NEWSLETTER FROM ON READING 2024.12.20
こんにちは。ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。いよいよ本格的に寒くなってきましたね。当店は古いアパートの一室で、窓からもすーっと冷気が入ってくるし、底冷えもひどい。冬は寒さとの戦いです。男性ブランコのpodcastで、リスナーの冬への備えを聞くお便り募集=「あなたの冬ソナ」というコーナーがありました。私の冬ソナは、いしはら農園のレモングラスティーです。これはguse arsのふたりから昨年もらって愛飲していたもの。これがなくてはと、今年は張り切って大袋を購入しました。皆さんの冬ソナはなんですか?師走めいてきましたがどうぞご自愛ください。(杏子)
NEWS
【年末年始休のご案内】
12月30日(月) 12 : 00 ~ 18 : 00
12月31日(火) 休業
1月1日(水) 休業
1月2日(木) 休業
1月3日(金) ~ 通常営業
よろしくお願いいたします。
入荷情報 PICK UP
・日めくりジャズ365 2025年版 / ジャズ録音日調査委員会・編
毎日一枚ずつジャズのレコードを紹介する日めくりカレンダー。すべてその日付に録音されたレコードを掲載し、ラグタイム、スウィング、ディキシーランド、モダンジャズ、フュージョン、ジャズファンク、フリージャズなど、時代や国を超えてさまざまなスタイルのジャズに触れられるよう選盤されています。
・失われた「実家」を求めて / 飯村大樹
前作のエッセイ『サッド・バケーション』が当店でも好評だった、東京在住のデザイナーによる「実家」をめぐる実践の記録。不仲の両親の元で育ち、両親の離婚〜父の再婚を経て「実家」を失った著者は、「家族」というものや、人と親密な関係性を築くこと自体を前向きにとらえることができずにいる。自身のそうした心の在り様と向き合うために、著者は10年以上まともに話していなかった父と母、妹にインタビューを決行した。
・庭の話 / 宇野常寛
批評家・宇野常寛が、現代の共同体が作り出した問題を明らかにしながら、共同体を経由しないで社会と接続するにはどうすればよいのかを思考した1冊。
・絶望ハンドブック / 坂口恭平
作家・坂口恭平が若い頃よりとらわれてきた自身の「絶望状態」との格闘をつづった、切実で赤裸々な記録。苦しみの底で見つけたものは?ベストセラー『生きのびるための事務』著者がおくる、こころの深淵の歩き方。
・me and you の日記文通 message in a bottle vol.2 / me and you(竹中万季・野村由芽)
個人と個人の対話を出発点に、遠くの誰かにまで想像や語りを広げるための拠点として、野村由芽と竹中万季が立ち上げた新しいコミュニティメディア「me and you」によるニュースレター「message in a bottle」で連載中の「日記文通」をまとめた書籍の第2弾。
・大きなシステムと小さなファンタジー / 影山知明
「クルミドコーヒー」、「胡桃堂喫茶店」の店主で、出版業や書店業、哲学カフェ、大学、米づくり、地域通貨などにも取り組む著者、影山知明が綴った、「もう一つの道」を切り開くための実践の記録。
・VACANCES バカンス 5 遊びはどこにある?
心のバカンスを追い求めるカルチャー雑誌『VACANCES(バカンス)』。第5号の特集タイトルは「遊びはどこにある?」
RECOMMEND BOOK !
編み物は、日常生活の中で、ジェンダーはこういうものだという社会の目線に挑戦することができる。そして編み物をすることでさらなる多様性を受け入れるよう背中を押し、私たちの魂はこのプロセスを通じて輝くことができる。
入荷後即完売していたこちら、再入荷しました!(お待たせいたしました~!)
