NEWSLETTER FROM ON READING 2024.09.20

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ON READING 2024.09.20
誰でも

こんにちは。ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。
なんと今日の名古屋は37度。夏に逆戻りしてまったかのような気温です。我が家の猫たちも朝からぐで~っと伸びていました。ここ数年、一年の大半が夏になってしまって、秋なんて一瞬で通り過ぎてしまいますよね。将来的には四季から二季になるとかならないとか。。。ゆっくり秋も味わいたいものです。(義)  

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入荷情報 PICK UP

日記の練習 / くどうれいん
俳句、短歌、エッセイなど幅広く活躍中の注目の作家、くどうれいんによる初めての日記&エッセイ集。「おもしろいから書くのではない、書いているからどんどんおもしろいことが増える」  

mahora 第6号 / 安野谷昌穂、蓮沼執太、江尻潔ほか
太古から続く歴史や文化、秘跡や里山に残された光景、日々の暮らしやアートなど、さまざまな領域を‟美”という情緒でつなぐ本『mahora』の第6号。創刊以来初めてとなる特集テーマは「芸術以前」。  

vocalise / 川島小鳥
2011年に刊行され13万部の大ヒットとなった、写真家・川島小鳥による写真集『未来ちゃん』。本作は、『未来ちゃん』制作時にヨーロッパ各地の夏の風景のなかで撮影した写真を、13年の時を経てまとめた一冊。初回入荷分はサイン入りです。

Caniscope / Jochen Gerner
フランス出身のアーティスト、Jochen Gernerによる手のひらサイズの作品集。2023年に出版された書籍『Dogs』に引き続き、本書のテーマも犬ですが、本作ではフェルトペンではなく、古いバーノートにチェコの老舗文具ブランド「KOH-I-NOOR」の二色エンピツで描いています。  

Silence / Vilhelm Hammershøi
19世紀デンマークの巨匠、Vilhelm Hammershøi(ヴィルヘルム・ハマスホイ)の作品集。本書は2024年にスイス・バーゼルにあるHauser & Wirth Baselにて開催された展覧会に合わせて刊行されたもの。  

NICE / Luc Tuymans
ベルギー人アーティスト、リュック・タイマンス(Luc Tuymans)の作品集。2020年以降に香港・パリ・NYの3つの都市で開催された展覧会を記録した一冊。

CARNETS / Johanna Tagada
イギリスを拠点に活動するフランス人アーティスト、ジョアンナ・タガダの作品集。作者は、物心ついた頃からスケッチブックに絵を描いていた。それは日々の生活を綴る日記のようなものであり、自身の人生と創作活動において重要な役割を担っている生き生きとした場所であり、自身の庭を大切にする毎日の営みと重なる。  

IRON RIBBON (サイン本) / Kazuhei Kimura 木村和平
ご予約受付中。ファッション・フォトやアーティスト写真、映画のビジュアルなど、多岐にわたり活躍中の写真家、木村和平による写真集。スウェーデンのパブリッシャーLibrarymanより限定750部でのリリース。

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RECOMMEND BOOK !

だけど、アイ子さんは怒りを持っていました。ウイルタとして生まれたけれども、自分で選び直して、日本人として生きようとした。でもそれが敗戦直後に拒絶されてしまった。それに対して怒っている。古い世代のウイルタに対しても怒っている。(瀧口夕美)
『ジャッカ・ドフニ 大切なものを収める家』(図書出版みぎわ)より


かつて、北海道網走に「ジャッカ・ドフニ(大切なものを収める家)」という私設資料館があった。

そこには、ウイルタを中心に、ニブフ、樺太アイヌといった、サハリンで暮らしていた少数民族の生活文化を伝える資料が多数所蔵されており、2012年に閉館した後は、資料は全て北海道立北方民族博物館に引き継がれた。

本書は、セワ(木偶)やトナカイなどの木彫、刺繍、楽器など「ジャッカ・ドフニ」の所蔵資料と共に、初代館長であるゲンダーヌさん、北川アイ子さん兄妹の人生や、サハリン島や千島列島、北海道に住んでいた人々の歴史を、研究者や関係者の言葉でたどる。

それまで住んでいた場所がある日突然、日本(あるいはロシアの)になること。
居住地を定められたり移住を余儀なくされて自由な生活ができなくなること。
戦争に巻き込まれ、都合のよいように扱われること。
そして、先祖代々守ってきた文化が失われていくこと。

どれもみな、日本で起きたこと、日本がやったことです。どうか、多くの方にこの素晴らしい文化と、複雑な歴史に触れてほしい。

2024年、高島屋史料館TOKYOで開催された同名展覧会の公式図録。夏に北方民族博物館に行ったものの資料は東京に行っていて、東京の展示もタイミング合わずですれ違ってしまっていたので、書籍で見られて本当にありがたい~!

