NEWSLETTER FROM ON READING 2024.09.06

週に一度のニュースレターをお届けします。
ON READING 2024.09.06
誰でも

こんにちは。ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。近頃は10月、11月にELVIS PRESSからリリースする書籍の制作が大詰めで、締め切りに追われる日々ですが、2タイトルともとっても素晴らしい作品集になるという確信があります。どうぞお楽しみに。秋には他にも動いているイベントがあったりと、また忙しくなりそう。なんとか体調を崩さないように駆け抜けたいものです。あ~、最近ジムもまったく行けていないな~。。。(義)  

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EVENT INFORMATION

本山のbabooshkaさんでの断捨離マーケットに参加しています。
2024年9月6日(金)、7日(土)、8日(日)
時間:12:00〜18:00
場所: babooshka (名古屋市千種区鹿子町2-3-3)
出品:
A @puu__a
ON READING @on_reading
松尾ミユキ @matsuomiyukillustra
babooshka @babooshka329
いろいろ決め事がありますがご協力お願いします。11:30から会場のバブーシュカにて整理券をお出しします。
12:00〜 13:00〜 14:00〜 15:00〜 16:00〜 17:00〜 各回50分
整理番号早い順になります。時間指定はできません。この3日間はカレー営業は休み、babooshka駐車場はご利用できません。お支払いは現金のみ、エコバックを必ずご持参下さい。返品返金は不可となります。※早くから並ぶことはご遠慮下さい。

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よむ きく はなすvol.9
2024年10月5日(土)12:00~14:00
課題本:『生活フォーエバー/寺井奈緒美』(ELVIS PRESS)
会場:ON READING

視覚障害者情報提供施設、名古屋ライトハウスの読書会「よむ きく はなす」をON READINGで行います!課題本は『生活フォーエバー』。

実は、この度『生活フォーエバー』が点字・音声図書になったのです。(嬉しい!) 視覚に障害のある方とない方が、同じ本を読んで語り合うこの読書会の面白さは、これまで私もいろんな人に話したり、さまざまな場所で書いてきたりしたのですが、(ちなみに、『NEUTRAL COLORS』5号にも企画創案者のナカタさんによる記事が掲載されています)自分たちの店で、自分たちがつくった本で、いったいどんなことが起こるのか、(そもそも『生活フォーエバー』の読書会も初めて!)今から楽しみでなりません。

当日は、点字図書や音声図書がどのようにつくられていくのか、どのように利用されているのかなどについてもお話が伺えたらと思っています。

募集期間は9月2日(月)~13日(金)。定員を超えた場合は抽選になります。ふるってご応募くださいませ!詳細はこちら:https://onreading.jp/event/yomukikuhanasu/

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入荷情報 PICK UP

Typodarium 2025 カレンダー
  毎年大人気のこちら、ご予約受付中です。ドイツの出版社〈Hermann Schmidt〉から毎年出版されているフォントの日めくりカレンダー。世界中のフォントを使用し、365日が日替わりフォントでデザインされています。  

Subsequence volume 7
  「Arts & Crafts for the Age of Eclectic」、”折衷”時代のアーツ&クラフツを掲げ、世界中の工芸と文化にまつわるトピックを幅広く取り上げ、編集制作に国内外のスタッフを迎え実験的なプロジェクトとして創刊したマガジン『Subsequence』の第7号。今号のテーマは「Remember?(リメンバー?)」。  

レテ/移動祝祭日 / 小俵鱚太
第2回笹井宏之賞長嶋有賞受賞した、歌人・小俵鱚太による第一歌集。
善人じゃないと気づいて人生はようやく冬の薔薇に追いつく

歌集 宇宙時刻 / 小関茂
昭和期に活動していた謎多き口語自由律の歌人、小関茂。彼が生前に遺した、諦念とニヒリズムに満ちた不思議な魅力を放つふたつの歌集をひとつにまとめて復刻。

一年前の猫 / 近藤聡乃
『A子さんの恋人』『ニューヨークで考え中』で人気の漫画家・アーティストの近藤聡乃による、一緒に暮らす猫たちとの生活を描いたエッセイ7編と、 魅力的なカラーイラスト約20点を収録した作品集。

酒場の君 / 武塙麻衣子
私家版ながら大きな話題を呼んだ『酒場の君』が書き下ろしを加えてついに書籍化!文筆家・武塙麻衣子待望のデビュー単行本。  初回特典:著者2ヶ月分の日記付きポスター付き

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RECOMMEND BOOK !

