NEWSLETTER FROM ON READING 2024.05.31

週に一度のニュースレターをお届けします。
ON READING 2024.05.31
誰でも

こんにちは。ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。

怒涛の5月も過ぎ去りました。あっという間に6月。みなさまいかがお過ごしでしょうか。先日、久しぶりに朝の通勤ラッシュ時に地下鉄を利用したのですが、降車する人が出やすいように、ドア付近の人が一旦降りるっていうあのマナー、名古屋にも浸透してほしいですよね。降ります~っていっても頑なにどいてくれない。もう少しお互いに気を遣えるようになると気持ちのよい朝になるのにな~と。暮らしやすい社会ってそういうところからだと思うんですよね。みなさまお勤めご苦労様です。(義)

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NEWS

~イベント出店のお知らせ~

「OKAZAKI BOOK FAIR」に出店&トークイベントに登壇します。

岡崎のマイクロホテル、ANGLE4周年記念の催しにお誘いいただきました。街の文化度を支える「本」を切り口に、地域と編集の意義や価値、編集的視点から見た岡崎の可能性、街に本屋がある意味などを考える日。街の皆さん30人が選んだ5冊がならぶ古本市、地域密着の編集社と書店のPOP UPとトークイベントがあります。

ON READINGは、TOUTEN BOOKSTOREの古賀さんとのトークイベント「街のいい本屋ってなんだろう?」に登壇します。(ただいま予約受付中!)是非遊びにいらしてください。

6/8(土)11:00 – 22:00
6/9(日)11:00 – 17:00
会場:Okazaki Micro Hotel ANGLE(愛知県岡崎市籠田町21)
※ON READINGの出店・トークは、6月9日(日)のみ
詳細はこちらから→ https://okazaki-angle.com/news/4317/

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入荷情報 PICK UP

今週も入荷もりもり。

Troublemakers No.1
ミスフィッツ(はみ出し者)のストーリーを伝えるインディペンデント・マガジン『Troublemakers』の創刊号。トランスジェンダー、アイヌ、離人症と、異なるアイデンティティを持つ魅力的な人々に取材し、固有のパーソナルなライフストーリーを紹介。

理想 / ひらいめぐみ
サイン入り!注目の書き手、ひらいめぐみが、寝具、季節、相棒などにおけるそれぞれの「理想」を空想しながら綴ったエッセイ集。

「おてあげ」第3号 / 困ってる人文編集者の会
編集者の竹田純、麻田江里子、柴山浩紀による「困ってる人文編集者の会」による「本のまわりの困りごと」をテーマにしたZINE。今号の特集は「ばたばた」。

地震日記 能登半島地震発災から五日間の記録 / 鹿野桃香
2024年の元旦に起きた能登半島地震で被災した著者が、発災からの5日間を、日記と写真で記録した1冊。

共感と距離感の練習 / 小沼理
自分と他者、規範と逸脱、個人的なことと社会的なこと……ゲイとして、シスジェンダーの男性として日常の中で直面したエピソードを綴った、様々なものごとのあわいにとどまり揺れながら考えるエッセイ集。

えほん zine ねっこ Vol.3 特集:父、おや?
  今を生きる父たちの思うこと感じることは何なのか。 モリテツヤ、滝口悠生、中村俵太ら、5人の父親が文章を寄せる。  

日本古寺 / 土門拳
届いた瞬間、ヤバっ!!となり、即、追加発注かけました。 巨匠・土門拳による写真集。彼の代表作『古寺巡礼』の中から、建築物を中心に、25の寺院の堂塔、庭園、収蔵品、加えて石造、石仏などの写真170点を厳選し収録した1冊。とにかく印刷が凄い!国内流通少ないようなので気になる方はお早めに。

"MAY THE BOOK BE WITH YOU" TEE / ON READING
調子に乗ってまたオリジナルTシャツ作っちゃいました。「本とともにあらんことを。」

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RECOMMEND BOOK !

