NEWSLETTER FROM ON READING 2025.01.03

名古屋のbookshop & gallery ON READINGから、週に一度のニュースレターをお届けします。
ON READING 2025.01.03
誰でも

あけましておめでとうございます。ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。5歳になる姪っ子を去年の調子で抱っこしようとしたら腰に衝撃が走りました。胃もたれと腰痛からスタートした2025年、一体どんな年になるのやら。当店は今日から元気に通常営業しております。本年もどうぞよろしくお願いいたします。(杏)

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EVENT INFORMATION

 『KISSA BY KISSA 路上と喫茶ー僕が日本を歩いて旅する理由』刊行記念
クレイグ・モド(作家・写真家) ×今井栄一(翻訳者・エディター)トークイベント
『日本の街道を、喫茶店を旅すること』

日程:2025年1月22日(水)
開場 18:30 開演 19:00~
参加費:2,500円(500円分お買い物券付)
定員:30名(要予約)
予約:https://onreading.jp/event/kissa/

喫茶店好き、旅好きの方、ぜひご参加ください~~!

『KISSA BY KISSA 路上と喫茶ー僕が日本を歩いて旅する理由』(BOOKNERD)の刊行を記念して、著者のクレイグ・モドさんと翻訳者の今井栄一さんを迎えてトークイベントを開催します。アメリカ人の彼が見た日本、喫茶店文化とは。そして徒歩で歩くことの意味とは。

本書には、蘭、喫茶クロカワ、かこ、キャラバン、ボンボンなど、地元民にはお馴染みの喫茶店も登場。来訪者に「書かれる」ことで違った一面を見せてくれています。

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入荷情報 PICK UP

ことぱの観察 / 向坂くじら
めちゃくちゃ面白い!デビュー詩集『とても小さな理解のための』が各所で話題になり、初小説『いなくなくならなくならないで』が、第171回芥川賞候補作品にもなった、現在最も注目を集める詩人で作家、向坂くじらが挑んだ、言葉の定義をめぐるエッセイ集。

暗闇に手をひらく / 大崎清夏
初回入荷分サイン入り。軽やかに言葉と遊び、現実を深く見つめる詩人・大崎清夏。『地面』、『指差すことができない』(中原中也賞受賞)、『新しい住みか』、『踊る自由』に次ぐ、待望の第五詩集!

Puking Rainbows Past and Future / Sean Lotman & Tennb Lotman
これもとても素敵な作品集。写真家、ショーン・ロトマンとその息子、テンボによる写真集。お互いをポラロイドで撮り合い、手紙を送り合った成長日記。息子へのまなざしと子どもからの視点が混ざり合い、ポラロイドの多重露光により二人は重ねっていく。「あの頃」を綴じ込めた「今」の記憶集。

御菓子丸の菓子 / 杉山早陽子
食べて消えることに表現の可能性を感じ、制作してきた菓子作家・杉山早陽子による御菓子丸の作品集。御菓子丸がスタートして10年の節目に、これまでの30の菓子を紹介した一冊。

Art Science Thoughts Nature HW SWEATSHIRT designed by Yachiyo Katsuyama / TACOMA FUJI RECORDS
注目のアーティストが架空のマーチャンダイスを作るレーベル『TACOMA FUJI RECORDS』による新作スウェット。イラストレーター・勝山八千代が、藝術科学思想自然という森羅万象を意味するこの言葉を英語で表現し描き下ろしたアートワークを落とし込んだ一品。最高。

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RECOMMEND BOOK !

わたしが歌うためには
まだ辞書に載っていない
言葉が必要でした
それは新しい言葉
わたしの言葉でした
大崎清夏『暗闇に手をひらく』(リトルモア)より

軽やかに言葉と遊び、現実を深く見つめる詩人・大崎清夏による、最新詩集。
明日、1月4日より発売です。

世界中で起きる自然災害、終わらない虐殺、先の見えない霧の中で迷子になっているような、今。

私たちの足元を照らしてくれるのは、こころを温めてくれるのは、どんなことばなのだろうか。

自分の手で作ること、描くこと。辞書にない私の言葉を持って生きること。戦争も災害もある今を生きている私たちが口ずさむと力になる、歌のような詩。 (私の生活はこっちだ、)と標になる31篇。