個人と政治、愛と経済を結びつけ、社会を幾度となく編み直してきたパワーの歴史をたどるノンフィクションエッセイ。
本書では著者自身の個人的なケアの記録と、歴史から見る人類と編み物のつながりが交互に描かれています。
突然、人生の困難に直面した著者は、幼いころから親しんできた編みものに救いを求めました。夢中で手を動かしているうちに思い出されたのは、著者に編み物を教えてくれた祖母の言葉。さらに同じように編み物と共に生きてきたさまざまな人生に触れていきます。
また、アメリカ革命や世界大戦などこれまで社会の転換期に編み物が大きく貢献してきたこと、女性や先住民たちの経済的自立を支えたこと、編み物がフェミニズムや反資本主義、気候変動などさまざまな社会運動のツールであり続けていること、神経科学の視点から見た編み物の効用や、さまざまな商品開発にその技術が生かされていることなど、社会的、文化的営みである編み物について多角的な視点で書かれています。
もしあなたが、「編み物は女性だけが、家のなかですること」とか「趣味的な手芸で、とるにたらないものだ」と思っているとしたら、本書はそのステレオタイプを大きく変えてくれるでしょう。
古代から人類と共にあり、今を生きる技術である編み物。なんでもお金を出して買えてしまう時代に、自らの手を動かしてものをつくるということこそが、自分自身の生活や生きる力を、取り戻すということになるのだと改めて感じさせてくれる一冊です。
また、ブック・コーディネーターの内沼晋太郎さんがメインホストを務める、本にまつわるあらゆることを扱うチャンネル「本チャンネル」の「#今日発売の気になる新刊」にて本書の翻訳を担当した佐久間裕美子さんのインタビューをさせていただきました。佐久間さんによる「訳者あとがき」も本書のアンサーとして、本当に素晴らしいエッセイなんです…。是非ご覧ください!
さらに!来月開催する『Knitting ’n Stitching Archives. 』刊行記念展にあわせ、佐久間裕美子さんをお招きしてトークイベントを開催することとなりました。ご来場お待ちしております!
枝葉末節な日々
今週の担当:(義)
12月13日(金) 朝、肉まん。布団に入って寝ていると朔ちゃんが腰のあたりにそっと乗ってきてそこで朝まで寝るというムーブがここ毎晩続いている。お陰で寝返りがまったく打てず、いよいよ腰が痛くなってきた。昼、店まで杏子を送り届けて、Tくんと栄で打ち合わせ。来年やるかもしれないビッグプロジェクトについて。きっと大変だろうけど、やれたらめちゃくちゃ楽しそう。そのままコアラドでランチ。ずっと食べたかった、牛かつ丼をついに。もうほぼステーキ丼だった。うまし。近所に美味しいご飯やさんがあるのはありがたい。前田ひさえさんの展示搬入。なんとも素敵な絵だ。夜はぷちっと鍋で、みそ鍋。途中、甜面醤、豆板醤を加えて味変。
12月14日(土) 朝、トースト。コーヒー。今日は楽しみにしていた青木真兵さんと柿内正午さんのトーク。当店で二人のトークイベントを開催するのはもう6回目。毎回いろんな気づきがあってめちゃ面白い。柿内さんの『ぼくらの「アメリカ論」』の感想から始まり、本(テキスト)を本(テキスト)としてそのまま読むことの難しさや、言葉にならないことを言語表現するのが小説なのに、言葉で言えることしか言わない小説が多すぎるという話。セルフケアも体調が悪い部分を言語化するあまりに、言葉にならないなんとなくな不調が取りこぼされてしまうんじゃないかという話。なぜ愛国心が自民党や右翼だけのものになってしまったのか。排外主義的ではない保守はありえないのか、生きものらしさをどう維持するか、などなど。来てくれていたお客さんたちも、うんうんと頷く場面がなんどもあった。突き詰めれば結局、塩梅、バランスをどうとるか、という話なんだけど、でも実のところ、このバランスについてしっかり考え抜くことって疎かになってるんじゃないだろうか。バランスをとることにもっともっと注力すべきなのかもしれない。青木さんは終電があったので終演後、急いで帰路に。柿内さんとHABの松井さんとゆいちゃんとで今池の麒麟楼へ。多分初めていったお店だけど、ただの町中華ではなかった、、、切れ目をいれた大きな揚げ茄子に甘辛い肉餡をたっぷりとかけた、桂林ナスという料理が当たりだった。杏子は何度か来たことあるそうだったけど、この料理は知らなかったみたい。案の定、調子に乗ってお腹パンパンに。
