりバイオレンス」を抱えていると言う。おふたりのグルーヴィーなやりとりを、うなずきながら笑いながら夢中で聞いているうちに、時間はあっという間に過ぎ去ってしまった。とりわけ、土門さんの「怒り」についての整理は鮮やかで、すがすがしい気持ちにすらなったほど。ずっと大爆笑だった味仙からの帰り道ふと、私は、自分の感情への解像度は低いくせに、もやもやをそのままで大事に抱え込みすぎているのかもしれないな、と思った。碇さんは「みんな日記を書こう」と言った。土門さんが言うところの感情の「排泄」は、誰にも見せない日記でこそできる。惜しげもなく書き終わったら捨てて、水路を掃除したその奥に、ようやく出てくる「ほんとう」がある。大丈夫だよ。ちゃんとあるから、それ(もやもや)捨てて大丈夫だよ、怖くないよ、と、私は私につぶやいてみる。

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EXHIBITION INFORMATION

2026年7月4日(土)~7月13日(月) ON READING GALLERY
西山勲 写真展『パパ・ユーア クレイジー』

写真家・西山勲による写真集『Papa, You’re Crazy〈クジラと天体、父の島〉』の刊行記念展を開催します。

本作は、1957年に刊行されたアメリカの作家ウィリアム・サローヤンの小説『パパ・ユーア クレイジー』に着想を得て制作されたもの。父親とともに長崎・平戸の離島で過ごした夏の日々を捉えた写真が収められています。

西山勲 にしやま いさお
1977年生まれ。福岡を拠点に活動する写真家。2013年に世界のアーティストの日常をドキュメントするビジュアル誌『Studio Journal knock』を創刊。旅をしながら世界各地のアーティストを取材し、編集・制作・発行まで行う。主な仕事として、雑誌『TRANSIT』の撮影・執筆、映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』(2017)、ドキュメンタリー『人と仕事』(2021)、NHKスペシャルドラマ『海の見える理髪店」(2022)、短編「冬子の夏」、映画「愛に乱暴」(2023)のスチール撮影、くるり『宝探し』ジャケットなど。写真集『Secret Rituals』(2021)、『宝探し』(2023)、『スプリング・ロール』(2024)、『LOVE SOME STORY』(2025)。
https://www.nishiyamaisao.com
https://www.instagram.com/isao_nishiyama

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2026年7月17日(金) ~ 7月20日(月)  ON READING GALLERY
Vada POP UP
※ 12:00 ~19:00 (最終日は16:00まで)

吉祥寺のVadaによるPOP UPストアイベントを開催いたします。
https://www.instagram.com/vadaantiques/

吉祥寺の店舗で取り扱いのある、佐藤憲治の木彫り熊や、沖縄のやちむんなど、手仕事によるうつわ、オリジナルのエコバッグやTシャツをお披露目いたします。
ぜひこの機会にご覧ください。

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♪ Now Listening

Kings Of Convenience

年齢を重ねるにつれ、どんどん好きになっていっている。

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今週はこのあたりで。

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