みんなに共有されることを意図しているにもかかわらず、畢竟ひとりのためのものであるという両義性。ここにディスクガイドの本質がある。
工藤遥(カンパニー社)『ひとり ALTOGETHER ALONE』(誠光社)

ディスクガイドの可能性を更新した名著『モンド・ミュージック』で知られる、小林深雪・小柳帝・鈴木惣一朗・茂木隆からなるGazzette 4が、1999年の終わりに残した、ひとりの時間をいかに大切に過ごすかをテーマにしたディスクガイド『ひとり ALTOGETHER ALONE』。古書市場でも人気だった1冊が新装版として誠光社より復刊されています。

通勤電車で、車の中で、歩きながら、部屋の中で、または旅先のホテルで。ふっと訪れるひとりの瞬間に寄り添うレコードや、孤高のミュージシャンがひとりで奏でた楽曲、深い孤独を味合わせてくれる1枚を、「SWEET」「MILD」「BITTER」のカテゴリに分けて紹介。

旧版のGazzette 4、福田教雄、梶本聡に加え、堀部篤史(誠光社)、土肥雅樹(ジョンとポール)によるディスクレビューやコラムも追加収録されています。

現代音楽、ソフトロック、ジャズにブラジル、シンガーソングライター、ギターポップにオルタナと、幅広いジャンル、年代から選ばれた約500枚。

音楽が"所有するもの"から"共有するもの"になったともいえる今日ですが、それでも尚、ヒットチャートや再生数などとは関係ない、わたし「ひとり」に響き、わたし「ひとり」を取り戻すための音楽に触れる喜びは、他の何ものにも代え難いもの。

サブスクで検索した後、レコードやCD、カセットで欲しくなるだろう作品がどんどん増えていく一冊です。

復刊に当たり、カバーは落ち着いた仮フランス装に、コラムは書き下ろしとともに一新、巻末解説をカンパニー社工藤遥が寄稿、新装版あとがきは小柳帝書き下ろし。

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枝葉末節な日々

今週の担当:(杏)

8/30(金) 朝、時間がなく、みかんだけ食べて出勤。今日と明日は「出張やまだしん灸」。ギャラリーの扉をあけて、真っ白だな、と思う。昨日まで、この場所はNEUTRAL COLORSの滞在制作の現場で、壁は黄色い紙で埋め尽くされていたのだ。終わってみればあっという間。激動の11日間を終え、すこし呆然としているのを感じる。しかし、呆然としている場合ではない。続々届く書籍をさばき、オンラインの発送業務をし、週に一度のニュースレター(これ)の準備をし、レジ打ちをしてお客さんとお話して…こうやって、日常のリズムを取り戻していく。「日常」というものがあることはありがたい。夜、よっさん十八番のチキンソテーをBRUNOで。もやし、中華スープ、にんじんときゅうりのごま油ピクルス、昨日のキャベツサラダ(Oさんのドイツ土産ドレッシング)。

8/31(土) 朝、やまださんと一緒にコアラドへ。モーニングタイムは初めて行く。私とよっさんはオムレツ、やまださんはキューバサンド。と言っても、文字通りのそれが出てくるわけがないのがコアラド。ほうれんそう入りオムレツの上に、ホワイトソースとビーフシチューがかかって、素揚げの茄子とフライドポテトがのっている。朝から大・満・足。12時からのご予約の方が台風の影響でキャンセルになったので、かわりに私が施術を受ける。最近はどうですか?と話を聞いてもらいながら身体を診てもらう。このところの疲労がたまっていて、神経が昂っているとのこと。そりゃそうだよね。それでも1時間の施術を終える時には「お~いいね~」とやまださん。初めて診てもらった数年前と比較すると、身体がちゃんと反応して、ゆるむようになったそう。前はすえられたお灸もわからなかった。閉店後、トラブル発生を告げる一本の電話が。なんだかんだで今日も24時。コンビニで冷凍ラーメンを調達し、キャベツだけ炒めてオン。作り置きのにんじんときゅうりのごま油ピクルスもこれで終わり。にんじんときゅうりを短冊切りして、かんたん酢とごま油で浅漬けしたもの。みょうがと塩昆布もいい仕事して、適当に作ったけど美味しかった。忘れないように書いておく。

