NEWSLETTER FROM ON READING 2024.10.04
こんにちは。ON READINGの黒田義隆(義)と黒田杏子(杏)です。気付けばもう10月。ようやくちょっと気温も下がり始めてきましたね。今年は、秋が一か月しかないんですって。束の間の秋。衣替えしてる暇もないですね。季節の変わり目は体調も崩れやすいですので、みなさまどうぞご自愛ください。(義)
POPUP EVENT
スタンダードサプライのスタンダード。展
2024年9月28日(土)~10月20日(日)
今年で10周年を迎えたスタンダードサプライのアニバーサリーを記念し、ポップアップイベント「スタンダードサプライのスタンダード。展」を開催中。
本イベントでは、デビューシーズンの7型を旧タグ&10周年ロゴで復刻した限定アイテムや10周年を記念して制作されたコンセプトブックもラインナップ。対象商品を11,000円以上ご購入のお客様に限定のノベルティ・ミニポーチもプレゼント中です!
入荷情報 PICK UP
・楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集 / ルシア・ベルリン
初回入荷分は翻訳者・岸本佐知子のサイン入り。波乱万丈の人生から紡いだ鮮やかな言葉で、本国アメリカで衝撃を与えた奇跡の作家、ルシア・ベルリンによる、『掃除婦のための手引き書』、『すべての月、すべての年』に続く待望の短編集。
・名古屋渋ビル手帖 ニュー ビルと喫茶店特集号
地味だけど味わい深い「渋ビル」への想いを存分に詰め込んだ小冊子「名古屋渋ビル手帖」。今号は、2016年発行の「名古屋渋ビル手帖【ビルと喫茶店特集号】」をリニューアルし、パワーアップさせた内容です。
・Erik Gunnar Asplund "SUMMER HOUSE" / KURASHI NO GAKKOU
北欧建築の巨匠、E.G.アスプルンドの「夏の家」の魅力を、建築家の久米岬のテキストと、火詩によるイラストレーションで紹介した一冊。
・まなざしを結ぶ工芸 / 本田慶一郎
岐阜で骨董や工芸品、古民具を扱う骨董店「本田」を営む本田慶一郎による初めての著書美を生み出す者と、見出す者、両者のまなざしを結ぶ骨董商という仕事についての冒険譚。限定1000部。この仕様、内容でこの価格は驚き。。。 躊躇なく買うべし!
・工芸青花 20号
世代を問わず、骨董、工芸、建築をもう一歩、深く味わうための指南書『工芸青花』の20号が入荷。花人の川瀬敏郎が、黒田泰蔵の器にいけるという特集から始まり、美術史家の金沢百枝、歴史家の小澤実によるスイス・ロマネスク探訪、阪上梨恵とともに尋ねる赤穂緞通のある風景など。
・Ilmm: Design Journal #1
プロダクトとインテリアを軸にして、建築やグラフィックなどを含めた広範な領域のデザインを専門に扱うインディペンデントマガジン『Ilmm』の創刊号。多様なデザイナーのインタビューと作品紹介を軸として、現在において注目すべき動向やその背景を独自の視点で紹介しています。巻頭では、Ronan Bouroullecの暮らすパリやブルターニュでの撮り下ろし写真と考察的なインタビューを収録。
・CALDER: UN EFFET DU JAPONAIS / Alexander Calder
アメリカ人アーティスト、アレクサンダー・カルダー(Alexander Calder)の作品集。2024年5月から9月にかけて、東京の「麻布台ヒルズ ギャラリー」で開催されている展覧会に伴い刊行された一冊。
・Hermes / Unesco / Martín Bollati
ユネスコの世界遺産に登録された作品(写真)に、人工知能を介入させることにより生まれた、架空の考古学的コレクション999点を収録したアートブック。『DOROTHY』ファン必見。
RECOMMEND BOOK !
