NEWSLETTER FROM ON READING 2025.03.14

こんにちは、ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。よ、う、や、く!確定申告が終わりました…。今年こそ、間に合わないかと思った…。皆さまも、大変お疲れさまでした。さて、店頭では引き続き『ノッティングヒルの恋人』リバイバル上映に合わせた企画でブックカバーを配布しています。「オールタイムベストです」「聖地巡礼しました」「父が大好きな映画なのでプレゼントしようと思って」と、皆さんのマイ・ノッティングヒル・エピソードを楽しませてもらっています。誰かが作った作品が、全く知らないどこか誰かの人生に深く刻まれるって、本当にすごいこと。私もこの機に見てみたいと思います。(杏)
EVENT INFORMATION

SHIN SASAKUBO GUITAR SOLO TOUR 2025 at ON READING
日程:2025年4月16日(水)
時間: 開場 19:00 開演 19:30~
入場料:3,000円(要予約)
詳細・予約:https://onreading.jp/event/0416/
Sam GendelやFabiano do Nascimento、Carlos Ninoなど世界の名だたる音楽家たちとのコラボレーション作品も多数発表している、埼玉県秩父市出身の作曲家/ギタリスト・笹久保伸(SHIN SASAKUBO)のギターソロ・ライブを開催します。
4月には、モザンビークのパーカッション奏者・Matchume Zangoとのニューアルバム『KALAMUKA』をリリース。笹久保にとって通算42作目のアルバムとなります。アンデスギターの魔術的リアリズムの世界、アイデンティティである秩父の呪術的/魔術的な世界、近年の共演者たちと音楽を作る中で体感して音世界。笹久保伸にしか鳴らせない、至高の音楽を是非お楽しみください。
入荷情報 PICK UP
・花のうた / 左右社編集部(編)
左右社の人気短歌アンソロジーシリーズ。今回のテーマは「花」。どこから開いても〈花〉があふれる、はじめて短歌に触れるひとにむけた、とっておきの100首を収録。
・また旅2 / 岡本仁
『BRUTUS』『relax』『ku:nel』などの雑誌編集に携わってきた名編集者の岡本仁による『暮しの手帖』での長期連載「また旅。」が単行本化。著者の岡本仁さんが日本各地で見つけた風景、名建築や食べもの、地域の人々との交流など、全25編を収録。
・移動そのもの / 井戸川射子
2019年『する、されるユートピア』で中原中也賞、2023年『この世の喜びよ』で芥川賞に輝く、詩人・作家が放つ、言葉を読む原初的な快楽に溢れる最新短編集。小説というより、詩。イメージが頭の中を駆け巡る、新しい文藝体験。
・【ご予約受付中!】here and there vol.1 - vo.13.5
資生堂の企業文化誌『花椿』の元編集者・林央子が2002年に創刊したオルタナティブマガジン『here and there』の、1号から13.5号までを合本したスペシャルエディションが、上海のBANANAFISH BOOKSと、スイスのNieves Booksから共同出版されることに。確実にご購入したい方は3月15日(土)20時までにご予約ください。
・K2 Naoki Ishikawa / 石川直樹
人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている写真家、石川直樹。本作は、石川が3度にわたるK2登頂挑戦で撮影した109枚のフィルムで構成された写真集。
・CHICAGO / Mark Steinmetz
美しいグレートーンのモノクロ写真が世界中で高い人気を誇る、アメリカ人フォトグラファー、マーク・シュタインメッツの作品集。本作は、シカゴを舞台に撮影したシリーズ。
RECOMMEND BOOK !

