NEWSLETTER FROM ON READING 2024.07.05

週に一度のニュースレターをお届けします。
ON READING 2024.07.05
誰でも

こんにちは。ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。
ここ数日、真夏日連発の名古屋です。今年も、vent de moe(ヴァン・ドゥ・モエ)の扇子を取り出してきました。私の扇子は、扇面に直接、刺繍がほどこされ、小さなお花の形に切り抜かれた布があしらわれているもの。”shy"という名前がついています。刺繍もコラージュもさりげなくて、扇子をひらくたびに、ほろっとするのです。扇子で作られる風は、扇風機やクーラーのそれとは違ってとてもまろやかなので、好きですね。そういえば先日、高校生と小型扇風機の話をしていて、「学校でみんなこういうの持ってるの?」と聞いたら「そうだよ、でも下敷き派も一定数いる!」と言われて和みました。vent de moeの展覧会、ON READINGでは来年の今頃また開催しますので、どうぞお楽しみに!(杏)

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EVENT INFORMATION

8月17日に岐阜県の各務ヶ原にてスペシャルなイベントを企画させていただきました。ぜひご参加ください!ご予約受付中です~!

こと、ばと、ことば。<詩と短歌 ことばが立ち上がるとき>
ゲスト:大崎 清夏(詩人)、岡本 真帆(歌人)
会場:TOUAMACHI KAIKAN 2F ホール(各務原市各務字那加東亜町106)
ご予約・詳細:https://kakamigahara-mirai.or.jp/event/10852/

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入荷情報 PICK UP

誕生日の日記 / 阿久津隆、いがらしみきお、イリナ・グリゴレ、植本一子、大崎清夏 ほか
東京・下北沢にある日記の専門店、「日記屋 月日」から本が生まれました。いつか誰かの誕生日の日付から始まる、15人の日記集。 

誕生日のアップルパイ / 庄野千寿子
庄野潤三の妻でもある庄野千寿子が、娘の夏子に送った膨大な手紙の中から、130通を選んで編集した書簡集。

色と形のずっと手前で / 長嶋りかこ
環境/美術/福祉/文化等、様々なフィールドで活躍中のグラフィックデザイナー、長嶋りかこが、母親になる経験を通じて見えてきたこと、感じたこと、考えたことを綴ったエッセイ集。

『百年の孤独』を代わりに読む / 友田とん
ガブリエル・ガルシア=マルケスの小説『百年の孤独』を未読の読者のために代わりに読み、映画やテレビドラマ、小説、漫画や、ごく個人的な興味や出来事など様々なトピックに脱線するその姿をそのまま記録した自主制作のドキュメント・エッセイ集が、この度文庫化!

My Eyes on Palestine / Momoe Narazaki
イラストレーター、ナラザキモモエ( Momoe Narazaki)による、自分自身の生活のこととパレスチナのことを描いたショートコミック。

MIZUMARU’s / 安西水丸事務所(監修)
イラストレーター・安西水丸(1942-2014)が愛でた蒐集品のなかから、イラストレーションに登場するものを中心に選び取り、紹介した1冊。

Life Works / 片岡俊
  「自然」と「人」の関わり合いに着目した写真作品を制作している写真家、片岡俊による初の写真集。本作『Life Works』は2010年の作品制作の始まりから現在に至るまで、ひとつの庭を舞台に撮影したシリーズ。  

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RECOMMEND BOOK !

あなたはいつも待っていた。ずっと待って、待って、待っていたのだ。何を?自分の番を。あなた自身が世界の書き手になる番を。
大崎清夏「ヘミングウェイたち」『目をあけてごらん、離陸するから』(リトルモア)より

本日は「NEWS」で各務原市でのイベントのお知らせをした詩人、大崎清夏さんの著作から。
こちらは2年前の発売当初、私が衝撃を受けまくった散文作品集。

友人の本棚で見つけた『フラニーとズーイ』、もらったものに相手の名前と日付を書くおばあちゃま、ハイカットのコンバース…。美しい瞬間、やわらかい心、強いまなざし。

詩のような散文、短編小説3篇、エッセイ、旅の日記など、バラエティ豊かな形式で、大崎さんのことばに触れられるとても贅沢な一冊です。

巻頭作「ヘミングウェイたち」の最初の一文からもうガツンとやられました…。一字一句書き写してからだの中に取り込みたい、そんな文章たち。

本という物体に収められたテキストという名のバトンを、私たちは著者から受け取っている。見ず知らずの生まれた国も時代も違う先人たちたちから。そして、同じ本を全く別の場所で読んでいる、きっと会うこともないだろう女の子たちのことーー。そして大崎さんは「自分の番」としてまた、新たなバトンをつないでくれた。どうか、受け取ってほしい。

来月の各務原でのイベントでは、詩の朗読もあり、歌人・岡本真帆さんとのトークもあり!黒田(義)が進行を頑張ります。是非ご参加ください!(杏)

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枝葉末節な日々

今週の担当:(義)