新しい年のはじまりには、詩のことばがからだに染み渡る。

能登の震災から一年。このタイミングで、大崎さんのことばが読めて、よかった。


 初回入荷分サイン入り。オリジナルしおり付です。

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枝葉末節な日々

今週の担当:(義)

12/27(金) 朝、昨日の鍋の残りのつゆに冷凍うどんを投入。しかし、今朝は寒かった。布団からちょっと出ただけで、すぅ~っと冷気に触れる感覚。う~、寒っとなってなかなか布団から出られない。傍らにはっちゃんがずっとくっ付いて寝てくれている。至福の時。年末の駆け込みか、オンラインショップでのご注文も数日増えており、出荷作業も忙しい。告知をはじめていた展示の日程に誤りがあったのに気付く。申し訳ない。。。確認しているはずなのに、たまに日程ミスをやらかしてしまう。ちょっと音信不通?だった友人がひさ~しぶりに店に来てくれた。元気そうでなにより。元気でいてくれたらそれでいい。店頭にも年末ムードでたくさんのお客さんが来てくれている。ジョンのサンの新譜があっという間に品薄になったので、急いで追加発注。最近、車でよく聴いているのだが、あきらかにストレンジなのに、ポップさを失わないという離れ技をすごいバランスで成立させていて素晴らしい。こういう態度で人生を生きていきたい。今日も今日とて仕事終わらず、22時半に帰宅。今日はみそ鍋。ぷちっと鍋に甜麵醬とニンニクを少し足すとグッと美味しくなる。お風呂に入りながらアマプラでTHE BOYSを鑑賞。すっかりはまってしまった。時世もかなり意識されていて様々なメタファーが散りばめられている。脚本がすごい。現在シーズン3に突入。

12/28(土) 朝、海外からの発注分を発送しに郵便局へ。年末ということもあり大混雑。駐車場もいっぱいなので仕方なく最寄りのコインパーキングに停める。自宅に戻り、朝ごはん。SUNのトーストに先日スーパーで買ったヌテラを塗る。多分はじめて食べるが結構おいしい。世間的には今日から9連休のかたも多いのか。道路も混んでいる。店頭も賑わって忙しい。夜は上原さんと写真家で詩人の小林くんとごはん。東新町にあるベトナム料理のお店『TRONG DONG RESTAURANT』に向かったのだが、着いてみると何やらバースデーパーティーの飾り付けが。貸し切りですか?と聞いてみると、入って大丈夫だという。若いベトナム人たち30名くらいのパーティーの片隅のテーブルで、こじんまりした忘年会。小林くんとももう長い付き合い。前身の店舗の時から関わってくれているので、もう20年近くになるのか。お互い変わっていないようで、大きく変わってもいて、でもやっぱり変わっていなくて。未だにこうして会うとがっつり深い話をできるのが心地よい。パパイヤサラダ、ベトナムおこわ、ヤギ肉と大葉の蒸し料理、ライスペーパーに包んで食べるバインセオなどどれも美味しい。こちらの会話も深まっていくとともに、あちらの誕生日パーティーもクライマックスに。照明が落とされると哀愁漂うギターリフのバースデーソング(ベトナムではおなじみの曲らしい)が流れ、誕生日ケーキが運ばれてきた。主役の女性がロウソクの火を消すあたりで、クセの強い曲は急にEDM調に展開。すると、おそらくアルコール度数が高そうなお酒が参加者に振舞われ、掛け声とともにグイっと飲みこんでいる。歓声が上がり、お開きムードが漂う中、今度はなぜか関係者かどうか不明な別のテーブルの若者がカラオケをはじめた。しかもどうやらラップっぽい。が、だれも彼の歌に関心を示さない。状況がのみこめない。一気にベトナムにトリップしたような濃厚な時間。記憶に残る一夜となった。

12/29(日) 朝、餅を焼く。帰省のついでに寄ってくださる方や、年末のご挨拶に来てくれた方など、今日はずっとお客さんが絶えない。お昼過ぎに菅さんファミリーも来てくれる。息子さんのNくんも元気いっぱい。なぜか暑がってTシャツ姿になっている。子どもは風の子とはよくいったものだ。京都から帰ってきたゆいちゃんがお土産と差し入れをくれる。ゆいちゃんも京都でちょっと体調崩しちゃったみたい。SNSを見ていると知り合いの人も何人もインフルになったり風邪をひいたりしている。めちゃくちゃ流行ってるみたいなのでなんとか予防して切り抜けたい。今のところ体調は悪くないが、連夜の猫たちによる金縛り攻撃のせいで腰や肩のダメージがたまっている。お願いだから寝返りをさせてくれ。閉店間際までお客さんも途切れず、気付けば売上が過去最高額だった。ありがとうございます。夜は杏子がクリームシチューを作ってくれた。たまに食べたくなるシチュー。からだもほかほかあったまる。