しぶとい十人の本屋 / 辻山良雄

本はずっと少量多品種で成り立ってきた商売である。それは世界が多様であることを、それぞれの個人が替えの利かない存在であることを示しているが、本はそのように人の個別性と深く結びつくものだから、人を均一たらしめる動きには、そのカウンターとなるべきものなのだ。
辻山良雄『しぶとい十人の本屋』(朝日出版社)

荻窪の新刊書店「Title」の店主、辻山良雄が、各地の本屋に出向いてそれぞれの店主たちと語りあったインタビュー集。

登場するのは、走る本屋さん 高久書店(静岡)高木久直さん、市場の古本屋ウララ(沖縄)宇田智子さん、長谷川書店(奈良)長谷川 稔さん、誠光社(京都)堀部篤史さん、ON READING(名古屋)黒田義隆、杏子、ブック・コーディネーター・内沼晋太郎さん、定有堂書店(鳥取)奈良敏行さん、北書店(新潟)佐藤雄一さんの9組。

誰もが成功する方法なんてない。だから自然と、その道はオリジナルになる。「本」を仕事に選んだ人々の、悩んだり迷ったりしながら歩いている姿は、確かに楽ではないけれど、皆どこか静かに楽しそうに見える。

愚直で泥臭く、少し偏屈、でも愛すべき本屋を訪ねる旅。

うれしはずかし、わたしたちON READINGのインタビューも収録されています。問われたから、答えたことばがある。辻山さんから聞かれたことをこの一年、何度も反芻して考えたり二人で話をしたりし続けています。

本屋に限らず、場をひらくこと、自分のやり方で仕事を作っていくことを考えるきっかけにもなる本だと思います。

ただいま掲載店先行発売中。特典ペーパー付きです。(杏)

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枝葉末節な日々

今週の担当:杏

5/24(金) 朝、昨日の残りごはんと冷凍ごはんでチャーハン。昨晩のわかめ卵スープ。『熊彫』が届いた!久しぶりの重版!北海道の八雲町が、お土産としての木彫り熊を作り始めて今年で100年。今回の重版はその記念でもある。先週の文フリにあわせて発売された新刊が続々と届き、そうでない新刊もどかっと届く。Title辻山さんの新刊『しぶとい十人の本屋』も来た。この本は、スタジオジブリの小冊子『熱風』で連載されていたもので、ON READINGはちょうど一年前の5月に取材を受けたのだった。単行本ではカットされているが、連載時はさらに12年前の5月にあげた私たちの結婚式の話から始まっていた。(私の元上司である辻山さんに人前式の立会人代表をしてもらったのだ。)取材後、私はひとり横浜に行き、初めて男性ブランコの単独ライブを観に行ったのだった。そして今週、2回目の男ブラを観に行くのである。すべて、いつかの5月の出来事。閉店間際、大学生とおぼしき4,5人がわらわらと入ってくる。しばらくめいめいにいろんな本を見ていたが、ひとりがアートブックを2冊抱えてレジにきた。「安くはないけど、これを買ったらバイト頑張れる」と友だちに話しているのを聞いて、あ、頑張ろ、と思った。ここにある本は、誰かの明日への活力になり得る。そういうものを扱っているということ。すぐにギャラリーにいるよっさんに報告。健やかなるときも病めるときも。閉店後、急いで帰宅して蕎麦食べてシャワー浴びてよっさん富山へ出発。美しい朧月夜。

5/25(土) 朝、富山に着いたよっさんからLINEで起こされる。思ったよりも机が細かったとのことでレイアウトの相談。「どうすんの」って知らんがな。家になんにも食べるものがないので、とりあえず出発。SUNでパンを買ってプロローグでアイスコーヒーを買って、店の前のベンチで洒落た気持ちでモーニング。なんといふ青空。雲ひとつない。「店に着きました」とよっさんに報告する。ギャラリーに来た方が「あれ…」と不思議そうな顔をされている。どうやら4年前の『DOROTHY』展をご覧になられて、今日たまたま久しぶりにON READINGに来たら、また『DOROTHY』がやっていたらしい。それは、時空歪みますよね…。観るものを異界へといざなう素晴らしい展覧会。夜、Sさんにいただいた「ふじわら」のパクチーレモンオイルで鶏肉と葱のパスタ。豆腐サラダ。夕食後、『DEEP LOOKING』著者、ロジャー・マクドナルドさんのレクチャー「帝国主義と支配に抗う表現者」をアーカイブで視聴。植民地支配の歴史と気候変動のルーツが美術にどのように表象されているのか。当時の画家たちがクライアントワークとして、あるいはファンタジーとして描いた絵の中にも、帝国主義の”事実”が色濃く現れている。非常に面白かった。今年度のAITのレクチャー、いくつも予約したので楽しみ。よっさん、何時に帰ってくるかな。

