NEWSLETTER FROM ON READING 2026.02.06

名古屋のbookshop & gallery ON READINGから、週に一度のニュースレターをお届けします。
ON READING 2026.02.06
誰でも

こんにちは、ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。ちょっとあったかくなったと思ったらまた寒波ですね。うっかり、ちょっぴり風邪を引いてしまいましたがなんとか持ちこたえております。こんな大寒波の時に選挙かよ! 暗澹たる気持ちになってしまいますが、それでも何とか楽しく生きていきたい。しっかりゆっくりじっくり考えて投票に臨みましょう。(義)

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EVENT

尹雄大『「要するに」って言わないで』刊行記念トーク
“ぜんぶ聞くこと、ぜんぶ語ること”

日程:2026年3月8日(日)
時間: 開場 13:30 開演 14:00~
参加費:1,500円(500円分のお買物券付)
予約:https://onreading.jp/event/yosuruni/

インタビューやルポルタージュを主に手掛ける執筆業の傍ら、インタビューセッションと「聞くこと話すこと」についての講座も開催している尹雄大さんが綴った、心の重さを捨てて身軽になるための本『「要するに」って言わないで』。発売から当店でもずっと手に取っていただけています!このたび、著者の尹さんをお招きしてお話会を開催します。

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入荷情報 PICK UP

とある都市生活者のいちにち / 植本一子
自身の経験を真摯に綴る写真家・文筆家、植本一子の久々の日記集。『それはただの偶然』『ここは安心安全な場所』の二冊の制作期間と並走する日常の揺れや思考、都市で生きる不安、娘たちとの距離、「書くこと」への迷いと確信を描く。普通とはいったい何なのか。

どうすればよかったか? / 藤野知明
映画『どうすればよかったか?』では語りきれなかった衝撃的な事実と、悲しみや葛藤、希望を率直に綴る。家族とは、人生とは何かを静かに問いかけるノンフィクション。

しるもの読物 / 木村衣有子
食にまつわる文章の名手・木村衣有子がさまざまな「しるもの」をテーマに、エッセイと小説を交えた新しいスタイルで描きだした意欲作。味噌汁、シチュー、冷や汁、コーンスープ、コーヒー、紅茶、めんつゆ……四季折々の「しるもの」がある28の風景。 

平和と愚かさ / 東浩紀
思想家・東浩紀が、ウクライナ、中国、ユーゴスラヴィア、ベトナム、そしてアメリカを旅して戦争の記憶をめぐり、平和について考えた哲学紀行文集。戦争と平和をめぐる既成の語りを根底から問い直した、「考えないこと」からの平和論。 

BIG THINGS FOR US. 生まれ変わった大いなる母と / 三浦麻衣
 “胃がんサバイバー”の母が、もう着ることのできなくなった大切な服を、顔の見える相手と語らいながら託した時間。本書は、5日間だけ開かれた大きいサイズの洋服屋さん「BIG THINGS FOR US.」を舞台に、人と人が服と言葉を手渡し合った記録です。

わたしの中国茶 / 辻和美
ガラス作家、辻和美による「中国茶の入門書」。本書では、硝子と茶、旅と茶、人と茶、道具や語らいとしての茶など、中国茶をめぐって紡がれるさまざまな物語を収録。お茶の故郷・雲南の茶畑を訪ね、茶人や道具作家を取材しながら、中国茶と生活工芸の静かな交わりを丁寧に描き出した一冊です。  

本をすすめる: 書評を書くための技術 / 近藤康太郎
朝日新聞記者で名文家の・近藤康太郎が、本の選び方、読み方・書き方まで対話形式でくわしく解説。本好きのブックレビュー初心者からプロの書評までに対応した“書評のすすめ”。

カフェゴトーの記録 / 瀬谷薫子、後藤進、川島小鳥
素朴なケーキはなぜ、人々の心を惹きつけるのか。東京で30年以上続く「喫茶店」とは、人々にとってどんな場所なのか。早稲田の喫茶店「カフェゴトー」を愛する各界の著名人、早稲田大学の教授と学生、現役スタッフ、そして70代の店主 後藤進さん。さまざまな人物に話を聴き、「喫茶店」というものの存在を浮かび上がらせたインタビュー集。

現代の道具のブツリ / 田中幸、結城千代子、大塚文香
物理を専門とする教師ふたりが道具とブツリの面白い関係について綴り、大塚文香がイラストレーションを手がけた、私たちの生活をとりまく便利な道具と目に見えない力を紐解く、「愉快」で型破りで親しみやすい、物理学の副読本。