12/30(月) ちょっと早く起きて出勤して、菅さんの作品のオンライン販売のための撮影作業を。杏子は山田さんと支留比亜へモーニングへ出かけた。今日もオープンから閉店までお客さんがほとんど途切れず。これが9連休の効果か。2024年最後に売れた本は、木下龍也さんの『すごい短歌部』と、寺井奈緒美さんの『生活フォーエバー』だった。営業終了後、コンビニでおやつ買って少し腹ごしらえ。引き続き菅さんの作品の撮影と、片づけを少しして帰宅。夜は昨日のクリームシチューにクミンを加え、カレーっぽくしてごはんにかけて食べた。

12/31(火) 9時くらいに起床。ようやく休み。昼は両親と兄夫婦と木曽路でごはん会。9か月の甥っ子のはるまくんもすくすく大きくなっている。ひさ~しぶりに木曽路に来たが大賑わい。父はしゃぶしゃぶを期待していたようだが、母が会席料理のコースを予約していたためしゃぶしゃぶが出てこず、ぶつぶつ文句を言っている。解散後、星が丘の三越に。こちらも大混雑。無印でちょっと買い物して、姪っ子への誕生日プレゼントと、お供え用のお菓子を買って帰宅。少し横になっていたらそのまま寝てしまった。むくむくと起きだし、紅白を観ていたらちょうど星野源が出てきた。ものすごい緊張感。2007年当時、平野太呂さんとのCDフォトブック「ばらばら」が出た際には、一聴して衝撃をうけた。当時、店でもたくさん販売した思い出がある。しかし、改めて歌詞がすごい。

あの世界とこの世界
重なりあったところに
たったひとつのものが
あるんだ
(星野源「ばらばら」より)

ここ最近「あいだ」という概念に興味を持って色々考えたり調べたりしているのだが、「他人とのあいだで、世界とのあいだで間をもつということ、それは自己が居場所をもつということである。」という精神科医の木村敏の言葉にも響きあう。このそれぞれの「間・あいだ」の個別性にこそ、もっともっと目を向けるべきだと思っている。買っておいたどん兵衛で年越しそば。TVerで「名探偵津田」を観ながら笑っていたら、いつの間にか年が明けていた。

1/1(水) 9時くらいに起床。今日は、杏子の在所である郡上に向かう。トンネルを抜けるとそこは、という感じで、郡上に入ると一気に雪景色。昨夜に雨が降ったみたいでこれでもだいぶ溶けたというがそれでも60~70cmくらいは積もっていた。つららを見たのも久しぶり。家に到着すると姪っ子のりさちゃんがお出迎え。昨日作ったという雪だるまを見せてくれる。プレゼントのミッフィーの大きなぬいぐるみも喜んでくれた。おせち料理的なるものでお昼ごはん。こたつに入って、お義父さん手作りのすごろくでみんなで遊ぶ。あったかくなってきてウトウトしていたが、りさちゃんに起こされる。お兄さんはいびきをかいて寝ている。のんびりしたなんとも平和なお正月。帰り、一宮の真清田神社で初詣。去年が本厄だと思っていたが、実際は後厄で、今年はもう厄年を過ぎていた。が、念のためと思い、火の輪くぐりでさらに清めてもらう。おみくじは小吉。「病気 信神せよ」「商売 大きな損はなし」とある。実家に寄って、正月恒例のすき焼き。まったく懐いてくれない実家の猫2匹だが、こたつに入っていたので撫でることに成功。車に本の在庫を数箱積み込んで帰宅。

