NEWSLETTER FROM ON READING 2025.01.10

名古屋のbookshop & gallery ON READINGから、週に一度のニュースレターをお届けします。
ON READING 2025.01.10
誰でも

こんにちは、ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。朝、目を覚ますと窓の外には雪がうっすらと積もった白い景色が広がっていました。名古屋では2年振りの積雪。このくらいの雪なら浮かれていられるのですが、大雪の地域はさぞ大変でしょうね。どうかお気を付けください。

しかし、寒い!(義)

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EVENT INFORMATION

 『KISSA BY KISSA 路上と喫茶ー僕が日本を歩いて旅する理由』刊行記念
クレイグ・モド(作家・写真家) ×今井栄一(翻訳者・エディター)トークイベント
『日本の街道を、喫茶店を旅すること』

日程:1月22日(水)
開場 18:30 開演 19:00~
参加費:2,500円(500円分お買い物券付)
定員:30名(要予約)
予約:https://onreading.jp/event/kissa/

喫茶店好き、旅好きの方、ぜひご参加ください~~!

『KISSA BY KISSA 路上と喫茶ー僕が日本を歩いて旅する理由』(BOOKNERD)の刊行を記念して、著者のクレイグ・モドさんと翻訳者の今井栄一さんを迎えてトークイベントを開催します。アメリカ人の彼が見た日本、喫茶店文化とは。そして徒歩で歩くことの意味とは。本書には、蘭、喫茶クロカワ、かこ、キャラバン、ボンボンなど、地元民にはお馴染みの喫茶店も登場。来訪者に「書かれる」ことで違った一面を見せてくれています。

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入荷情報 PICK UP

中国手仕事紀行 増補版 / 奥村忍、在本彌生
日本や世界の各地から集めた手しごとを中心とした生活雑貨のお店『みんげい おくむら』店主、奥村忍が、毎年幾度となく渡航し見聞きした中国の手仕事を紹介した1冊。少数民族たちの“生きた”民具を求めて、中国の奥地を彷徨い歩いた10年間の記録。新型コロナパンデミック後の雲南・貴州の旅を新たな章として加筆した増補版。
もうすぐフェアも開催します~!

れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ / 清田隆之
恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表として恋愛と性差の問題を発信してきた著者による、最新ジェンダー・エッセイ集。ジェンダーの先にある人間の生き方、幸福を探求する。フェミニズムから受け取った重たい宿題。これからの〈俺たち〉へ。  

アンチレイシストであるためには / イブラム・X・ケンディ
“2020年最も影響力のある100人"に選ばれた世界が注目する歴史学者、イブラム・X・ケンディによる世界に蔓延るレイシズム(人種主義)を解き明かすためのガイドブック。

【ご予約受付中!】信藤三雄・プレゼンツ・ザ・スクーターズ・コンプリート・ボックス 〜東京ディスコナイト〜
アートディレクター・信藤三雄が生涯に渡り情熱を注いだバンド、ザ・スクーターズのコンプリート・ボックス。テリー・ジョンスンこと湯村輝彦が手掛けた特製ボックスには、CD5枚+DVD1枚、スペシャルTシャツ、ブックレットなどのコレクターズアイテムがびっしり。

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RECOMMEND BOOK !

珈琲にわたしが映る希求なきさみしさは雪の朝のきらめき
(石畑由紀子)

白ければ雪、透明なら雨と呼ぶ わからなければそれは涙だ
(鈴木晴香)

アラビアに雪降らぬゆえただ一語ثلج(サルジュ)と呼ばれる雪も氷も
(千種創一)
『雪のうた』(左右社)より

『海のうた』『月のうた』に続く、左右社の短歌アンソロジーシリーズ第三弾。

今回のテーマは「雪」。この時代の歌人100人によって詠まれた一首一首に、それぞれの雪がきらめきます。

しんしんと雪の降る、静かな夜の街。
朝起きて、一面に積もる雪の眩さ。
睫毛に積もって、一瞬白くなる視界。
溶けて水に変わっていくまで、見つめる時間。

雪の降る日はどこか時間が止まったようで、ひとりぼっちになったみたいにさみしくて、それでいてきらきら光ってまぶしい。

もとは水が凍っただけなのに、どうしてこんなにわたしたちの心を動かすのでしょうか。

寒さの果てにおとずれる、あたらしい雪、まばらな雪、あかるい雪、はげしい雪、しずかな雪、ふりつづく雪、溶けていく雪……100人の歌人がうたった、「わたしだけ」の雪のうたです。