12月15日(日) 朝、トースト。コーヒー。今日はアートサイト名古屋城の最終日。SNSを眺めているとたくさんの人が展覧会を観に行ってくれているようで嬉しい。試行錯誤の連続でなんとかかんとか完成に漕ぎついた感じだったが、展示のインストールが終わった時点で、なんともいえない達成感を得られた。貴重な機会をくださったTwelveの野田ちゃん、キュレーターの服部さん、オファーを受けてくれて一緒に作品を制作してくれた千種さん、めちゃくちゃ円滑な進行でサポートをしてくれたコーディネーターの近藤さん、制作やインストールで見事なお仕事をみせてくれたミラクルファクトリーのみなさん、名古屋城のみなさん。もの凄く良いチームで仕事ができて本当に楽しかった。今回、茶亭で発表した作品は、来春刊行の千種さんの新歌集にも収録されるかも、ということでそちらも楽しみ!夜はぷちっと鍋で、塩ちゃんこ鍋。
12月17日(火) 朝、トースト。今日は「岐阜駅本の市」の打ち合わせで、お昼めがけて岐阜駅に向かう。アクティブG内のエリックサウスカレーでビリヤニを食べながら、徒然舎のおふたりとデザインをしてくれているリトルクリエイティブセンターの石黒さんと、ほぼ関係ない話を小一時間。会場に行って懸念点などを確認しながら小一時間。その後オープンしたばかりの徒然舎の3階店舗を見せてもらってお買い物をし、事務所にも入れてもらっておしゃべりもさらに白熱し、気づいたら19時過ぎに。ざっと7時間くらい喋ってた...。スタッフさんによってきちんと整理整頓された事務所。人を雇うようになってから社員さんが自発的にどんどん改善し業務をシステマティックにして劇的に環境や働き方がかわったという。めちゃくちゃ参考になる(真似できるかは別として。)今後、どうやったら楽しく働き続けていけるかもそろそろ真剣に考えていかねばならない。帰宅途中に、名岐バイパス沿いにある大光楼へ。長崎ちゃんぽん、皿うどんの名店。一宮から名古屋に車で通っていた時にはよく利用していた、自分史上、いちばんうまい皿うどん。たまに無性に食べたくなる。
12月18日(水) 朝、ちょいと早起きし病院へ。先週末の尿路結石が発覚した際にお医者さんから糖尿病の可能性もあるので一応検査しておいてくださいといわれて、今日が検査結果が出る日だった。幸い、糖尿病ではなかったが検査の結果、ピロリ菌が陽性で、胃がんリスクが少しあるので胃腸内科で診てもらったらと言われた。20年くらい健康診断を受けていなかったので、この機会にいろいろメンテナンスしておきたい。しかし、これが厄年というやつか。夜は、宮本匠さんの著書『「みんな」って誰?ー災間と過疎をのびのび生きる』の出版記念トークイベント。お相手は当店では『10年目の手記』などでおなじみ、高森順子さん。災害復興に携わってきたお二人が、復興の現場で経験したり感じたことを足掛かりにリアリティのある言葉で、「みんな」=「空気」を変えるには、また作るには、どうしたらよいのかというテーマでお話してくれた。声に出して共有すること、ユーモアの大切さ。先日の青木さん、柿内さんのトークイベントの内容にも通じるものがあった。帰宅後、白だしのおうどん。美味しかった。
EXHIBITION INFORMATION
~~~~~ 開催中! ~~~~~
【EXHIBITION】2024年12月14日(土)~ 2025年1月5日(日) at ON READING店内
Hisae Maeda Pop-up Exhibition『Lost Words, Found Tales』
前田ひさえ小作品集『Lost Words, Found Tales』(nidi gallery刊)の刊行を記念してPop-up Exhibitionを開催します。展示作品も販売しております。貴重な機会。ぜひご来店ください。
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【EXHIBITION】2024年12月21日(土)~2025年1月6日(月) at ON READING GALLERY
Yuko Kan Solo exhibition 『Une Petite Pause』
明日からです!