9/1(日) 朝、ベーグル、キャベツときゅうりとトマトのサラダ(ドイツ土産ドレッシング)。これから風雨がくるのか、もうこないのか、わからなくなるような青空に戸惑う。甥っ子(5か月)が来たり、Nくん(3歳)が来たり、子どもがいっぱいで楽しい日。閉店後、ダッシュで覚王山のOFF THE RECORDへ。鈴木裕之さんの展示の最終日に駆け込む。tumbleweedの幸太郎さんもいて、久しぶりに皆でゆっくりすーさんとおしゃべりできて嬉しかった。ELVIS PRESSから『ODD図画帖』を出版したのは2013年。2メートルにも及ぶ描きおろし大作をじゃばら製本に仕立て、表紙は活版印刷で仕上げたもの。本書は手製本で作っていて、じゃばら折が本当に大変だった…。表紙の活版は幸太郎さんがやってくれた。もう10年前のことなのか。すーさんとはまた一緒に本を作りたい。その後、残った仕事を片付けに店に戻る前に、サイゼリヤで夕飯。「最近、量が少なくなったらしいよ」と、どんどん注文をするよっさん。玉ねぎのズッパ(オニオングラタンスープ)、グリーンサラダ、ピザ、パスタ、ドリア、ガーリックトースト。出てきてみたらそんなに少ないわけでもなく、わんぱく高校生みたいになった。このガーリックトーストが美味しかった。よっさんは、店を出るなり「また来たい」と嬉しそう。わんぱくか。台風の影響で間に合うかどうか、ドキドキしていたOKATAOKAの作品も無事にデータが届いた。

9/2(月) 朝、目が覚めてうーんと背伸びをすると、手とつま先に感じるさわさわ。枕元にはっちゃん、足元にさくちゃん。彼らは最近ずっと、この配置で寝ている。
 昼イチのお客さんが、本や本屋に関する本を2冊選んでくださったので、ご興味あるんですか?と聞いたら「ずっと本読んできてなかったんですけど、最近、親父がよく本を読んでいるので、つられて自分も興味を持ってきて。その流れで、そもそも本って、ということを考えるようになったんです」とのこと。本と人との距離感は不思議。子どもの頃、絵本に囲まれて暮らしてたとか、通勤時間はいつも本を読んでいたとか。逆に、就職してから本を読まなくなったとか、子どもが生まれてから読めなくなったとか。人生の中でその距離が近づいたり遠ざかったりする。それでもまたいつか、こうやって本との距離が近づく時がくる。100歳で亡くなった私の祖母は、晩年の数年間一緒に暮らしていたが、うちに来てからよく本を読むようになった。私の本棚にあった『今日の猫村さん』や『日々ごはん』がお気に入りだったので、『悪女について』や『富士日記』をプレゼントして、「面白かった」「赤裸々に書いてあるのがいい」と感想を聞かせてくれた。祖母がひとりで暮らしていた家の本棚のラインナップが『窓ぎわのトットちゃん』からほとんど変化がなかったことを思うと、祖母の後半生のなかで最も本との距離が近かったのはこの頃だったのかなと思う。夕方、昨年ON READINGで展示をしてくれた和井内さんがひょっこり来てくれて嬉しい。明日入稿予定のOKATAOKA作品集のデザイン作業がなかなか終わらず、わたしだけ帰宅。楽しみにしてたのに、素で冷蔵庫に入れててしなしなになってしまった残念アスパラを鶏肉と炒める。無印料品の「ごはんにかけるユッケジャン」をチンしたごはんにかけて食べる。

9/3(火) 今日は定休日。先日、義兄夫婦にもらった青森の濃厚煮干しラーメンを食べ(すんごく濃厚!)、よっさんはOKATAOKAの作品集の入稿作業のため出勤。私は久しぶりに猫とゴロゴロする。なかなか難航したが無事に入稿完了した模様。(こちらは10月のOKATAOKAさんの展覧会に合わせてのリリースです。お楽しみに!)さて今夜は楽しみにしていた、誠光社の堀部さんとの会食。「馴染みの、ゆっくりできそうなお店で」とのリクエストだったので、池下のツムギキッチンにお連れした。堀部さんも「洋食で呑める店あんまりないですよね」と気に入っていただけた様子。いつも定食を食べちゃうけど、今日はアラカルトでいろいろ頼む。タコのマリネ、とうもろこしのコロッケ、鯛のムニエル、ハンバーグ。すべての料理が美しく美味しい。特にハンバーグは、私たちが連れて行ったゲストの中でも、この味が忘れられないとわざわざ遠方からリピートしてくれる人もいるくらい。今日も近所のファミリーが続々と来店され、それぞれのいい時間を過ごしていた。堀部さんはよく「いい店とは」ということについて書いたり話したり出版したりしていて、今日も、最近よく行く京都の「いい店」の話など聞かせてもらう。店側もお客側も自然体で(堀部さんは「コスプレっぽくない」という言い方をしていた)、適度な距離感が保たれてて、なによりもまず、美味しい。聞きながら、やっぱりツムギはいい店だなーと思っていた。

