NEWSLETTER FROM ON READING 2024.11.29
こんにちは。ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。只今、東京に来ております。そうです。TOKYO ART BOOK FAIRに出展しております。連日大変に盛況です。最終日まで走り抜けます。名古屋城では、アートサイト名古屋城も始まっております。やりきりました。ぜひご来場ください。(義)
TOKYO ART BOOK FAIR 2024
会期・時間:
2024年11月28日(木)12 : 00~19 : 00(最終入場時間:18 : 30)
2024年11月29日(金)~12月1日(日)11 : 00~18 : 00(最終入場時間:17 : 30)
会場:東京都現代美術館住所:〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1公式サイト:https://tokyoartbookfair.com/
入場料:一般 1,000円(税込)購入は公式サイトから。
ELVIS PRESSは、TOKYO ART BOOK FAIR 2024に出展します。
BOOTH: ELVIS PRESS / ON READING (一階 ENTRANCE AREA)
アートサイト名古屋城 2024
2024年11月28日〜12月15日
2023年よりスタートし好評を博した、史跡が舞台のアートプロジェクト「アートサイト名古屋城」。今秋は、年間200万人以上の人々が国内外から訪れる“観光地としての名古屋城”からインスピレーションを受け、「観光する行為」そのものをテーマに、総勢6組のアーティストによる作品を城内全域にわたって展開します。 また会期中には、夕暮れから夜間にかけて賑わう3日間の限定イベント『ナイトミュージアム名古屋城 』を開催。観光地であり、文化財でもある名古屋城を味わい、新たな魅力に遭遇する体験をどうぞお楽しみください。こちらに歌人の千種創一さんとともに制作した作品を展示中!頑張った!ぜひたくさんの方に観てほしいです~。
https://nagoyajo.art/
入荷情報 PICK UP
・KISSA BY KISSA 路上と喫茶ー僕が日本を歩いて旅する理由 / クレイグ・モド
アメリカ出身、日本在住の作家、クレイグ・モドが日本のあちこちを歩きながら綴ったエッセイ集。郊外の寂れた町々、農村、パチンコ・ロード、そして喫茶店と人びととの会話。失われゆく日本の姿を写真とテキスト、そしてたくさんのコーヒーとピザ・トーストとともに文化考現学的視点で捉えた、まったくあたらしいロード・エッセイ。
・写真がいってかえってきた / 佐内正史
写真集『生きている』で鮮烈なデビューを果たし、普遍的な日常の風景に、得も言われぬ共感性を漂わせた作品が、多くのフォロワーを生み出し多大な影響を与え続けている写真家、佐内正史による写真集。
・限局性激痛 / ソフィ・カル
フランスを代表する現代アーティスト、ソフィ・カルの痛みと治癒の物語、待望の邦訳。1999〜2000年、2019年に東京・原美術館で展示された「ソフィ・カル―限局性激痛」に未邦訳分を新たに訳出した完全版。
・明るくていい部屋 / 金川晋吾
『father』や『長い間』など、父親や伯母という血縁関係にある身近な他者を被写体に、人間の分からなさを問い続けてきた写真家・金川晋吾による写真集。「私が誰かと一緒にいることを模索しようとするのは、私の中にさみしさがあるからだ」三人、そして四人での共同生活を光溢れる写真と文章で綴るドキュメンタリー。
・チョ・オユー / 石川直樹
限定500部サイン入りポスター付き 人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている写真家、石川直樹による写真集。
RECOMMEND BOOK !
あるとき、いつものように喫茶店に入り、コップに入った水を撮影したあと、その水をじっと見ていて、なんて美しいんだろうと切実に思った。(中略)もうこれ以上に美しさの先はないような気がした。
早速大人気につき、再入荷しました!