麻布台、六本木、虎ノ門、表参道、アークの5つのヒルズが連動するクリスマスプロモーション「CHRISTMAS HILLS 2024」にその作品が起用されるなど、ますます注目が集まる菅祐子さん。
菅さんは、木版画から木彫、陶へと、表現の幅を広げながら作品を制作されていますが、核となる魅力は変わることはありません。世の中、いいことばかりではありませんが、菅さんの生み出すユーモラスでミスティックなオブジェたちを見ていると、心がほぐれていくのを感じます。一年の終わりに、そして始まりに、ちょっとひと息(Une Petite Pause)ついていきませんか?
今回は作品、即売となります。お早めのご来店をお勧めします~。
~~~~~ COMING SOON! ~~~~~
【EXHIBITION】2025年1月10日(金)~ 1月19日(日)at ON READING GALLERY
『Knitting ’n Stitching Archives. 』Asuka Miyata Book Launch Exhibition
『Knitting ’n Stitching Archives.』(ELVIS PRESS刊)の出版を記念して、展覧会を開催します。本展では、7名の作り手がこれまでに作ってきた品々を展示するほか、「港まち手芸部」のメンバーがつくったものなども販売します。ぜひご来場ください。
1月11日(土)には、今冬、『編むことは力』ロレッタ・ナポリオーニ著(岩波書店)を翻訳されたライター、アクティビストの佐久間裕美子さんと、本書にご寄稿をいただいた研究者の山崎明子さんをお招きし、トークイベントも開催します。
ご予約:https://onreading.jp/exhibition/ksa/
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【EXHIBITION】2025年1月15日(水)~2月9日(日) at ON READING店内
qp『喫茶店の水』刊行記念写真展
「⽔」から⾒える、喫茶店の世界――画家として活動するかたわら、これまで400店以上の“喫茶店の水”を撮影してきたqpさん。そのなかから85枚の写真を厳選した、類のないフォトエッセイ『喫茶店の水』が誕生しました。透明感あふれるコップに入った水と、水を通して見るどこか懐かしい喫茶店の光景。誰もが知る有名な純喫茶や、新世代の喫茶店、ふらりと立ち寄った旅先の喫茶店まで、さまざまな喫茶店の水の写真を掲載。すでに閉店している喫茶店もあり、撮影当時の時間に引き込まれることでしょう。
本書の刊行を記念した写真展を開催いたします。ぜひご来場ください。
EVENT INFORMATION
『KISSA BY KISSA 路上と喫茶ー僕が日本を歩いて旅する理由』刊行記念
クレイグ・モド(作家・写真家) ×今井栄一(翻訳者・エディター)トークイベント
『日本の街道を、喫茶店を旅すること』
日程:2025年1月22日(水)
開場 18:30 開演 19:00~
参加費:2,500円(500円分お買い物券付)
定員:30名(要予約)
予約:https://onreading.jp/event/kissa/
『KISSA BY KISSA 路上と喫茶ー僕が日本を歩いて旅する理由』(BOOKNERD)の刊行を記念して、著者のクレイグ・モドさんと翻訳者の今井栄一さんを迎えてトークイベントを開催します。アメリカ人の彼が見た日本、喫茶店文化とは。そして徒歩で歩くことの意味とは。
♪ Now Listening
Nobody Loves You More / Kim Deal
ピクシーズの元ベーシストで、ブリーダーズのキム・ディールによる初のソロ・アルバム。渋さとポップさのバランスが程よい、重鎮らしい安定したオルタナサウンド。好きだわ~。(義)
今日のところはこのあたりで。また来週!
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