貧しいっていうことと、お金がないっていうことは関係がないし、お金がないと生きていけないっていうのは成り立たないと思うんです。
確定申告でお金のことばっかり考えていたので今週はこちら。
整体指導者の川﨑智子さんと、オルタナティヴスペースを運営する鶴崎いづみさんによる、七年に及ぶお金にまつわる対話の記録。
利益を求めるでもなく、満足な蓄えもない。経済主義国・日本において芸術活動に従事する女性たちが、日ごろ抱えるお金にまつわる悩みごとを、整体指導者・川﨑智子さんに問いかけます。
果してこれまで、こんな風にお金とからだのことを話してくれる本があっただろうか。表紙がごはんっていうのもポイントです。
お金ってどういうものなのか、お金の使い方、働くこと、食べること、困ること、時間、生活力…。こり固まったお金に対する価値観が〈芸術 ≒ 整体〉の視点から心身ともにときほぐされていきます。
この『整体対話読本』シリーズはどれも金言だらけ。本書は特に、芸術に携わる人や、やりたいことがお金と結びつかない…と思っている人に読んでみて欲しい。本書に登場するそれぞれの人たちの十人十色の「お金の話」のなかに、ヒントが隠されてるかもしれません。読んでるそばからするすると動きたくなって、きっとなんだか元気になりますよ!
川﨑智子さんの新刊『道理』も入荷しておりますので、合わせて是非。
枝葉末節な日々
今週の担当:(義)
3/7(金) 朝、トースト、コーヒー、サラダ。昨夜、ひょいっとさくちゃんを持ち上げてみたら、10秒くらいは嫌がらずにじっとしていた(というか固まっていた)ので、今朝もチャレンジしてみたら成功した。今までは両手で撫でただけで何かを察知して、びゅ~っと風のように走り去っていたのだが、うちに来て5年目にしてようやく抱っこができる兆しが。思い返せば、来てから2年目くらいまでは、ほぼ家庭内野良状態で、ちょっと触らせてくれるくらい。それが、3年目くらいになると自分からベッドに上がってきて一緒に寝てくれるようになった。徐々に心を開いていってくれていて泣ける。もし病気になったらどうやって病院に連れて行こうかが悩みだったので、ちょっと一安心。これで何かあったときたぶん連れていける。朝ごはんはトースト、サラダ、コーヒー。今日は肩の調子が良い。写真家の中井菜央さんのWEBみすずでの連載が素晴らしい。何もかもが嫌で仕方がなかった幼少期、両親の反対を押し切って写真の道に進んだこと、記憶を失っていく祖母、そして祖母の死。ただ「在る」ことを撮りたかったという写真集『繡』をつくったその動機が、痛いほど伝わってくる見事な文章だった。それにしても優れた写真家は、みな一様に文章が巧い。言語化しても、なおこぼれ落ちてしまう「それ」を写すためには、何が言語化でき、そしてできないかを知る必要があるからだろうか。中井さんの連載は来年に書籍化されるとのことで今から楽しみ。夜はキムチ、納豆、ごはん。
3/8(土) 朝、トースト、コーヒー、ヨーグルト。今日はそこそこ店もにぎわった。杏子は、確定申告を着実に進めていて、なんとか兆しが見えてきたらしい。夜はスーパーに寄って少し買い物。五香辣油で麻婆茄子を作る。ウーシャンフェンをかけるだけで、台湾の気分になる。美味しくできた。
3/9(日) 朝ごはん、やまださんにもらった桜トースト?がめちゃ美味しい。シナモンのような香りがしてちょっと甘め。今朝知ったのだが、今日は名古屋ウィメンズマラソンが開催されていて、大幅な交通規制がされている。石川県から車で来たというお客さんが栄方面から随分遠回りされて来られたそう。申し訳ない。そんなわけで一日暇なのかなと思いきや、ゆったりしながらもお客さんが途切れず、いい感じの日曜日。花松さんの作品も、和平くんのプリントも販売できた。夜は、鍋キューブ 鶏だし・うま塩で鍋。たっぷりの柚子も入れてさっぱり。うどんでしめ。今日は、四十肩が一日中うずいて辛かった。軽くなったり重くなったり、要因がさっぱりわからない。とりあえずビタミンBとタンパク質を摂るとよいらしいので、プロテインを飲んでみる。
3/10(月) 朝、桜トースト、ふつうのトースト、コーヒー、あまりのごはん。昼間、ZINEをつくってみたいという新聞記者(カメラマン)のお客さんとおしゃべり。新聞ではなくスマホでニュースが読まれるようになってきて、報道写真の撮影の仕方にも影響が出てきたという。ある程度大きなサイズで写真が使われる新聞というメディアと、小さな画面のスマホ。前提が変わってくるので自ずと画角も変わってきてしまい、自分がよしとしていた報道写真の美意識にも齟齬が生まれてしまっているという。なので自分でタブロイド判のZINEを作って、自分なりの発表の場を持っておきたいということだった。つい最近もインスタグラムのフィード一覧が正方形表示から3:4の縦長表示に変わったことが話題になっていたけど、こうやって強引にプラットフォーム側に「表現」を奉仕させられることも増えていくだろう。そもそも既に縦位置ばっかの写真を撮らされるようになってるし、サブスク配信になって楽曲の作り方が変わったりとか、短い動画/映画が好まれるようになってきたりとか。