『海のうた』『月のうた』に続き、装丁は脇田あすかさん。新雪の積もったような手触りにも心躍ります。冬のプレゼントにもぜひ。

【収録歌人一覧】
青松輝/我妻俊樹/秋月祐一/左沢森/天野慶/阿波野巧也/飯田彩乃/飯田有子/石井僚一/石畑由紀子/伊藤紺/乾遥香/井上法子/上坂あゆ美/魚村晋太郎/牛隆佑/内山晶太/江戸雪/大辻隆弘/大森静佳/岡崎裕美子/岡野大嗣/岡本真帆/荻原裕幸/笠木拓/上篠翔/川野芽生/北辻一展/北山あさひ/絹川柊佳/木下こう/木下龍也/紀野恵/くどうれいん/栗木京子/黒瀬珂瀾/郡司和斗/小池光/神野優菜/小島なお/小林朗人/佐伯紺/榊原紘/佐クマサトシ/笹井宏之/笹川諒/佐原キオ/柴田葵/島楓果/鈴木加成太/鈴木ちはね/鈴木晴香/瀬戸夏子/竹内亮/竹中優子/立花開/田中槐/谷川電話/谷川由里子/田丸まひる/田宮智美/田村穂隆/俵万智/千種創一/千葉聡/辻聡之/土井礼一郎/堂園昌彦/戸田響子/鳥さんの瞼/toron*/永井祐/永井亘/中村森/錦見映理子/西村曜/早坂類/橋爪志保/はだし/初谷むい/服部真里子/東直子/平岡直子/藤本玲未/法橋ひらく/穂村弘/正岡豊/枡野浩一/丸山るい/光森裕樹/安田茜/藪内亮輔/山川藍/山田航/山中千瀬/雪舟えま/吉岡太朗/吉田隼人/吉田恭大/渡邊新月
(あいうえお順・敬称略、全100名)

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枝葉末節な日々

今週の担当:(杏)

1/3(金) 朝、トースト、ハムエッグ。今日から仕事始め。尾道の本屋、紙片さんや、東京のお菓子屋、チリムーロさんなど、お久しぶりの方々にも会えて嬉しい。紙片さんは、自分のペースを大切にお仕事をされているなという印象で、常にわちゃわちゃと生きている私は羨ましい。「SNSで本を紹介したりも、もっとやったらいいと思いつつも、それによって偶然の出会いの機会を奪ってしまわないかとも思う」という話が出て、これは非常にわかる。逆にうちはSNSでも本を紹介しまくっているけれど、「選ぶ」のはあくまでも自分であってほしいと思っている。本の森で迷うこと、今の自分の感覚で選ぶこと、それが一番のたのしみだと思うから。けれど一方で、出会いの偶然性はどこまでいってもアンコントロールなものだから、こちらがいくらボールを投げたところで受け手のタイミングでしか届かないということも知っている。だから結局のところ、好きなようにやればいいのだ。夜、多治見の水野さんと、Aちゃんもご来店。かねてから私には、うまく伝わらないけどどうしても話したくなっちゃう(結果、ぽかんとされる)エピソードがあり、今日も今日とて話したくなって話してみた。すると、あ、伝わったかも、という感触があった。しかし気をつけなければいけないのは、水野さんは聞き上手だということだ。そこでもうひとつ、Aちゃんと私のあいだの大事なエピソードも披露してみたが、そちらはうまくいかなかった。曰く、「体験していない他のひとも追体験できるように、順を追って、情報を整理して話す」こと。結論(オチ)を最初に言ったり、必要のない情報が多すぎたり、感情のみだと伝わらない。これはトークイベントの聞き手を務める際の極意でもある。わかっちゃいるが、私には、これができないんだよな。夜、昨日つくっておいた手羽元と大根の煮物。味が染み染みで美味しくできた。しなびたじゃがいもを使ってなにかもう一品、と思い、じゃがいもチップスの「ほりにし」味。作り始めて「なんでつくりはじめたんだろう」と思う油の量…。しかしうまい。白菜と里芋の味噌汁。

1/4(土) 朝、チリムーロさんからいただいた小豆クリームチーズクランブルマフィン。すこし温めて食べたらこれがとっても美味しい!チリムーロさんのお菓子、どっしりしていて本当に大好き。男ブラ仲間のMさんがご来店。流れで、昨日の「出会い」についての話に。出会いというのはとても個人的なものなので、コントロールもできないし、他者と共有ができない。けれど、自分にとってはとてもとても大切な体験だったりする。他者とそのまま共有することができないことを、できないことはわかった上で自分自身が大切にする、ということがもっとできたらいいなと思う。書くことや話すことの根っこには、この感覚があるんじゃないだろうか。