ゆきどけ産声翻訳機 Best selection 100 現代川柳アンソロジー / 暮田真名(編著)
Z世代の川柳人・暮田真名が、いま読むべき100の現代川柳を紹介するアンソロジー。切れ味鋭い選句と鑑賞文で「現代川柳」のおもしろがり方がわかる、入門書となる一冊。川柳の歴史や属性川柳と現代川柳の違いなどの基礎知識や、さらに川柳を知りたくなった人のための案内コラムも収録。

えんちゃんち / 最後の手段
EVISBEATSや矢野顕子&YUKIのMVなどで知られる、有坂亜由夢、おいたまい、コハタレンの3人からなる、人々の太古の記憶を呼び覚ますためのビデオチーム『最後の手段』によるコミック作品。執筆に10年を費やし、昨年自費出版時には瞬く間に完売した著者初の漫画作品に、大幅な加筆を施し初の商業出版化!!  

MAZURKA440 / 柳本史、外間隆史
版画家の柳本史と、音楽家で編集者でもある外間隆史による画文集。ショパンのピアノ曲『マズルカ』を基調とした物語には一組の男女と、猫/牛/鹿/タクシー・ドライバーなどが登場。国分寺からアラスカへ跳ぶ、ドーナツと蒸発のせつなくもロマンチックなストーリー。  6月頃に展示を予定しております!

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RECOMMEND BOOK !

「よくわからない」のは、あくまで頭であって、単に言語化できないことを「わからない」のフォルダによく考えることなく無造作に放り込んでいるだけです。頭はわからなくても、身体はちゃんとわかっています。だから「よくわからない」が行き止まりではないのです。(中略)今の自分という等身大をまず感じること。それがケアの始まりなんだと思います。
尹雄大『「要するに」って言わないで』(亜紀書房)より

インタビューやルポルタージュを主に手掛ける執筆業の傍ら、インタビューセッションと「聞くこと話すこと」についての講座も開催している尹雄大が綴った、心の重さを捨てて身軽になるための本。自分の話を、正しいとか間違ってるとかジャッジせずに、ぜんぶ聞くこと。そして、勇気を出してぜんぶ語ること。

自分自身の感情やこだわりを「他者」ととらえるというのは、つまり、敬意を持って接する、ということなんだと思う。優しい気持ちを持たなくても親切にすることはできる。

尹さんから「いま、セルフケアの本を書いています」と聞いたのはもう1年以上前のこと。なるほどやっぱり一筋縄ではいかない。語りかけるような平易なことばで書かれているのですらすら読めるけど、自分のなかの苦手な”あのこ”に話しかけながら読み進めていくのは、決して楽なことではなかった。読みおえて今、そっか、楽になっていいんだな、と思った。自分をケアすることができるのは、きっと自分だけだから。

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本書の刊行イベントを3月8日(日)に開催させていただくことになりました!こちらもお楽しみに~!

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枝葉末節な日々

今週の担当:(杏)

1/31(土) 製本ワークショップ1日目。都筑さんが買ってきてくれたチーロバの「シンたまごサンド」、ハムサンドで腹ごしらえ。たまごサンドがすごい…。「発酵バターを織り込んだチーロバ謹製の塩パンにたまごマヨをサンドし、ふわふわオムレツをオン!たまごの旨みを塩パンの塩味が引き出してくれるサンドイッチに仕上げております。」(Instagramより)うまく説明できる気がしなくて引用してしまったが、とにかく食べたことがないたまごサンドで、ワークショップがはじまる前から大はしゃぎ。造本家の都筑晶絵さんと出会ったのはもう、前の店をやっていた頃なので、15年以上前のこと。当時、活版のイベントで都筑さんがこしらえた手帖をみたのを覚えている。「手製本」と聞いてイメージする、上製本や豆本、和綴じなどとはまた違う、軽やかさと遊びごころあるデザインに「素敵な人がいる!」と夢中になった。その後、ご本人とも知りあえて、東山公園にON READINGを移転オープンした際には、都筑さんがデザイナーの山元伸子さんとやっているananas pressの展示もやらせていただいた。都筑さんが名古屋でワークショップをされていた頃に何度か参加させてもらったがそれも早や10年以上前のこと。今回、ひょんな話の流れからON READINGで開催させてもらうことができて本当に嬉しい。実は数年前から、そろそろうちでやってもらえないかな~と考えていたのだ。今日は、初めての人に本当におすすめのプログラム「一枚の紙でできること」。紙を折る、ということをきちんと教わることはあまりないと思うけれど、紙は折るだけでも果てしない表現の可能性を持っている。都筑さんが教えてくれたのは、一枚の紙を折りたたんでできる包み、開きながら形が変化するカードや飛び出す地図の折り方、長い一枚の紙を折りたたんで作るCDケースなど。まるで魔法のようで、ワクワクがとまらない。ゆいちゃんとよっさんと、交代しながら受講する。「本は、テキストや絵など、中身があってからそれを綴じる方法を考えるものですが、こういう紙での表現を知っておくと、製本方法から発想して本をつくることもできますよ」と都筑さん。本ってすごい。