アーティスト、qpがこれまで撮り溜めた400店以上の喫茶店の「水」の写真から85枚を厳選し、エッセイを添えた、類書のないフォトエッセイ集。
透明感あふれるコップに入った水と、水を通して見るどこか懐かしい喫茶店の光景。
様々な形のコップ、テーブルに敷かれたレースや布、椅子や植物、コップの水滴、夕方の光。なんて、静かなんだろう。この瞬間、時間がとまっているかのような。
もちろん、おそらく実際には喫茶店は近所の人やサラリーマンで大賑わいなのかもしれないけど、これを見つめてシャッターを押している著者のこころは、きっと。
注文したものが運ばれてくるのを待つ退屈な時間、気づまりな相手との会話に訪れた沈黙のあいだ、珈琲を飲み終えたあともうすこしだけここにいたくてなんとなく水をのむとき、そんな「はざま」の時間を共に過ごす「喫茶店の水」。けれどこれほどまでに多様で豊かな美しさがここにあったとは、私は、知らなかった。
誰もが知る有名な純喫茶や、新世代の喫茶店、ふらりと立ち寄った旅先の喫茶店まで、さまざまな喫茶店の水の写真を掲載。(名古屋の名店!喫茶ボンボンの水も登場していますよ!)
きっかけの水、名前のない喫茶店、行くたびにコップが変わる喫茶店、喫茶店から生まれた恋、水と絵画などなど、人生と喫茶店にまつわる25編のエッセイもしみじみよいです。
「喫茶店の水を撮影することには、たぶん、生きることのレッスンも含まれている。」(本文より)
年明けに展示も予定しております!こちらもお楽しみに~
枝葉末節な日々
今週の担当:(杏)
11/22(金) TOKYO ART BOOK FAIRに出す荷物をひいひい言いながらなんとか作り終えた。夕方から戎さんの展示搬入。
店の寒さは本当に厳しい。ギャラリーは特に心底冷え込む。私は寒がりなので、もう最終上着を着始めたし、ヒートテックもハイネックニットもとっくに着ている。歩きながら「冬みたいに寒い」と震えると、「もう冬だよ」とよっさんがいう。冬認定が出た。そういうわけで、夜、スーパーへ寄って豚肉ともやしを買って、豆乳鍋。夏はそうめん、冬は鍋。ホットカーペットもつけた。猫はさっそくごろごろ伸びている。よっさんは安くなっていたホルモンと、モランボンの「どて煮のもと」を購入して、どて煮を仕込んでいた。明日が楽しみ。
11/23(土) 港まちブロックパーティーへ。港まち手芸部も出店していて、みんなの作品を販売したり、編む場を作ったりしている。『Knitting ’n Stitching Archives. 』を、ホームである港まちでお披露目する日なので、私も張り切って本を売るぞ、と思っていたがそういう感じでもなく、手芸部ブースでゆるゆると編み物にいそしむ。KSAにも作品を掲載した作り手のひとり、喜岡さんに教えてもらって、四角に編みたいのに私がやると何度やっても三角になっちゃう不思議なアクリルたわしの謎がついに解明。不思議でもなんでもなく、私が目を減らしていた。店に戻り夕方から戎さん、アートディレクターの黒田益郎さん、編集者の綿貫さんのトークイベント。『ku:nel』掲載時に一度「完成」した誌面が、今回写真集として編みなおす時にどういうことが起きたのか、イギリスが「みどりの王国」と呼ばれるに至った歴史。生きている、動いている、常に未完成の状態の「庭」の一瞬を写真に撮ること。戎さんが、ご自身が10数年前にとった庭の写真を「宗教画のよう」と思うようになっていったという話もとても興味深かった。夜、昨日よっさんが仕込んでくれていたどて煮に温玉をおとしてどて煮丼、白菜とえのきとぐずぐず豆腐のしょうがスープ。
11/24(日) 朝、名古屋市長選の投票に行く。今回の選挙はなかなか難しくて、今日までじっくり考えて決めた。自分が決めかねていたから、これまで以上にいろんな人と選挙の話をした。けど、それもやっぱり自分と考えが似ている(だろう)人とのこと。フィルターバブルから抜け出さないと、何も見えなくなってしまうことを最近とみに感じている。ところで最寄りの投票所である小学校には、「トワイライト 入口はこちら」という看板がある。もちろん、トワイライトスクールの入口を示すものだが、私はこれを見るたび柴田元幸さんが翻訳した、J・ロバート・レノンの短篇「たそがれ」の一節を思い出す。「たそがれは、どこですか?」ポエジーは、日常のいたるところに転がっている。