6/28(金) 朝から大雨。朝、お日さまが出ていないと猫たちが不満げにニャーと言ってくる。こちらではどうにもできないんだよ。
 8月17日に岐阜県各務原のTOUAMACHI KAIKANで開催する、詩人の大崎清夏さんと歌人の岡本真帆さんのイベントのチラシが届く。かかみがはら未来文化財団からの依頼で企画させてもらったイベント。かっこいいデザインはLIVERARYの武部くん。絶対面白いイベントになりそうなので、みんなに来てほしい。各務原へは名古屋からでも1時間かからないくらい。
 夕方に写真家の奥山淳志さんが到着。明日から開催する個展の搬入をはじめるが、あまりにも手際が良すぎて、2時間ほどで設営完了。写真の迫力というか、説得力が凄い。これはプリントほしい。買う。今は亡き弁造さんのエスキースももちろん素晴らしい。5年ぶりに弁造さんに再会した気分。
 夜、奥山さんは5年前に一緒にいった店の近所の居酒屋「よりみち」に行くのを楽しみにしていたみたいだけど、残念ながらコロナ禍でなくなってしまった。(その場所は今はコアラドになった)。ということで新栄の延辺館へ。最近はここのチャーハンがお気にいり。杏子が好きな、酸っぱい白菜とスペアリブの煮込みを頼むが、やはり3人にしてはボリュームが多すぎて、テーブルに届いた際に、やってしまったと思った。(なんとか食べきった。)

6/29(土) 心配していた雨も上がった。昨晩ニュースレターで、7月24日に開催する、高山の民芸店やわい屋の朝倉圭一さんの著作『わからないままの民藝』出版記念トークイベントのお知らせをしたのだが、早速すごい勢いで予約が入っている。
 今日は、井上弁造 / 奥山淳志『BENZO ESQUISSES 1920-2012』出版記念展覧会の初日。昨日とうってかわって32度の夏日。暑い。朝からこの展示を楽しみにしていたという方が並んでくれていた。夜は、奥山さんによるスライド&トーク。5年前にON READINGで開催した『庭とエスキース』の展覧会は、本屋スペースでのささやかな展示だったが、それでも観てくれた多くの人の記憶に残った展示だったと思う。今日はその時に観てくださっていた方もたくさん来てくれた。弁造さんがなくなった後、エスキースを引き取り、各地で写真とともに展示やお話をしてきた奥山さんだが、自分が語ることで、弁造さんの人生や、絵を、ある部分で勝手に決めつけてしまっているのではないか、と葛藤していたという。今回の写真集『Benzo Esquisses 1920- 2012』では、もう一度、エスキースを弁造さんに「返す」にはどうすればよいか、というところからスタートしたのだそう。人と人との「わかりあえなさ」にどこまでも真摯に向き合っているところに、この作品の魅力の核があるのだろうと思う。弁造さんのエスキースも早速数点ご購入いただけた。
 夜は遅くなったので、街かど屋へ。とんかつ定食。そうこうしているうちに、『わからないままの民藝』出版記念トークイベントの予約が定員に達していた。

6/30(日) 今日は朝から雨。朝食はフルグラとゼリー。昨日展示を観に来てくれた方が今日も来てくださって、エスキースをご購入。その後、先日の岡崎のトークイベントにも来てくれていたという方も、一目惚れして買ってくれた。弁造さんの絵には不思議な魅力がある。終ぞ、生前に個展をすることができなかった(しなかった)弁造さんだが、この光景をどう思うのだろうか。喜んでくれているといいなと思う。ルチャリブロの青木真兵さんが来てくれて先日刊行された『武器としての土着思考』にサインを入れてくれたのだが、サインが新しくなってこなれていた。

7/1(月)  ゆいちゃん出勤日。居眠りしていてクビにされた夢を見たそうで悲しそうだった。ゆいちゃんには健やかでいてほしい。今日は半休をもらっているので、夕方から杏子とゆいちゃんにお店をまかせて帰宅。ちょっと一息と、猫を撫でていたらそのまま1時間くらい寝てしまった。昨日スーパーで買っておいた甜面醤、豆板醤を使って麻婆豆腐を作る。が、家にあった様々な辣油たちがすべて2~3年前に賞味期限が切れていることに気づく。ドラッグストアに辣油を買いに走り、なんとか完成。花椒の香りが食欲を誘う。とりあえずスタンダードな四川麻婆豆腐ができたが、若干マイルドなのでもっと辛さと痺れを足したい。おいしい辣油が欲しい。今日から各務原でのイベント『こと、ばと、ことば。<詩と短歌 ことばが立ち上がるとき>』の予約受付が始まったが、早速予約が入っているようで嬉しい。