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枝葉末節な日々

今週の担当:(杏)

9/13(金) 大杉さん搬入日。大杉好弘さんは愛知でずっと活動されているアーティスト。普段は、油絵や立体物を発表しているが、今回はモノタイプの版画作品を展示している。当店では2回目で、前回は油絵具を使った版画、今回は水彩絵具を使った版画で筆致が違うのが面白くてまじまじと見てしまう。大杉さんの作品は、淡い遠い記憶のよう。作品集の色校を見に、オカタオカが鹿児島からやってくるという。今日は早くあがれそうだったら橋の下音楽祭に行きたかったんだけどな。仕方ない。待ってる間に、ガストで夕飯とする。私はいつものから好しのおろし唐揚げ定食。よっさんは、やんちゃガーリックチキン鉄板ピラフ。やんちゃっぽいのがきた。オカタオカが22時に来て深夜の色校正。

9/14(土) 朝、トースト、サラダ、ゆで卵。今日は懐かしい人が来た。Oさんは、私が以前勤めていたリブロ名古屋店がリニューアルしてできた書店、カルロバで店長をしていた方。ブックマークナゴヤや、うちの本を置いてもらったりで仲良くしてくださっていたが、「普通の本好きに戻りたい」という(悲しい)名言をのこして退職し、東京に帰って行かれた。あの頃、立て続けにこういうことがあり、本が好きで書店が好きな人がずっと働きつづけられないなんて業界全体として大損害だし、どうにかしなきゃいけないんじゃないか、と怒っていた。解決にはならないけど、円頓寺本のさんぽみちで「円頓寺書店」という企画もやったりして、なんとか愛ある人が楽しく本に関わっていけたらいいのにと、今も思っている。ところでここのところずっとだるい。よっさんも「なーんもやる気がでない」とダウナー。長すぎる夏の終わりに身体がついてこない模様。閉店後、夜、ひさしぶりにスーパーに行ってもりもり買う。ブルーノでにんにくたっぷり鶏肉ソテー。わかめと豆腐の味噌汁、キムチ、ひじきと豆腐のサラダ。元気でるかな。

9/15(日) 朝、トースト、目玉焼き、ナガノパープル。にんにくの効果は果たして胃もたれ。韓国から編集者の方がご来店。田尻久子さんの『橙書店にて』を自ら翻訳し韓国で出版したのだそう。田尻さんの文章、私も大好きです!と言うと、田尻さん特有の、静かな乾いた文章を訳すのは難しかったと話してくれた。その感じ…ちょっと韓国ドラマのモノローグにも似ていますよね、というと、私もドはまりしたドラマ「私の解放日誌」の話に。その中の印象的な台詞「私をあがめて(チュアン)」という言葉について伺ったり。夜、夏の北海道旅行で買ってきたチカップのチーズとトマト、アスパラのパスタ、サラダ。じゃがいものポタージュ。録りためていた「光る君へ」を観ていたら、「ちょっと悪いけど」と呼ばれる。よっさんは、もう10年近く自分で髪を切っていて、後ろと横は私の担当。さすがにこんなにやっていると慣れてきて、雑な気持ちでやってもなんとなく形になるようになってきた。最初は面倒くさいけど、段々集中して面白くなってくる。風呂あがりの仕上がりをみるのが楽しみ。

9/16(月) 朝、トースト、サラダ、じゃがいものポタージュ。ポタージュがあるだけで朝食の満足度が格段にあがる。ハンドブレンダー様様。三連休らしく、遠方からのお客さんも多い週末だった。今読んでいる『ジャッカ・ドフニ 大切なものを収める家』が素晴らしい。ジャッカ・ドフニというのはかつて網走にあった私設博物館。サハリンの少数民族ウイルタ族の文化を伝える場所だった。私は津島佑子さんの小説『ジャッカ・ドフニ』でその存在を知ったが、開館中には行けなかった。東京でやっていた展示は前々から楽しみにしていたけれどタイミングがあわず、逆に夏の北海道旅行で北方民族博物館に行ったけど、所蔵作品は東京の展示に行っていて、とすれ違いだったので、こうして本として読めるのがありがたい。ウイルタ族の衣類や「セワ」などの木彫、刺繡などが多数収録されているだけでなく、その不遇な歴史についても仔細に書かれている。自分たちが住んでいた場所が急に日本になったりロシアになったり、移住を余儀なくされたり、日本とロシアの戦争に巻き込まれたいくつもの人生、失われてしまった文化。本当に「国」ってなんなんだ。「虎に翼」の原爆裁判や、パレスチナのことも想起される。夜、マルちゃん正麺味噌味。わかめと炒めたキャベツとハムとコーンも入れて、せめてものごちそう。

9/17(火) 今日は、手芸本(仮)に作品を収録させていただいたおひとりのYさん宅へ、著者のあすかちゃんと資料の確認にうかがう。玄関を開けると二羽のにわとりがお出迎え!沖縄では闘鶏でけがをした鶏やメスが捨てられてしまうことが問題になっていて、Yさんはそうした鶏の保護活動をされている方から鶏を引き取って一緒に暮らしているのだそう。エリザベスとダイアナと名付けられた二羽は、顔のわりに(失礼!)おとなしく、抱っこもさせてもらった。羽はつやつやで気持ちがいい。庭には菜園もあり、白なすを収穫させていただいた。多治見のカオニャオさんでおいしいタイランチをいただいて今日の予定は終了。あすかちゃんと名古屋に戻る。と、ここまでは最高の日だった。その後、展示を見に行った老舗画廊で理不尽な扱いを受け、駐禁をとられ踏んだり蹴ったり。あすかちゃんと二人呆然としながら解散。夜、よっさんの麻婆豆腐。濃厚で美味しい。いただいた白なすは早速レンジで蒸しなすに。とろとろ~!