1/2(木) 朝起きて、キネマノイで映画『どうすればよかったか?』を観ようと思っていたが、調べてみるとすでに予約でチケットが完売していた。他の映画館も調べてみるが特にこれと言って観たいものが見つからず、家でゆっくりすることに。昨日もらったお菓子でお腹を満たし、菅さんの作品のオンラインショップの登録作業に励む。夕方くらいに終わり、杏子が読みながら唸っていた向坂くじらさんの「ことぱの観察」を読み始める。様々なことばを「定義」するというエッセイ。確かにこれは面白い。その後、気になっていた映画『ホールドオーバーズ』をアマプラで鑑賞。名古屋だと名演小劇場でやっていたような渋みのある、ユーモアとペーソスに満ちたド直球なニューシネマ。「歴史は過去を学ぶだけではなく、今を理解することでもある」。さらに勢いで『シビル・ウォー アメリカ最後の日』も観る。夜ごはんは、賞味期限ぎりぎり過ぎてた豚バラ肉で鍋。あっという間に休みが終わった...。

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EXHIBITION INFORMATION

~~~~~ 開催中! ~~~~~

【EXHIBITION】2024年12月14日(土)~ 2025年1月5日(日) at ON READING店内
Hisae Maeda Pop-up Exhibition『Lost Words, Found Tales』

前田ひさえ小作品集『Lost Words, Found Tales』(nidi gallery刊)の刊行を記念してPop-up Exhibitionを開催中。展示作品も販売しております。貴重な機会。ぜひご来店ください。

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【EXHIBITION】2024年12月21日(土)~2025年1月6日(月)  at ON READING GALLERY
Yuko Kan Solo exhibition 『Une Petite Pause』

 麻布台、六本木、虎ノ門、表参道、アークの5つのヒルズが連動するクリスマスプロモーション「CHRISTMAS HILLS 2024」にその作品が起用されるなど、ますます注目が集まる菅祐子さん。

菅さんは、木版画から木彫、陶へと、表現の幅を広げながら作品を制作されていますが、核となる魅力は変わることはありません。世の中、いいことばかりではありませんが、菅さんの生み出すユーモラスでミスティックなオブジェたちを見ていると、心がほぐれていくのを感じます。一年の終わりに、そして始まりに、ちょっとひと息(Une Petite Pause)ついていきませんか?

昨日からオンラインショップでも作品を販売しております。1月6日まで。お見逃しなく~!

~~~~~ COMING SOON! ~~~~~

【EXHIBITION】2025年1月10日(金)~ 1月19日(日)at ON READING GALLERY
『Knitting ’n Stitching Archives. 』Asuka Miyata Book Launch Exhibition

Knitting ’n Stitching Archives.』(ELVIS PRESS刊)の出版を記念して、展覧会を開催します。本展では、7名の作り手がこれまでに作ってきた品々を展示するほか、「港まち手芸部」のメンバーがつくったものなども販売します。ぜひご来場ください。

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【EXHIBITION】2025年1月18日(土)~2月9日(日) at ON READING店内
qp『喫茶店の水』刊行記念写真展

「⽔」から⾒える、喫茶店の世界――画家として活動するかたわら、これまで400店以上の“喫茶店の水”を撮影してきたqpさん。そのなかから85枚の写真を厳選した、類のないフォトエッセイ『喫茶店の水』が誕生しました。透明感あふれるコップに入った水と、水を通して見るどこか懐かしい喫茶店の光景。誰もが知る有名な純喫茶や、新世代の喫茶店、ふらりと立ち寄った旅先の喫茶店まで、さまざまな喫茶店の水の写真を掲載。すでに閉店している喫茶店もあり、撮影当時の時間に引き込まれることでしょう。

本書の刊行を記念した写真展を開催いたします。ぜひご来場ください。

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【EXHIBITION】2025年1月16日(木)~2月9日(日) at ON READING店内フェアスペース
『中国手仕事紀行 増補版』刊行記念フェア

日本や世界の各地から集めた手しごとを中心とした生活雑貨のお店「みんげい おくむら」店主・奥村忍さんが、少数民族たちの“生きた”民具を求めて、中国の奥地を彷徨い歩いた10年間の記録『中国手仕事紀行』(青幻舎・2020年刊)。

この度、新型コロナパンデミック後の雲南・貴州の旅を新たな章として加筆した増補版の刊行を記念してフェアを開催します。本書はもちろん、中国で買い付けられてきた、布ものを中心とした手仕事による品々を展示販売いたします。

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♪ Now Listening

2024年にリリースされた(多分)作品で、お気に入りのプレイリストを作りました。spotifyになりますが、よろしければご覧ください。(義)

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今日のところはこのあたりで。また来週!

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