NEWSLETTER FROM ON READING 2024.09.27
こんにちは。ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。ずっと暑かったからか夏の気分を引きずっていて、気が付いたら目の前に10月が来ていました。あわただしく、ひとつの山を越えたら別の山がそそり立っている、そんなアルプス縦走状態の我々の日常ですが、週に一度のこのニュースレターがあることで、私たちは一週間を一週間として留めておくことが可能になっている、最近そんな風に思います。ほぼ毎日欠かさず見ていた朝ドラ『虎に翼』も最終回を迎えました。寂しい~(杏)
NEWS
アートサイト名古屋城 2024あるくみるきくをあじわう
2024年11月28日(木)-12月15日(日)
名古屋城を舞台にしたこちらのアートプロジェクトこちらのアートイベントに向けて、歌人の千種創一さんと短歌のインスタレーション作品を制作中です。秋の紅葉とともにぜひ楽しんでください。
10月14日(日)にはプレイベントとしてトークイベントも開催されます。
詳細:https://nagoyajo.art/
POPUP EVENT
スタンダードサプライのスタンダード。展
2024年9月28日(土)~10月20日(日)
今年で10周年を迎えたスタンダードサプライのアニバーサリーを記念し、ポップアップイベント「スタンダードサプライのスタンダード。展」を開催します。
本イベントでは、デビューシーズンの7型を旧タグ&10周年ロゴで復刻した限定アイテムや10周年を記念して制作されたコンセプトブックもラインナップいたします。数量限定でノベルティポーチの販売もいたします。ぜひお立ち寄りくださいませ。
入荷情報 PICK UP
・書物とデザイン / 松田行正
デザインの歴史探偵を標榜する、グラフィック・デザイナーで装丁家の松田行正の集大成にして、「書物とデザイン」の歴史を追う決定版!文字が発生した紀元前から活版印刷、写植を経てDTPに至る現在まで、古今東西の長大な歴史を網羅。
・未整理な人類 / インベカヲリ☆
写真集『やっぱ月帰るわ、私。』『理想の猫じゃない』など、膨大な数の女性の「個」に迫りポートレートを撮影してきた写真家、インベカヲリ☆が、鋭い観察眼とブラックな笑いで現代社会を斬る、異色ノンフィクション。
・ニューヨーク精神科医の人間図書館 / ナ・ジョンホ
アジア系移民である著者が、ニューヨークの精神科医として出会った患者たちの、要約できない人生の断片を綴ったエッセイ集。
・地球の恋人たちの朝食 / 雪舟えま
穂村弘歌集『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』の主人公「まみ」のモデルとしても知られる歌人・雪舟えまによる伝説の最初期作品集が、20年の時を経てついに書籍化!
・つるとはな ミニ?
元『Olive』、『ku:nel』の編集長の岡戸絹枝が創刊した、年上の先輩に話を聞く雑誌『つるとはな』。一回りサイズを小さくして装いを新たにリスタートした今号では、世界的にも有名な建築家の安藤忠雄、現代短歌の第一人者である馬場あき子、料理研究家のホルトハウス房子などのインタビューを掲載。
・暮しの手帖 第5世紀32号
1953年に創刊し、広告ゼロの編集方針を貫いて、毎日を豊かに、美しくするヒントを紹介しているインディペンデントな総合生活雑誌『暮しの手帖』。今号は、みんな大好きな朝ドラ『虎に翼』、吉田恵里香×山根基世の対談を掲載!
RECOMMEND BOOK !
「わかりやすいこと」と「雑に考えること」って相反するように思えるけれど、この2つは時に共犯関係になる。雑に考える土壌が整えば整うほど、その中で、強い意見、味付けの濃い意見がはびこる。雑にしていくことで培養されていくわかりやすさは、積み重ねられた論議を一気に無効化させる。(中略)「わざと雑にする」、これは今の公権力を見定めるにあたり、強く意識しておかなければならない態度だ。
政治、ニュース、テレビ、お笑い、ビジネス書、広告など…「わかりやすい」ことと「共感」できることを最重要にするあまり、いろんなものを取りこぼしてしまっている現状に対して、「あいのり」、河合隼雄、ハライチの岩井勇気、池上彰、加藤典洋など、様々な本や、映画、テレビやラジオでの言葉を引きながら、<提供される「わかりやすさ」から離れ、自分で考えることを徹底してみた>一冊。
本書は、2018年~2020年にかけて雑誌連載されたもので、後半は「あいちトリエンナーレ2019」にまつわるあれこれが繰り返し取り上げられている。 つまり…いい例だってことですよね。
もちろん、自分自身もそうした「わかりやすさ」の暴力に無関係ではいられない。こうやって武田さんの著作にわわ~!とすがっている自分も、日々のモヤモヤへの「解」を求めちゃってるのかもしれない。
「わからない」ことを抱えながら考え続けるためには胆力が必要だ。知識も想像力も、鍛えなければ持ちえないと思う。だからこそ。選択肢の中から選ぶのではなく、問いそのものを「そもそも」と問い直す、時間がかかってわかりにくい上に結論も出ない、そういう対話をし続けたいと思う。
本書は違うのですが(すみません)、先日のトークイベントで数種類の単行本にサインをいただきましたよ~!未読の方は是非!