9/18(水) 朝、トースト、サラダ、ぶどう、梨。郡上の家から野菜がどっさり届く。おかあさんありがとう…!近所のスーパーは最近、本当にやせ細った野菜しかなくて、ブリブリした野菜があるって本当に豊かだな~と感じる。昨日の白なすもそう。昨日の理不尽な出来事がもやもやと残って身体が重い。起きたこととしては、普通に(静かに、真面目に)鑑賞していたら買う気のない者は画廊に来るなと言われた、みたいなことなのだが、私は一応同業者でもあり、その前に一人のアートファンでもあって、ないがしろにされて腹が立つだけでなく、そう言いたくなってしまう背景を思うとなんともやるせない。客と店のディスコミュニケーション、ミスマッチ、大義と商い、どうしたらお互いに健やかにいられるのか、と思う。それにしたってあんまりだ。スタッフのゆいちゃんと、マイ・スペシャル・内藤礼体験を話したりして心を穏やかにする。夜にご来店くださった方が、内藤礼の『生まれておいで 生きておいで』図録をご購入。先週、東博に行かれたそうで、赤ちゃんを連れて行ったら、展示にすごく反応を示していたそう。大人にはわからない、作品のもつ「祝福」を全身で感じていたのかもしれませんね、と話す。すっかり心が浄化された。夜、生姜焼き、なすの味噌汁、小松菜とピーマンの炒め物。

9/19(木) 午前中に一本、とあるヒアリング調査に協力し、朝ごはんはサンのパン。眠たくて眠たくてたまらない。『LOVERS' NAGOYA』の追加オーダーの納品にみっきーさんが来る。なんと喫茶ボンボンの箱を持って!「こないだ話したとき、杏子さん最近忙しくて疲れてるって言ってたな~と思って」とのこと。なんてこったい!ひょんなプレゼントはめちゃくちゃ心を救ってくれる。そう、前に話したときに忙しそうって思われるのってつらいっていう話をしたのだった。本当は飄々としていたい。それが私の子どものころの将来の夢だった。いろいろあっても軽やかで、いつも気楽そうで、周囲にも圧をあたえない、そんな人間に私はなりたい、だった。43歳の今、いつもじたばたしている理想とはほど遠い人間になってしまったが、まあそれはそれ。夜、ヘンな時間にパンを食べちゃったのでお腹もすいておらず、ボンボンのケーキを夕食とする。梨とぶどうを添えて。

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EXHIBITION INFORMATION

~~~~~ 開催中! ~~~~~

【EXHIBITION】9月14日(土)~9月29日(日) at ON READING GALLERY
大杉好弘 個展 『sometime,somewhere,somethings』
当店では2回目となる、愛知在住の画家、大杉好弘の個展を開催中。
※9月21日は(土)はイベントのため18時までの営業となります。

私は、私自身にとってリアリティのある空間や場所、人や物を描く際にともなう、現実とイメージとの間にあらわれる不確かながらも、確かに存在する空気のようなものを表現したいと思っています。今回の展示では、旅先でのスナップ写真や私の生活空間をモチーフとして描き、プレス機によって圧縮されたモノタイプの作品群を通して、ささやかな空気のようなものを感じていただけたらと思います。(大杉好弘)

また、本展示に合わせて、モノタイプの作品をまとめた作品集も発売中です!

~~~~~ COMING SOON! ~~~~~

【EXHIBITION】10月12日(土)~10月27日(日) at ON READING GALLERY
OKATAOKA Exhibition 『WALL OF SOUND』

イラストレーター・オカタオカによる最新作品集『WALL OF SOUND』(ELVIS PRESS刊)の刊行記念展を開催します。自分で好きな曲を選び、それを聴きながらイメージを膨らませ、7インチと12インチのブランクのレコードジャケットをキャンバスにして描いたシリーズを展示します。

作品集は無事校了しました!その他、シルクスクリーンポスターやハンカチなども製作中。お楽しみに!

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♪ Now Listening

しゅー・しゃいん / 寺尾紗穂

今年の1月に千種座で観た、冬にわかれてのライブでも披露されていた「しゅー・しゃいん」。その時もじーんと目頭があつくなってしまったのだけど、改めて聴いてもやはりすごい曲だ。そしてその曲名をタイトルに冠したアルバムがこの度リリース。絶望を希望に変えるためには、とにかく生きていくしかない。心揺さぶる静謐なプロテスト・フォーク。(義)

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今日のところはこのあたりで。また来週~~!

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