1/5(日) 朝、ごはん、味噌汁、ハムエッグ。今日はよっさんがお休み。明日からお仕事の方が多いので、もうさすがに暇かな~とおもっていたけど、なんだかんだでそれなりに忙しい一日だった。閉店後、よっさんも来てゆいちゃんと今月開催するイベントのうちあわせ。うちで働いてくれているゆいちゃんは、和菓子作家。かねてからやりたかった、本(あるいは言葉)と和菓子のコラボレーションをついに今月から始動させる。初回は、宮沢賢治の「永訣の朝」。乞うご期待。夜は、よっさんが家で作ってくれていた手羽元と茄子のカレー。

1/6(月) 朝、昨日のカレーに、さらにアーモンドミルクを足す。よっさんが大好きで買いだめしているこのカレーペーストはめちゃくちゃ辛くて、ノーマルで食べるとなんなら苦味すら感じるほど。マイルドにするために、牛乳やチーズ、マヨネーズも試したけど一番良かったのがアーモンドミルク。残りご飯が一膳分しかなかったので、私はトーストを食べる。菅祐子展最終日。連休明け&雨の一日だったのでのんびりではあったけど、最後の最後まで、問い合わせがあったり駆け込みがあったりした。閉店後、ガストで夕ご飯にして、搬出。ひとつひとつ、くるまれている姿もまた一興で、楽しく深夜まで作業する。

1/7(火) 午前、キネマノイでドキュメンタリー映画「どうすればよかったのか?」を観る。キネマノイは、今池シネマテークが閉館した後、元スタッフが同じ場所で再出発した映画館。火曜日を定休日にされているため私たちの休みとかぶってしまい、なんとこれが初ノイ。話題作ということもあって、満席だった。20年という歳月は長いけれど、今日という1日をやりすごしていると、あっというまに経ってしまう。「家族」という密室、人生というものの重さに、打ちひしがれる想いがして感情がぐしゃぐしゃになる。今日は、思い立って大阪へ。Lemon Twigsのライブを観に行く。明日は名古屋にweezerが来るのだが、”今日/大阪/Lemon Twigs”と、”明日/名古屋/weezer”でどっちか行きたいけどどうしよう…と迷っているうちに、一昨日くらいにチェックしたらweezerが完売していた。ので、”今日/大阪/Lemon Twigs”に行くことになった。私としては、ついでに梅田ロフトで開催中の男性ブランコのPOPUPイベントにも行けるので、願ったりかなったり。ライブも男ブラも梅田なので、レコード店や古書店をぶらつき、以前から行ってみたかった喫茶店、マヅラへ。1970年創業の純喫茶で、レトロフューチャー全開の店内は広々としていて活気がある。私はドライカレーとアイスコーヒー、よっさんはハンバーグサンドとホットコーヒー。
梅田クラブクアトロでLemon Twigsの開演を待つあいだ、後ろの有識者たちが、ダダリオ兄弟の父もミュージシャンだったとか、90年代のバンドはみな、大なり小なりニルヴァーナの影響があるけど今の世代にはそれがない、70年代のバンドをストレートに受け止めて現代の解釈で新しい音楽をやっている、と話していたのをふむふむ聞く。Lemon Twingsはもちろん最高。アンコール(5曲もあった!)は美しすぎるアコギの弾き語りで始まった。昼に観た「どうすればよかったのか?」には音楽がなく、映画が終わっても問いは終わらず、新幹線でも喫茶店でも、ずっと反芻して、パンフ読んで、考え、話し続けていた。そんな今日という1日を鎮めるエンディングソングのようだった。

1/8(水) 朝、私はお雑煮。よっさんはシンプルな焼餅がお好みとのことで、焼餅+白菜のすまし汁。あちこちから集まったお餅が若干混雑してきたので、盛んに食べていかねば。昼過ぎ、搬出を終えた菅さんが、「このへんでお惣菜買えるとこない?」と言うので、昨日、自由が丘にオープンしたばかりのお弁当屋さん「KAMU」を紹介する。「私も早く食べたいな~」と言っていたら、なんと買ってきてくれることに。菅さんの家族3人分と我々分で5人分。DMしてみると、なんとちょうど5人前で完売だそう。なんたるラッキー。よっさんは今夜、weezerに行くのでちょうどよかった。昨日の帰りの新幹線でもしかして当日券も…と調べてみたらチケットが復活していたのでよっさんだけ行くことになった。それに伴い、私もひとりごはんになったのでお弁当はさらにちょうどいい。夜、「KAMU」のお弁当、味噌汁。私は「定番」の焼き鳥弁当。炭火の香ばしさが香る焼き鳥はもちろん、副菜がどれも美味しすぎる。なかでも干しエリンギの味が濃厚で、ひと噛みごとに美味しさが広がる。