枝葉末節な日々
今週の担当:(義)
9/20(金) 朝はトーストにコメダ珈琲店監修ピーナッツクリーム(コメダにピーナッツバターのメニューなんてあったっけ?)、サラダ、巨峰、梨。なんと今日は37度。暑くて朝から猫たちも伸びている。夜、多治見の新町ビルの水野さんと、ROWS COFFEEのあみちゃんが寄ってくれる。10月18日から多治見で開催されるアートプロジェクト「ART in MINO 土から生える 2024」のPRとして、金山駅でポップアップの仕事帰りだという。 土から生える」は、ギャルリ百草の安藤さんがトップに立って、水野さんが実行委員長を務めるという絶対楽しそうなイベント。金土日祝しかやらないみたいなので行くのが難しいかもだけどチャンスを待ちたい。夜、明日のイベントの準備をして帰宅。夕飯は鯖の塩焼きとピクルス。焼き鯖おいしい。
9/21(土) 朝、生卵をおとしたうどん。能登半島で大雨による多大な被害が、というニュース。まだまだ震災復興もままならない状況なのに本当に心が痛む。政府はきちんと復興に力を注いでほしい。夜は武田砂鉄さんをお迎えしてのトークイベント。アイアン・メイデンのジャパンツアーの全会場レポートというお仕事で来名の機会があり、それならばとお声がけしてくださった。特に新刊発売のタイミングではないので全くのフリートークだったが、アイアン・メイデン、メタル、洋楽離れ、老害、都知事選、自民党総裁選挙、寺田心、軽部真一、河村市長、コーンフレーク、糸で生きる虫たちの話などなど、お客さんからの質問も交えながらの軽快なトークで終始笑いの絶えない時間だった。砂鉄さん、本当に話術がすごい。9月だからもうちょっと涼しくなっているかと思っていたが、そうもならず、人がいっぱいになるとギャラリーの冷房がなかなか効かないので、暑くてお客さんには申し訳ない。8月、9月のイベントは考えものだな。。。さすがにクタクタ。コンビニでパスタを買って適当に夕飯とする。久しぶりに湯船に使って身体を休める。
9/22(日) 朝、ロールパン、ツナサラダ、巨峰、梨。三連休だということに今更気付く。その割に天気も悪いこともあってか、昼間は平日かというくらい客足少なく見学客も多いため、ちょっとどんよりした気持ちに。10月に発売される鳥羽和久さん編著の『「学び」がわからなくなったときに読む本』のゲラをいただいて読んでいるが、早速付箋だらけになるほど金言がいっぱい。鳥羽さんが、千葉雅也さん、矢野利裕さん、古賀及子さん、井本陽久さん、甲斐利恵子さん、平倉圭さん、 尾久守侑さんの7名に、学ぶとはどういうことかをインタビューした本。内沼晋太郎さんがやっている『本チャンネル』というyoutubeの番組内のコンテンツで「今日発売の気になる新刊」というコーナーがあるのだけど、そこで著者にインタビューをしながら本を紹介するというお仕事をいただき、これから杏子と交代で月一本くらいずつ担当することに。初回は、鳥羽さんにインタビューさせてもらうことになった。ゲラをもらってから2、3日で読んで質問をまとめるというまぁまぁなハードワーク。これを週に何本も更新している内沼さんの凄さよ。。。30分くらいの短い番組なのだが、少しでも面白そうと思ってもらえるといい。夕方くらいからお客さんも増えてきて、なんとか売上はたった。夜は、鉄のフライパンでじゅーじゅー焼いたチキンステーキ。うまく焼けた。
9/23(月) 朝はトースト、サラダ。三連休最終日だが、今日ものんびりした雰囲気。オカタオカのシルクスクリーンのプリントを手がけてくれる工房探しに手間取っていたが、東京にある松井美芸堂さんが手がけてくださることになった。大田区で大正から続く老舗の工房で、HPをみてみると永井博さんやオソンさんのシルク作品も手がけられていた。これは信頼できる、仕上がりが楽しみ!とりあえず、これで10月12日から始まるオカタオカの個展で販売するシルクスクリーンプリント、ハンカチの手配が整って一安心。あとは作品集の印刷が無事に上がるのを祈るのみ。こればっかりは出来上がりを手にするまでいつもドキドキする。そして明日鹿ちゃんの『Knitting ’n Stitching Archives.』の編集作業もいよいよ大詰め。こちらもブラッシュアップされてきて、とても良い本になると思う。
9/24(火) 定休日。もう40年近く続く老舗である、コーヒーとスパゲティーの店・しんぷるで生クリームスぺシャルの大盛り。名前の通り、奇をてらわないシンプルなスパゲッティなのだが、これがどれも本当に美味しい。雰囲気も含めて理想的なお店。レジ脇に掛けてあるレンチキュラー(見る角度によって絵柄が変わるやつ)の猫の写真もよい。その後、芳光でお菓子を買って、authorでやってる湯浅景子さんの展示へ。最終日にギリギリ滑り込めた。本当は壁に飾る予定だったという金色の大きな輪っかの作品が、authorの村松さんのアイデアによりこのために作った特製の金網の台に載せられて、中央にオブジェとして配置されていたのがとても良かった。景子さんは、こうやって展示の度に表現の可能性をどんどん更新していって、留まることをいちばん怖れている作家。だからこそ信用できるし、ずっと追いかけたくなる。ちなみに景子さんには10月24日からON READINGでもミニ展示をしてもらう。10周年を迎えたauthorも本当に素敵なお店でいつ行っても刺激になる。帰宅してちょっと休憩、といいつうウツラウツラして、あっという間に9時。夕飯を食べて、明日のインタビューの準備をして就寝。