5/26(日) 朝、お茶漬け、豆腐サラダ。起きたらよっさんがスヤスヤ寝ていた。今日はたくさん買ってくださる方が多くてありがたい。男ブラ友だちのMさんがご来店。Mさんはリブロ名古屋店で2008年、9年頃にやっていた「20歳に読んでほしいブックフェア」(タイトルは曖昧)が好きで、そこで紹介されていた本を何冊も読んだそう。Titleの辻山さんの書籍を読んで黒田さん(私)もその頃在籍されていたのでは?と、話をしに来てくださった。しかし私はあんまりおぼえていない。2005年から10年働いていたので、間違いなくいたとは思うのだが。けれど、自分が関わった(たぶん)仕事が知らないところで誰かにこうしておぼえてもらえているというのはすごいことだなと思う。夕方、よっさんが富山から戻ってきた書籍を持って出勤。どれが売れたということもないけれど、積み重ねでそれなりの売上になっているのが毎度不思議。富山でも、昨年もブースに寄ってくださった方が今年も来てくれたり、楽しく過ごせたようでよかった。夜、BRUNOで最後のプルコギ焼肉。BRUNOは本当に野菜が美味しく焼ける。食後、楽しみにしていた富山のかりんとう饅頭。よっさんはこれを買うために古本いるふの天野くんに、店番をかわってもらってダッシュしたらしい。ありがたくいただきます。

5/27(月) 朝、Sちゃんとモーニング。生活と記録について。Sちゃんは最近模造紙を部屋に貼って、思いついたり思い出したりしたあらゆることをがしがし書いていっているのだそう。そうそう、雑多な頭んなかを一旦出しとける場所が欲しいんだよね。忘れてもいいように。「ニュースレターを読んだ人が杏子さんのいろんな断片をおぼえてるから、今は外付けHDがめっちゃ増えてる状態ですね。」とSちゃん。もう一方で感情を排した記録の強さにも興味がある。数字、日付、出来事。Sちゃんは研究で古文書や古地図をみているから、そうしたデータの強さ、雄弁さをよく知っている。Sちゃんとは15歳以上年が離れているけど同じ感覚で話ができる存在で、いつも話が尽きない。店は今日も森道帰りの皆さんで賑わった。「毎年このルートです。」と言ってくださる方も多くありがたい。もう盆と正月に並ぶ年中行事ですね。月末の経理仕事でしゃかりきな一日。疲れた…。夜、プルコギ丼。

5/28(火) 早起きして東京へ。東京都現代美術館でホー・ツーニェン展。大ボリュームの新作、観たかった京都学派のも、トラのも、初期作もでモリモリ。けっこういたけど見切れなかった…(これから行かれる方は、タイムスケジュールを確認のうえ、計画を練っていかれることを推奨します。)今日は他にも見たかった展示いくつかあったけど、外は雨がどんどんひどくなるし移動はあきらめた。時間、戦争、植民地、スパイ、アジア、小津。ホー・ツーニェンの作品を見ると、勉強したくなる。映像の中でも似たようなセリフが出てきた。先日みたAITのレクチャーとも重なったり、『第七の男』の一節も思い出したり。同時開催していた、サエボーグと津田道子の展示がよかった!今回の東京は、ここからが本番。ここでよっさんとはお別れして、男性ブランコのコントライブ『駐車場』へ。Rちゃんのおかげで初日の公演を観ることができた。笑ってしんみりして笑ってぞくっとして、あっという間の100分間。シンプルな「かたち」で構成された舞台美術と身体表現が素晴らしかった。今回のパンフ(もちろん川名潤さんのデザイン)もビニールカバー装で超豪華。外に出ると強風大雨!おびえつつRちゃんと鴨つくね蕎麦。