もちろん、その時々でプラットフォームやメディアにあわせた優れた作品というものも生まれていくのだろうけど、でも一方で、失われてしまったり、取りこぼされてしまったものにその時果たして気付くことができるのだろうか。「ない」ものに気付くことはとても難しい。だからどこかで残っていてほしい。そのためにも、プラットフォームに奉仕しない、というインディペンデントな態度もちゃんと保持していきたいと思うし、こんなにもプラットフォームの力が強くなった今、そこに乗らないってだけで、可能性の幅がぐっと広がるのではないかとも思う。もうちょっとゆっくり考えていきたいところ。営業終了後、私設図書館もんのつっちーさんが来てくれて、来月に開催することになった星読みイベントのデモンストレーションをしてくれる。杏子、ゆいちゃん、自分と見てくれたのだが、有している星座の要素?がみんな結構共通していて笑ってしまった。今後も仲良くやっていけそうです。普段、熱心に占いなどを信じているわけじゃないけど、たまにこうやって見てもらうのも面白い。そして、やはり健康面には気をつけたい一年とのこと。遅くなっちゃったので夜は即席麺。ネットフリックスでZERO DAYの続きをウトウトしながら鑑賞。
3/11(火) 朝、ゆっくり起床。鍼灸院へ。日曜日に高ぶっていた痛みも、ここのところは落ち着いていて、鍼をしてもらったあとは肩もだいぶ軽くなった。通い始めた頃の痛みを10とすると4くらいにはなってきただろうか。先生にも、これでとりあえず様子見ましょう、またもし酷くなったら来てくださいと言われ、ひとまず通院もひと段落。あとはリハビリに励むのみ。早く治るといいな~。昼ごはんに、キムチクリームパスタをつくる。遅くなってしまったが3時頃に家を出て、愛知県美術館でパウル・クレー展。クレーが同時代の作家たちとどのような交流があって、どのような影響を与えあっていたのか、というのが本展のテーマ。キュビスム、イタリア未来派、ダダ、シュルレアリスム、バウハウス、など20世紀前半の絵画の動向が見てとれる、見ごたえのある企画だった。ちょっと疲れたので栄地下のコンパルでお茶していると、なにやら見覚えのある後姿が。こっそり声をきいていたら、やっぱりtoi toi toiのイトウマくんだった。帰り道、スーパーで値引きされたお寿司を購入。お吸い物。半額になっていた砂肝をネギと炒める。ZERO DAYの残りの2話を観る。サイバー攻撃を受けたアメリカを舞台にした緊迫感ある政治サスペンスドラマなのだが、10年前くらいなら荒唐無稽に思えたであろう陰謀論的なものに、妙にリアリティを感じてしまった。政治家たちがあちこちで信じられないことしてるんだもの。もう何が起きても驚かなくなってしまうんじゃないかという怖さ。あ~、やだやだ。。。 星読みのイベント、一瞬で予約が埋まった。何かに頼りたい気持ち、わかるかも。
3/12(水) 朝、トースト、コーヒー。今日は店もゆったり。というか暇。この時期は毎年こんな感じなので仕方ない。確定申告が終わって税理士さんから税金の報告。た、高い。頼むから真っ当なことに使ってほしい、が、今の政治家にそんなこと期待できるわけもなく、怒りしか湧かない。夜ごはんは、冷蔵庫のあまりもの。スナップえんどうの卵炒め、揚げはんぺん、味噌汁、胡麻豆腐。楽しみにしていた、ニコラス・ケイジ主演のドリームシナリオをアマプラで。ケイジ演じる平凡な大学教授が、なぜか何百万人という人々の夢の中に現れたことをきっかけに起こる事態を描いたスリラー。昨今のアテンションエコノミーに対しての批評的視点も伺えて面白かった。既に、ある意味ネットミーム化しているニコラス・ケイジありきの映画とも言える。ちなみにニコラス・ケイジの話だと、「オレの獲物はビンラディン」の日本公開時に、チケット購入特典で「うまい棒 “ニコラスティック”」が配布される予定だったが、さすがに本人が怒って中止になったというエピソードが好き。
3/13(木) 朝9時から本チャンネルのオンラインMTG。せっかく早起きしたので、コアラドに寄ってブランチ。牛ホルモンと大葉のジェノベーゼ。春の訪れを感じる暖かい陽気。調子に乗って薄着で来てしまったが、夜は寒いだろうか。ここ数日で花粉の気配を感じるようになった。うっすら目がかゆい気がする。この春に出版される予定の寺井奈緒美さんの書籍のゲラを送っていただく。これがまためちゃくちゃ面白い。仕事中に読んでいるとニヤニヤしてしまって、ヤバい人だと思われる恐れあり。『生活フォーエバー』を読んでくれたというある編集者からお声がけいただいて、商業出版が決まったというのだが、こういうのめちゃ嬉しい。というか、こういうことを起こすために出版やってるという側面もある。『生活フォーエバー』もちょうど重版分を印刷会社に発注したところ。これで、5刷6,000部となった。もっともっと手渡していきたいので新刊と一緒にいろんな書店で展開できるといいな。本当に寺井さんは素晴らしい才能の持ち主だと思う。夜、さすがに帰り道は寒かった。杏子が作ってくれた茄子の素揚げと鶏肉炒めが美味しい。本の市で生活綴方チームにいただいたシューマイも食べたら満腹に。早起きしたので、24時前には眠くなって就寝。
EXHIBITION INFORMATION