9/4(水) 朝、昨日作りおきしておいた茄子とししとうの揚げびたしで素麺。『ガチョウの本』(イーユン・リー著)が初っ端から面白い。物語をつくる少女ふたりの話。明日からはKOKOLIS展示会。セミオーダーメイドで作ってくれる鞄やお財布などの革小物は、シンプルでほどよくクラシックなところが”ちょうどいい”とリピーターも多い。KOKOLISの近藤さんとも、もう長い長い付き合いになった。最初はリブロで同僚だった近藤(妹)から「岩上さん(私の旧姓)、私の姉に似ている」と言われて会ったのだった。私たちがここに移転してくる前から、TAiGAという名前だったこの場所で展示会を開催していたので、かれこれ15年くらいやっているのかな。夜、水菜ともやしの豚しゃぶ。自家製ゆずポンとごまだれとダラットマリムラのサテ(レモングラス風味のラー油)をまぜたタレが最強だった。『地面師たち』を観始める。

9/5(木) 午前中、babooshkaに断捨離マーケットの搬入。今企画は2回目だけど、食器やかご、服や靴、アクセサリーなどなど盛りだくさん。我々も、Tシャツやレコードやアウターまでいろいろ出したので、是非ディグリに来てほしいところ。手芸本(仮)の制作もいよいよ大詰め。初校ゲラの修正があちこちから集まってきて、赤字入れの整理や修正指示を緊張しながら進める。と、インタビューを受けてくださったうちのおひとりが直接、ゲラを持って店に来てくれた。今回、作品を掲載している作り手のうち3名にインタビューさせていただいた。幼いころから編みものを始め、長い人生の傍らにはずっと、手芸があった。とても個人的で、けれどそこから時代や社会の変化、女性と手芸の関係性、自らの手でものを作るという営みがもたらしてくれる喜びが感じられる、とても貴重なお話がたくさん聞けたと思う。本に掲載することをOKしてもらえたこと、本当にありがたいことだと、噛み締めている。きっと、いい本になる。夜、よっさん作のチキンカレー。豆腐とひじきのサラダ。昨日のだし昆布を刻んでごま油で炒めたものも入れた。よっさんが大好きなこのカレーペーストはそのまま作ると味がわからないくらい辛いので、アーモンドミルクやチーズなどを入れてマイルドにするのだが、今日は両方入れたらしく、マイルドすぎて、逆に味がわからなくなった。『地面師たち』ドキドキしすぎてどんどんみちゃう。土地の売買、こわすぎる。

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EXHIBITION INFORMATION

~~~~~ 開催中! ~~~~~

【EXHIBITION】9月5日(木)~9月9日(月) at ON READING GALLERY
KOKOLIS exhibition vol.15

革鞄・革小物ブランド KOKOLIS(ココリス)15回目の展示受注会。気付けば毎日、何年も使ってしまう。いつでも ”ちょうど良い” KOKOLISの革製品。この機会にぜひお試しください。商品はすべてセミオーダーメイド。サンプル品をベースに、革色や仕様をお選びいただけます。

~~~~~ coming soon! ~~~~~

【EXHIBITION】9月14日(土)~9月29日(日) at ON READING GALLERY
大杉好弘 個展 『sometime,somewhere,somethings』

当店では2回目となる、愛知在住の画家、大杉好弘の個展を開催します。

私は、私自身にとってリアリティのある空間や場所、人や物を描く際にともなう、現実とイメージとの間にあらわれる不確かながらも、確かに存在する空気のようなものを表現したいと思っています。今回の展示では、旅先でのスナップ写真や私の生活空間をモチーフとして描き、プレス機によって圧縮されたモノタイプの作品群を通して、ささやかな空気のようなものを感じていただけたらと思います。(大杉好弘)

また、本展示に合わせて、モノタイプの作品をまとめた作品集をリリースいたします。

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【EXHIBITION】10月12日(土)~10月27日(日) at ON READING GALLERY
OKATAOKA Exhibition 『WALL OF SOUND』

イラストレーター・オカタオカによる最新作品集『WALL OF SOUND』(ELVIS PRESS刊)の刊行記念展を開催します。自分で好きな曲を選び、それを聴きながらイメージを膨らませ、7インチと12インチのブランクのレコードジャケットをキャンバスにして描いたシリーズを展示します。

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♪ Now Listening

Low End Love Songs / Pale Jay

米国ロサンゼルス出身、赤いマスクを被った謎多き覆面アーティスト、Pale Jayのニューアルバム。2021年にデビューするや、瞬く間にスウィートソウル・シーンの最注目アーティストに。アフロジャズ~ヒップホップの上品なビートメイキングに、美しいメロディーを奏でるファルセット・ヴォイスが載った珠玉の1枚。本作も名盤です。(義)

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今日のところはこのあたりで。また来週~~!

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