1/9(木) 朝、マーガリン入りレーズンロールパン、コーンスープ、ハムエッグ。突然「ぎゃー」と洗面台から叫び声がして、なんだなんだと見に行くと、よっさんの右側のもみあげがなくなっていた。バリカンの設定を間違えてしまったのだそう。当人は大ショックで「しばらく家から出たくない…」などと言っていたが、正直、全く気にならない。それにしても寒い。エアコンも新調したし、今年の冬は余裕だなと思っていたが甘かった。もこもこに着こんでもなお、指がかじかんでいる。ギャラリーは明日からスタートの『Knitting’n Stitching Arvhives.』展の搬入。あすかちゃんが、作り手の皆さんからお借りしてきた作品を壁に設置していく。ひとつひとつ見ていくと、作っているあいだの”時間”が感じられて、胸がぎゅうっとなる。販売するセーターやベストもたまらないし、レース編みにはため息がでる。夜、あすかちゃんからもらった叉焼、お取り寄せの浜松の餃子、白菜炒め、味噌汁。

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EXHIBITION INFORMATION

~~~~~ 開催中! ~~~~~

【EXHIBITION】2025年1月10日(金)~ 1月19日(日)at ON READING GALLERY
『Knitting ’n Stitching Archives. 』Asuka Miyata Book Launch Exhibition

Knitting ’n Stitching Archives.』(ELVIS PRESS刊)の出版を記念して展覧会を開催します。

本展では、7名の作り手がこれまでに作ってきた品々を展示するほか、「港まち手芸部」のメンバーがつくったものなども販売します。ぜひご来場ください。
明日はイベントのため、ギャラリーは17時半に一旦閉めます。

~~~~~ COMING SOON! ~~~~~

【EXHIBITION】2025年1月18日(土)~2月9日(日) at ON READING店内
qp『喫茶店の水』刊行記念写真展

「⽔」から⾒える、喫茶店の世界――画家として活動するかたわら、これまで400店以上の“喫茶店の水”を撮影してきたqpさん。そのなかから85枚の写真を厳選した、類のないフォトエッセイ『喫茶店の水』が誕生しました。透明感あふれるコップに入った水と、水を通して見るどこか懐かしい喫茶店の光景。誰もが知る有名な純喫茶や、新世代の喫茶店、ふらりと立ち寄った旅先の喫茶店まで、さまざまな喫茶店の水の写真を掲載。すでに閉店している喫茶店もあり、撮影当時の時間に引き込まれることでしょう。

本書の刊行を記念した写真展を開催いたします。ぜひご来場ください。

~~~~~

【EXHIBITION】2025年1月16日(木)~2月9日(日) at ON READING店内フェアスペース
『中国手仕事紀行 増補版』刊行記念フェア

日本や世界の各地から集めた手しごとを中心とした生活雑貨のお店「みんげい おくむら」店主・奥村忍さんが、少数民族たちの“生きた”民具を求めて、中国の奥地を彷徨い歩いた10年間の記録『中国手仕事紀行』(青幻舎・2020年刊)。この度、新型コロナパンデミック後の雲南・貴州の旅を新たな章として加筆した増補版の刊行を記念してフェアを開催します。

本書はもちろん、中国で買い付けられてきた、布ものを中心とした手仕事による品々を展示販売いたします。これは楽しみ!!

~~~~~

【EXHIBITION】2025年1月25日(土)~ 2月9日(日)at ON READING GALLERY
Mari Sasaki Exhibition 『MODERN』

当店では3回目となる、版画家・佐々木まりの個展を開催します。
作為と無作為、抽象と具象の間にある蠢きを、「彫る」という身体的行為を通じて直感的に探った有機的な線や形。様々な想像を膨らませてくれる作品をぜひご覧下さい。

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♪ Now Listening

Don't Die On Me / Think About You

オーストラリア、メルボルンのインディー・ガレージ・バンド、Think About Youのファーストアルバム。BIG LOVE RECORDSのレコメンドで知ったのだけど、時すでに遅しでレコードは買えなかった。。。が、これはめちゃくちゃよい! 昔、大好きだったベルギーのバンド、THE TELLERSに通じる軽快なヘロヘロガレージパンク。ストロークスとか好きな人も気に入るはず。(義)

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今日のところはこのあたりで。また来週!

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