【EXHIBITION】2025年2月23日(日)~3月16日(月)at ON READING GALLERY
花松あゆみ個展『PAPER ROOM』
版画作家、花松あゆみによる個展を開催中。
花松あゆみは、主にゴム版画によるイラストレーションで書籍装画、雑誌の挿絵を中心に活躍中の作家/イラストレーターです。ゴム版画特有の素朴で温かみのあるマチエールを活かしながら、物語の気配を想起させる繊細な構図や作風が彼女の持ち味で、どこか懐かしさをおぼえるような不思議なあたたかみを感じます。当店では3度目の開催となる本展では、様々な「部屋」をテーマにした版画作品と、紙の立体作品を展示しています。作品もお求めやすい価格帯。買いです。

【EXHIBITION】2025年2月27日(木)~3月23日(日)at ON READING店内
木村和平 写真展『フォロンを追いかけて touching FOLON』
名古屋市美術館で開催中の展覧会「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」の会期後半にあわせ、2月27日より木村和平の写真展「フォロンを追いかけて touching FOLON」をON READINGで開催しております。 展示作品(額装プリント)も販売しておりますのでお見逃しなく! (ありえないくらいの破格です。え?買いでしょ!)

【EXHIBITION】2025年3月20日(木)~3月31日(月)at ON READING GALLERY
片岡俊 個展『Life Works』
2024年に赤々舎より刊行された、片岡俊による写真集『Life Works』の作品展を開催します。
半世紀以上にわたりその庭で、野菜や植物を育て、草をむしり水を撒いてきた祖父の営み。鬱蒼と育っては枯れるを繰り返す、自生する植物の存在 ──。自由に育つ植物と祖父の手。その二つが交差した時間は伯父へと受け継がれ、新たな育ちの場として人の影を写しながら絶え間ない変化と循環を繰り返しています。本展では写真集『Life Works』から選ばれた写真を新たに再構成し展開します。そして近年、「LifeWorks」の庭で制作されている写真の古典技法であるサイアノタイプによる新作も発表します。その場所の土に含まれた水分や、照らされた太陽によって生み出された青。変化の途中にある庭という空間に存在していた揺らぎが、層を重ねるように写し込まれています。

【EXHIBITION】2025年4月12日(木)~ 4月14日(月)at ON READING GALLERY
イイダ傘店『令和七年春 受注会』
※12 時~18 時 ( 最終日17 時まで)
日傘・雨傘を布地からデザインし、一本ずつ手作りする傘屋『イイダ傘店』の受注会を開催します。
♪ Now Listening
ギタリストoono yuukiを中心とした音楽集団 「oono yuuki band」による前作「TEMPESTAS」から11年ぶりのフルアルバム「GREENISH BLUE,BLUISH GREEN」。アナログレコード入荷しております~!カタルシスが押し寄せる「荒野の室内楽」。
今週はこのあたりで。
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