20時に当確が出る。なんだかどっと疲れて、夕食を作る気になれず、BRUNOで鶏肉と野菜を焼いて食べる。ただ焼いて、ほりにしのミックススパイスをかけるだけでめちゃ美味しい。先日、尹さんのイベントの際に買ったヒフミヨイ農園の黒米を混ぜたごはん。味噌汁。
11/25(月) 朝、バゲットラビットのブール。いわゆる高加水パンでもっちりうまい。よっさんはアートサイト名古屋城の設営に。百万年書房の北尾さんとスタッフのTさんがご来店されたり、スタンド・ブックス&太田出版のSさんが来られたり、日頃うちにはほとんど出版社の方は来られないので、こうしてたまにお会いしてお話できる機会があるのはとても嬉しくありがたい。木曜からTABF出張だが、まったく準備が終わらない、片付けねばならない仕事も山積み。夜、ヒフミヨイ農園の黒米ごはん、大根の味噌汁、義母がもたせてくれたチャーシュー、こんにゃくの白だし炒め。
11/26(火) 朝、昨晩の残りごはんのおにぎり。思ったより残ってなくて、ほんのひと口ずつしかなかった。今日は一日、アートサイト名古屋城の設営。二之丸庭園には短歌をのせた鏡の作品を設置する。木の枝からつるしたり、植え込みや木の根本に置いたり、空池や舟のような形の石のくぼみなど、庭園を歩いていくとさまざまな距離、タイミングで「ことば」と出会う仕掛けになっている。サイズ感もフォントも、鏡の映り込みや反射も、まさにイメージ通り!千種さんのテンションがあがりまくっているのを見れて、ほっとひと安心。現場合わせで、土台や仕組みを作っていくミラクルファクトリーの職人技を間近で見られてよっさんも嬉しそうだった。合間に千種さんともいろんな話をした。高校生の頃、名城公園で文化祭の練習をしていたこと、言語と文化のこと、あたらしい歌集のこと。庭園の紅葉はぼちぼち、というところだけれどきっとここから1週間くらいでぐっと赤くなっていくはず。今日は曇天だったけど、青空や真っ赤な紅葉のなか、夜にライトアップされた姿など、見え方がずいぶん変わるはず。いろんな表情が見られるのがとても楽しみ。日暮れまで作業して今日は解散。さすがにへとへとでスシローで夜ごはん。あいちゃんからもらった温泉のもとを入れたお風呂が染みわたる。
11/27(水) 昨日、雨で持ち越した箇所の様子を見に、再び名古屋城へ。昨日とはうってかわっての青空。庭園の作品は光を浴びて煌めいている。曇天の溶け入りそうな姿もよかったけど、晴天の午前中が映し出す青空もいい。岩場の作品もバッチリ設営できてようやくほっとした。よっさんはミラクルファクトリーの社長に夢中。ずっと社長の話をしている。展示はいよいよ明日から。しかし、明日からなのはこれだけではない。TOKYO ART BOOK FAIRも明日からスタート。店は営業したままで、こまごまとした準備をすすめるものの、あれもこれもと忘れていたことがボロボロ出てきて結局深夜まで。明日は6時起床。起きられるだろうか。
11/28(木) 東京へ。新幹線のなかで昨日買っておいたサンドイッチとグリーンスムージーで朝ごはん。10時半からインストールをして、滞在時間1時間で私はアートサイト名古屋城のプレスツアーのため、名古屋に帰る。とにかく早い便で、と新幹線に飛び乗ったので、昼ごはんも飲みものもなくて絶望したけれど、名古屋駅のホームに降り立った時に、今がその時だとわかった。そう、住よしのきしめんである。憧れつつ、地元民にはなかなか食べるチャンスがない名古屋名物。混んではいたけどすぐに順番が回ってきて、秒できしめんが出てくる。ありがたい…!おかげで事前に検索していた乗り換え時間通りで名古屋城に着くことができた。今日の名古屋城は、気持ちの良い秋晴れの空に、黄色に色づいた銀杏がとても綺麗。工業用シートを用いて、二対の龍の彫刻を作り上げた久保寛子さん、名古屋城内のカラスの生態について野営をしながらフィールドワークをして、サイアノタイプで作品を制作した菅原果歩さん、城内3箇所+本丸御殿のなかに、動物のための水飲み場や止まり木などを作った狩野哲郎さん。そして、千種創一+ON READINGは、二之丸庭園と二の丸茶亭に「わたし」をゆらす短歌のインスタレーション作品を設置した。皆それぞれに、この場所と対峙して「あるく・みる・きく」ところから生まれた、この場所でしかできない、場所への敬意が感じられる素晴らしい展示だった。この展覧会に参加できたことがとてもうれしい。後ろ髪ひかれつつ、ようやく落ち着いて駅弁を食べつつ再び東京へ。たどり着いた今回の宿が、なかなかの、牢獄感…。