5/29(水) 昨晩はカプセルホテルのナインアワーズに宿泊。眠るだけで睡眠分析レポートをしてくれるサービスがあり、それが楽しみでここに決めた。新幹線に乗ってそのまま出勤。よっさんと一緒に食べようと、メルヘンのサンドイッチを買って帰ってきたけれど、半分は自分で食べるつもりだった。2種類各2切れで計4切れのうち、1切れだけ食べて「メルヘンあるよ」と言って置いておいたら、残りの3切れ全部食べられていた。打ちひしがれる。私のiPhone6sはいよいよカメラのレンズが壊れてしまって、何を撮ってもドリーミーになってしまう。けれど最近、店のカウンター後ろの窓から外の景色を、このカメラで動画で撮ると妙にいいのに気づいた。木々のざわめき、車の往来、犬の散歩、子どもたちの追いかけっこ。ぼんやり眺めていると気持ちが静かになってくる、最近の密かな楽しみ。夜は久しぶりにココイチ。なすカレーにポテト単品を追加。

5/30(木) 午前中、新しい企画の打ち合わせ。今秋名古屋のとある場所で開催される展覧会に参加することになった。チャレンジングな要素も多いが、伴走してくれるのが、個人的に絶大な信頼を寄せている人たちなのでとても楽しみ。それにしても、今日は眠くて眠くてたまらない。かくなる上は”黄色のシュワシュワ”に頼るしかない。隙をみて最寄りの自販機でリアルゴールドを買うとまさかの『キングダム』コラボで蒙恬が「もっと気楽にいこうよ 先は長いんだ」とか言う。占いによると私は蒙恬と同じ星?のものなのだが、そうとは思えない羨ましい性格のご様子である(4/26のニュースレター参照)。夜、茄子と鶏肉ともやしの麻辣炒め。豆腐とわかめとえのきの味噌汁、ごはんに今日Rさんからもらった富山の黒とろろ昆布をかける。いつの間にか左足をくじいている。

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EVENT & EXHIBITION INFORMATION

~~~~~ ただいま開催中!~~~~~

【EXHIBITION】5/18(土)~ 6/2(日) / ON READING GALLERY
Takahiro Murahashi Exhibition 『GRAND DOROTHY SCULPTURE』
ついに今週末まで。コラージュ、ブリコラージュの技法を行き来して作品発表を行なうアーティスト村橋貴博 (guse ars)による「DOROTHY」シリーズの展覧会を開催中。4年ほど集中して今シリーズを制作されてきましたが、今回で一区切りとのこと。是非お見逃しなく。
オンラインショップでも展示作品の一部を販売しております!
https://artlabo.ocnk.net/product-group/149

【EXHIBITION】5/1(水)~6/2(日) / ON READINGフェアスペース
松岡宏大『ひとりみんぱく』出版記念展
こちらも今週末まで。フェア台、書店内ギャラリー両方を使って展示しています。僅少になっていた『ひとりみんぱく』も再入荷いたしました!松岡さんの貴重なコレクションをコメント付きでご覧いただけます。
https://onreading.jp/exhibition/hitoriminpaku/


~~~~~ COMING SOON ! ~~~~~

【EXHIBITION】6/6日(木)~6/23(日) /  書店内ギャラリー 
『坂巻弓華 寓話集』原画展 光の詩人のおはなし
盛岡の書店、BOOKNERDよりリリースされた『坂巻弓華寓話集』の原画展を開催します。少し不思議でちょっと寂しくて、とびきりやさしいお話です。書籍のほか、会場限定のトートバッグやポストカードも販売いたします。どうぞお楽しみに。
https://onreading.jp/exhibition/sakamakiyumika/


【EXHIBITION】6/15日(土)~6/23(日) / ON READING GALLERY
mornquilt exhibition 『あたらしいキルト』
どこか感じる懐かしさの中に新しさが加わったパッチワークキルトを制作するmornquilt。大好評だった前回の展示に続き、2回目の開催となります。独特な色や柄の組み合わせと、ひと針ひと針仕上げたハンドステッチがポイントです。たまらないかわいさですよ~!
https://onreading.jp/exhibition/mornquilt-2/

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♪ Now Listening

『SONGS OF 』Nathaniel Russell

インディアナ州を拠点とするヴィジュアルアーティストでミュージシャンのNathaniel Russellのニューアルバム。自身の葬儀の際は、記念のTシャツやポスターを買うことができる物販テーブルを置きたいというアイデアを彼は持っていて、本作はそこで販売されるのを想定して作ったという。何年もの間、友人や家族、そして自分自身に向けて作って歌ってきた楽曲を思い浮かべながら作曲した、慈愛にみちたフォークソング。彼のアニメーションで彩られたMVも素敵。(義)

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今日のところはこのあたりで。それではまた来週お会いしましょう~。

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