7/2(火)  定休日。3ヶ月くらい前に賞味期限が切れていたホットケーキミックスが発掘されたので、構わず焼く。ヨーグルトと重曹を足してちょっとしっとりふっくらに。今日は大掃除。ここ最近、モノ(主に本)が溢れていて、さすがに部屋が乱れすぎている。杏子は文字起こしの仕事があるので、THA BLUE HERBのライブDVD『YOU MAKE US FEEL WE ARE REAL (結成25周年TOUR 2022)』をかけながら、一人で励むが、時々、BOSSの語りに胸が熱くなり見入ってしまう。掃除は5分の1くらい完了。まだ人をよべる状況ではない。ちょっと大がかりな模様替えをしないと本が収まらない。要検討。夜は、杏子によるツナとほうれん草のパスタ。その後、二人でジムに。スマホにダウンロードしておいたNetflixの韓国サスペンスドラマ『悪の心を読む者たち』を観ながらランニング。ドラマや映画観ながら走ると時間が経つのがめちゃ早い。これはいい。現在、体重は63.8kg、体脂肪率が19.8%。ちょっと減ってきた。お腹はまだぽよぽよ。

7/3(水)  朝は目玉焼き、ウインナー、ロールパン。今日もゆいちゃん出勤。今日は入荷がたくさん。話題になっている文庫版の「百年の孤独」、そして友田とんさんの「『百年の孤独』を代わりに読む 」も入荷。あと個人的に楽しみにしていた、安西水丸さんが描いてきた蒐集品を紹介した「MIZUMARU’s」なども届いた。日中は、制作中の手芸本の文章の手直し。杏子は、なごや文化情報の仕事で歌人の野口あやこさんにインタビューをしに出かけている。夜はスーパーに寄って、ガーリックバターの味付けがされた鶏肉とこてっちゃんを買って家で鉄板で焼く。

7/4(木) 朝、お義母さんが来る。夏休みの旅行中の猫たちのお世話のため、はっちゃんとさくちゃんと顔合わせ。さくちゃんは案の定、すっと隠れる。はちも最初は戸惑っていたが、ちゅ~るをもらうと隠れなくなった。単純。お店を開けると、笹久保伸さんがご来店。笹久保さんは以前にON READINGでも配信ライブをしてくれている。SAM GENDELやCARLOS NINOらとも楽曲を制作している凄腕のギタリスト。もうすぐ始まるTHE APARTMENT STOREでの鷲尾友公さんの個展でライブイベントをするとのことで、打ち合わせをしに名古屋に来たそう。ここ最近リリースしたレコードをプレゼントしてくれた。嬉しすぎる。早速店で掛ける。
 店で配っている今号のニュースペーパーがいつもより早くなくなってしまったので、急いで次号の制作に取り掛かる。夜は、昨日の残りの鶏肉を使ってささっと鉄板焼きそば。Sちゃんにもらったダラットマリムラのサテ(ベトナムラー油)をちょっとかけてみると、ちょうどよいアクセントに。その後ZOOMで、再び、宮田明日鹿ちゃんと本の打ち合わせ。

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EXHIBITION INFORMATION

~~~~~ ただいま開催中!~~~~~

【EXHIBITION】6/29日(土)~7/15(日) at ON READING GALLERY
井上弁造 / 奥山淳志『BENZO ESQUISSES 1920-2012』出版記念展覧会
(※7月13日(土)はギャラリーのみ臨時休業)

写真家・奥山淳志の写真集『BENZO ESQUISSES 1920-2012』の出版記念展を開催中。片側の壁が奥山さんが撮影した弁造さん、弁造さんの庭、弁造さんのエスキースのポートレート写真。向かいあわせに弁造さんのエスキース(原画)作品を展示しています。対峙する、対話する、ふたりの作品展。ご来場の際は、ごゆっくりお楽しみください。
https://onreading.jp/exhibition/benzo2/

~~~~~ COMING SOON ! ~~~~~

【EXHIBITION】7/19日(金)~7/22(月)at ON READING GALLERY
佐藤憲治木彫り熊展 “53/100” in NAGOYA

今年は北海道で木彫り熊が誕生して100周年。その100年のうち、53年間も彫り続けている現役の巨匠彫刻家・佐藤憲治さんの作品を展示販売します。徳島の本藍染を施したスペシャルなものも並びます。どうぞお楽しみに!
企画・主催:ROOMS @roomsifs |ヴァダアンティークス @vadaantiques
https://onreading.jp/exhibition/satokenji_bear3/



【EXHIBITION】7/27(土)~8/5(月) at ON READING GALLERY
Yuri Hasegawa Exhibition 『May I come in?』

著名人やミュージシャン、どこかで見たようなキャラクターをモチーフに、ユーモラスでユニークなぬいぐるみ作品を発表するアーティスト、長谷川有里による個展を開催します。https://onreading.jp/exhibition/yuri-hasegawa3/

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♪ Now Listening

Shin Sasakubo & Joana Queiroz 『Picture』

秩父を拠点に活動を続けるギタリスト、笹久保伸さんの36枚目(!)となる本作は、現代ブラジル音楽シーンを担う、クラリネット奏者で作曲家のジョアナ・ケイロスとのデュオ・アルバム。両者の音色が美しく幽玄に共鳴し、楽曲ごとに様々な風景を魅せてくれる珠玉の1枚。ずっと聴いていられますね、これは。(義)

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今日のところはこのあたりで。それではまた来週お会いしましょう~。

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