2/1(日) 朝、SUNのパン。製本ワークショップ二日目。今日は糸綴じでグラシン紙のファイルを作る。今日は途中交代が難しいプログラムなのでひとりしか参加できない。結果、私はやったことがあるから、とよっさんが参加することになった。悔しい。10年前くらいに参加した時につくったファイルは、今でも切手入れとしてレジの傍らに常備して活躍している。けれど、使い方が粗すぎなので、紐もちぎれ、椅子でひかれ、表紙もボロボロ。都筑さんはいつも「一回教えたからもうできるでしょ~」と冗談めかして笑うけど、なかなか自分で一からあれこれ紙や道具を揃えるのも難しいし、10年も立てばすっかり忘れてしまっている。よっさんがにこにこしてできあがったファイルを見せてきた。私のやつの方が可愛い。二日連続で参加してくださった方が、ほくほくした様子で「楽しかったです…!」と伝えてくれた。そうなんですよね。楽しいんですよね…。手を動かした先になにかが生まれること。これは人が生きていく上での大きな喜びのひとつなのではないかと思う。今ちょうど書いているテキストでも、港まち手芸部の作り手が話してくれた「手はずっと動いている」という言葉について書いている。AIがなんでもできるようになっていって、リアルよりもヴァーチャルが当たり前になって、人間にはもう、これしか残らないんじゃないか、と思うくらい。閉店後、都筑さんと打ち上げで泉にあるピザ屋「BBBond」へ。バゲット・ラビットの創業者の方がはじめられたピザ屋。ピザは3種類のみ。潔くていいよね、と話す。たくさんの種類から選ぶのも楽しいけれど「これを食べてください!」と差し出されるのもまた、気持ちがいいもの。(なるほど、店でおすすめありますか?って聞かれるのも、そういう感覚か…)とか思ったりする。生地がとにかく美味しくて、言われていた通り、一人一枚ぺろりと食べてしまう。都筑さんのワークショップはこれからも開催していただけるので、ここからいろんなプログラムを体験できるのが楽しみ。

2/2(月) 最近、ありがたいことに売上がよい。ギャラリーでの展示がない時期でもこうしてご来店いただけるとほっとする。帰りみち、明日はお休みなので、投票も行きたいし、掃除もしなくちゃ、と話していると「実はさ、喉が痛いんだよね」と打ち明けられた。やばい。絶対ブレイキング・バットのせい。このところ、夜な夜な何話も見ているようで、私がたまに見るとめちゃくちゃ話が飛んでいる。「あれ、絶体絶命どうなった?」「あれ、なんで憎しみ合ってるの?」「あれ、もうバレてる?」と観るたびにびっくりする。あと、観るたびに主人公がマッチョになっていっている。夜、浜松餃子、もやし炒め、たまごスープ。とりいそぎたまごスープにこれでもか、と生姜をいれておく。今日はさっさと就寝していただく。