EXHIBITION INFORMATION
~~~~~ 開催中! ~~~~~
【EXHIBITION】11月23日(土)~12月8日(日) at ON READING GALLERY
戎康友 写真展『みどりの王国 The Kingdom of Green』
写真家の戎康友と、編集者・文筆家の鈴木るみこがイギリスの庭をめぐり、写真と文章で綴った旅の記録『みどりの王国 The Kingdom of Green』の刊行記念展を開催中。
プリント付きの特装版写真集も限定販売しております。
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【EXHIBITION】11月15日(金) ~ 12月8日(日) at ON READING店内
ふるさかはるか『ことづての声/ソマの舟』巡回展
木版画家・ふるさかはるかが、青森周辺の山の手仕事を取材し、制作した作品集『ことづての声/ソマの舟』の原画となった木版画・ドローイング・ピンホール写真に新作を加え展示しております。
EVENT INFORMATION
『山學ノオト5(二〇二三)』刊行記念トークイベント「読む生活・書く生活・喋る生活 vol.6
変わっていくこと、変わらないこと-」青木真兵、柿内正午
日程:2024年12月14日(土) 開演 19:30~参加費:1,500円(500円分お買い物券付)定員:20名(要予約)予約:https://onreading.jp/event/yomukaku6/
「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を運営し、数々の著書やラジオ配信などでも 知られる青木真兵さんと、文筆活動などを行う会社員の柿内正午さんによる恒例のトークイベント。暮らしや思想、社会をめぐる縦横無尽なおしゃべりをお楽しみください!
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宮本匠×高森順子「右肩下がり」を見なかったことにしないで、語りなおそう——
『「みんな」って誰?ー災間と過疎をのびのび生きる』出版記念トークイベント
日程:2024年12月18日(水) 開演 19:00~参加費:1,500円(500円分お買い物券付)定員:20名(要予約)予約:https://onreading.jp/event/miyamoto/
過疎が進む被災地で、問題は解決していないのに住人が「復興した」と感じたのはなぜか。「みんな」という「空気」は、共同体にどのように作用するのか。
「右肩下がり」の社会をのびのび生きるにはどんなやりかたがあるのか、みなさんとともに考えます。場づくり、組織づくりに取り組まれている方、なんとなく今の社会を手詰まりだと感じてらっしゃる方、過疎地や災害後の共同体に関心をお持ちの方、ぜひご参加お待ちしております!
♪ Now Listening
RONG WEICKNES / FIEVEL IS GLAUQUE
マルチ・インストゥルメンタリストのZACH PHILLIPSとヴォーカリストMARIE-AMÉLIECLÉMENT-BOLLÉEからなるNYブルックリンのポップ・デュオ、FIEVEL IS GLAUQUEの2ndアルバム。ストレンジで遊び心たっぷりなエクスペリメンタル・アヴァンギャルド・ジャズ・ポップス。センスよ。(義)
今日のところはこのあたりで。また来週!
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