9/25(水) 朝、ごはん、味噌汁、目玉焼き。午前中、鳥羽さんにインタビュー取材。リスキリング、アンラーニング、アクティブ・ラーニングなど様々な新しい用語が飛び交う、最近の「学び」の話題。しかし、鳥羽さんはそういう風潮に胡散臭さを感じ、そもそも「学び」ってなんだっけ、というところを改めて読者に示したのが今回紹介した『「学び」がわからなくなったときに読む本』。社会に迎合するためではなく、社会からいかに逸脱するか、その逸脱の仕方を獲得するのが「学び」なのではないか、という話を中心にインタビューさせてもらった。本の中では教育の現場の中での話も多いが、個別具体的なエピソードは教育者や子育て中の親だけに向けられたものではなく、読んでいるとムクムク活力が湧いてくる。ON READINGの定番になるだろう素晴らしい本。インタビュー動画は発売日の10月19日ころに配信予定。インタビュー後はお店を杏子とゆいちゃんに任せて半休。ちょっとゆっくりさせてもらう。
9/26(木) 朝は、スコーンとauthorさんにいただいた二兎のパン。この日記でも度々書いていた、名古屋城での秋のイベント『アートサイト名古屋城』がようやく情報解禁となった。ON READINGは、歌人の千種創一さんとタッグを組んで、千種さんによる短歌の作品を庭園に展示する。今も、鋭意制作中なのだが、プロジェクトチームがプロフェッショナルなので本当に心強い。きっとよいものになると思う。たまたまXで流れきたNEWSPICKSでの上出遼平さんのインタビュー動画が面白かった。(というか上出さんってあんなに若いのか。声だけしか聞いたことなかったからずっと年上だと思っていた。)とにかくいつの間にか貼られたラベリングをフィジカルな体験をもとに一つ一つ剥がしていくということ。鳥羽さんの学びの本にも通じるが、もはや如何にオルタナティブに生きるかを考え抜くことでしか幸福にはたどり着けない世の中になっているのだろうなとは思う。(が、それは昔からそうなのかもしれない) 一旦、うっかり溶かしてしまったガルボを冷蔵庫に入れて再び冷やし固めていたのだが、封を切ってみると全部くっついて一塊になっていた。はっちゃんのうんこみたいと思わず口走ると「やめて~」と杏子に言われた。味は幸いガルボだった。夜は麻婆茄子。
EXHIBITION INFORMATION
~~~~~ 開催中! ~~~~~
【EXHIBITION】9月14日(土)~9月29日(日) at ON READING GALLERY
大杉好弘 個展 『sometime,somewhere,somethings』
当店では2回目となる、愛知在住の画家、大杉好弘の個展を開催中。最後の週末です。作家も在廊予定ですので、ぜひご来場ください。
また、本展示に合わせて、モノタイプの作品をまとめた作品集も発売中です!
~~~~~ COMING SOON! ~~~~~
【EXHIBITION】10月12日(土)~10月27日(日) at ON READING GALLERY
OKATAOKA Exhibition 『WALL OF SOUND』
イラストレーター・オカタオカによる最新作品集『WALL OF SOUND』(ELVIS PRESS刊)の刊行記念展を開催します。自分で好きな曲を選び、それを聴きながらイメージを膨らませ、7インチと12インチのブランクのレコードジャケットをキャンバスにして描いたシリーズを展示します。シルクスクリーンポスターやハンカチなども製作中。お楽しみに!
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【EXHIBITION】10月24日(木)~ 11月10日(日) at ON READING店内
湯浅景子 作品集刊行記念巡回展 『Beside my Flowers / Within my Flowers』2024 – 2025
画家・湯浅景子による、小原流『挿花』の表紙画24点を収録した作品集『Beside my Flowers / Within my Flowers』(momogusa刊)の刊行を記念して、巡回展を開催します。
会場では、コラージュの技法を使った小作品をおよそ100点展示。作品集とともに限定販売いたします。
♪ Now Listening
EELS / Being Dead
USテキサスはオースティンのガレージ ・ インディ・パンク・バンド、Being Deadのニューアルバム。しょうもない悪ノリのカルト感漂う謎のMVも最高。ひねくれたローファイ感とセンスのみで突き進む感じが、テレヴィジョン・パーソナリティーズにも通じる期待のトリオバンド。
今日のところはこのあたりで。また来週~~!
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