2/3(火) リビングが寒くてうまく眠れなかった。起きて、寝室をのぞく。どう?ときくと、ダメ。とのことで療養デイとなる。昼、梅干しうどん、残りごはんでごまおにぎり。茅乃舎のあごだしが染みる~と思ったのだけど、よっさんには薄味だったご様子。私はリビングで、あれこれ家事をしたり文章仕事をしたり。テレビつけてると『科捜研の女』~『相棒』の再放送が垂れ流されてしまうが、つい見ちゃう。夜、鶏肉とキャベツとキノコのみぞれ煮。こちらも私はおいしくできたなと思ったけど、よっさんは物足りないらしい。風邪だ病気だと聞くと、つい消化にいいもの、薄味のものを食べたくなる(から食べさせたくなる)けど、よっさんの持論ではそれは反対らしい。「食欲のないときに食欲の出ないもの食べてどうするんだ」という。どっかのお医者さんが言ってたんだそう。そういえば昔、景子さんが展示搬入日に体調を崩してホテルに差し入れを持って行った時があった。私は、蒸しパンとかレトルトのおかゆとか梅おにぎりがいいんじゃないかと主張したが、よっさんは「こういう時は味が濃いもののほうがいい」とツナマヨとか照り焼きチキンとかなんかそういうのを持って行きたがった。結局どっちも譲らず、どっちの気分でもいけるようにと、すごい量の差し入れになった。

2/4(水) 朝、SUNでパン。よっさんの風邪は咳に移行した模様。春頃からおえかき教室(仮)をやろうと話していて、その講師?部長?的な役割をしてくれるあまねさんと打ち合わせ。あまねさん自身、さまざまな技法を使って作品を作っているアーティストなのだが、今秋にはTEMPORAのスタッフをしてくれていた。対象物を「よく見て、かく」ということは、絵と文章に共通したことで、やろうと思わないとなかなかできないことでもある。あまねさんは日記を書く時、言葉を絵と両方でかくそうだが、「かけない」と感じることもしばしばあり、そういうとき「あ~よく見れてなかったな」と思うのだという。かくということは「よく見る」ことから始まるのだろうと思う。絵がうまくなるのを目指すのではなく、絵をかくことを通して世界を「よく見る」レッスンができたら。夜、中区のエッセイPJの作業で残業で深夜になったのでコンビニ夕ご飯。私はセブンのたこやき、よっさんはペヤング、蒸し鶏のサラダをシェア。「もう最後だから…」とブレイキング・バッドを見始める。最終回ぽい始まりだったが終わったところで「あと2エピソード」とテロップが出る。まだあと2話あるやん。「もう終わってくれんと他にも見たいのあるのに~」とよっさん。それが海外ドラマってやつだよね…。

2/5(木) 朝、トースト、nakabanさんのはちみつ、ウィンナーとキャベツとしめじ炒め。「ねえもう決めた?」「迷ってきたな」と、起きてすぐに選挙の話。なんとなく気がめいっているのを感じる。明け方、ある日テレビで、日本が戦争をはじめたというニュースを知る、という夢(なのか妄想なのか)を見てしまった。実際、きっと国民はそんな感じで知ることになるんだろう。自民党はもうめちゃくちゃ戦争の準備をすすめている。どうにか暴走を止めてくれる党の議席を増やしたい。尹さん、かすがいの山川さん、古橋さんがやっているpodcast『そしておしゃべりは続く』ゲスト参加させてもらった後半が配信。記憶に残るということはある種の過剰さがあるということ、満足したことは記憶に残らない、言わんとしていることと言っていることのズレ…などなど。その場ではわからなかったことも、聞き直してそういうことか~、となる。しょうもない夫婦喧嘩話に対する尹さんの切り返し、すごかった。夜、キャベツと豚肉の白湯鍋。ようやくブレイキング・バッドも最終回。と思ったら、続編のスピンオフを見始めて、つきあいきれんと先に就寝。

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EXHIBITION INFORMATION

2026年2月14日(土)~ 3月1日(日) ON READING GALLERY
植本一子 写真展 『ここは安心安全な場所』

写真家・植本一子による写真展を開催します。

本展では、昨年刊行されたエッセイ&写真集『ここは安心安全な場所』に収録された馬と風景写真に加え、植本が遠野に通う日々のなかで撮影した写真を展示します。

初日はイベントのため、18時までの営業です。ご注意ください。

2026年3月12日(木)~ 3月23日(月) ON READING GALLERY
EPIC HOUSE EXHIBITION

イラストレーションとそれを彩る額装、それぞれのアイディアを掛け合わせてユニークな作品を生み出す、イラストレーターの佐藤梓(LIGHT HOUSE)と、額装家の沖津真美(ÉPICE)によるユニット『EPIC HOUSE』の展覧会を開催します。

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♪ Now Listening

It could be worse / Samm Henshaw


UKのソウルシンガー、Samm Henshawのニューアルバム。毎度すこぶるよい。“It could be worse”ってつぶやいてないとやっていけない世の中だ。ゴスペルって本当に救いになるのだよな。

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今週はこのあたりで。

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