いまやPBは、あちこち自由の利かなくなった身体を手放して、若かった頃のように走り回ることも、ふたたびできるようになった。そんなふうに考えても許してもらえるだろうか。それだけじゃなく、犬だったときには行けなかった場所にも行ける、という風に。
木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家であり、『背中の記憶』で講談社エッセイ賞を受賞するなど、文筆家としても優れた作品を発表している、長島有里枝による14年ぶりの小説。
生きていく中には、いつか大切な存在との別れが訪れる。どれほど心の準備したつもりでもそれはいつだって突然で、近くにいてもその痛みを代わってあげることはできない。
それでも、残された者の時計の針は動いていく。
かけがえのない存在がいなくなってからの日々を、ともに暮らす未土里、睦、樹木、三者の視点から描いた連作短編集。
悲しみに寄り添うこと。直視したくないような自分の感情。やってあげたかったこと、もらったたくさんのもの。
2020年に愛猫を亡くした私には刺さりすぎるほど刺さってしまって、読み終えたあとはぐったりでしたが、胸にはあたたかいものがじんわりと残って、読み終えたあと、久しぶりに麦子(猫)の夢をみました。
長島さんはいつも、よくぞここまで、というところまで書いてくれる。読めてよかった。素晴らしい作品です。
枝葉末節な日々
今週の担当:(杏)
9/27(金) 朝、シャワーを浴びる際、水とお湯を間違えて、足に熱湯をあびた上、朝ごはんを作っているときに皿を二枚割る。これはよくないぞ…。先日AUTHORさんからいただいた二兎の食パン(大好物!)、ハムエッグ、ピクルス。夕方店を抜けて、来週出産予定日を控えているRちゃんとお茶。薬学部から占い師になったりガラス職人になったりする人もいるとか、母性はいつ生まれるのかとか、生きるとは自分と他者(特にパートナーや家族など近しい関係の人)は違う人間だということを何度も思い知ることの連続だ、とか、話は尽きない。Rちゃんは、小さいころ本を買ってもらえなかったそう。親の言い分としては「一回しか読まないでしょ」と。大学生になって自分の自由に出来るお金も少しできて、はじめて好きなだけ本を買える喜びを知ったのだという。今ではRちゃんはめちゃくちゃ本を沢山読む人で、Rちゃんにとって本を読むことは最高の娯楽なんだなといつも思う。来るべき出産や子育てに際しても、読んだ本の中のはっとした文章を書き貯めてあると言っていた。夜、鮭のソテー、キャベツとピーマンのクミン炒め、モロッコいんげんの味噌マヨ和え。
9/28(土) 朝、ピーナッツバタートースト、サラダ、巨峰。先週のよっさんに引き続き今週は私が「本チャンネル」の下準備をすすめている。民間仏の個人コレクションを紹介した、個人的大好物!な本なので、関連書もいろいろ読み直したり、あれこれ調べたりして台本を作成していく。夜、キャベツともやしとニラと豚肉に、サリ麺を入れてタンメン鍋。もう鍋!汗をだらだら流しながら食べていると、楽しみにしていたETV特集「老人と海獣」が始まったので大急ぎで食べる。トドをめぐる積丹の海の話。昔はニシンで御殿が建ったほどだった積丹も、乱獲の影響で漁獲量は降下の一途をたどっている。少なくなった魚をトドと人が取り合って、準絶滅危惧種であるトドを数を決めて駆除しているが被害は減らない。今では積丹の海にはトドがいなくなってしまった。トドを守り、生態系を守り、海を健康な状態にするべく動いてきた藤田さんの、トドを語る目の輝きに胸をうたれる。「海の中でトドとあったらよ、息止まるべ。まずは会ってから。そしたら変わるから。変わんなかった人はいない。」「なぜ人間にはこの惑星に住む権利がありトドにはないと言えるのでしょうか?」残る言葉がたくさんあった。「本チャンネル」の台本をよっさんに見てもらったら「やりすぎ」「長すぎ」とのこと。
9/29(日) 朝、昨日の鍋つゆの残りで鮭雑炊。モロッコいんげんの味噌マヨ和えの残りも食卓にあげたけど、もう食べてもらえなかった。大杉さんの展覧会も最終日。大杉さんも我が家と同じくすこし前からサビ猫を飼っているそうで、実家では代々白猫だったから、色(模様)のついている猫が家の中を歩いているのに違和感があったのだそう。大杉さん自身がとてもオープンマインドな方で、ご来場されるお客さんはおそらく大杉さんの制作や作品の話が聞きたいのだけど、大杉さんもお客さんにいろいろ質問されるので、交わされる話がとっちらかってて面白い。ほとんど家電を自分で買わず、人からもらってばかり、という話を聞いて、先日の断捨離マーケットで売れなかったDVDプレイヤーをもらってもらうことに。「めっちゃちょうど良かったです!」とのこと。そんなことあるんだな~。夜、豚ニラもやし炒め、味噌汁。
9/30(月) 朝、ごはん、味噌汁、目玉焼き、ウィンナー。午前中から歯医者。左上を重点的に歯石を掻き出す。ウィーンとかシュワ―とかガリガリとか。「痛みは大丈夫ですか?」と聞かれたので「口の中でいろんなことが起きるけど、何が起きてるかわからなくて怖かったです~」と言ったらその後、今何をしているところかリアルタイムで中継してくれるようになった。「刃物を歯茎に入れています」とか。余計、怖かった。店に戻ると、坂口恭平さんがいた!!!昨夜ブラジルコーヒーでライブだったので寄ってくださった。ブックマークナゴヤでトークイベントにお招きして以来で、お会いするのは10年ぶりくらいかも。今つくっている椅子の話や、『Subsequence』の載っていたコラージュが素晴らしかったという話など。嬉しい。午後「本チャンネル」の収録。私が紹介するのは、10月15日発売の『家の神さま 民間信仰にみる神と仏』(大福書林)。知る人ぞ知る、民間仏コレクターである著者の鶴岡さんのコレクションを写真と文で紹介した一冊で、幅広い民間信仰と、神仏に触れることができる。美術としても宗教としても歴史からはとりこぼれてしまう民衆のささやかな営みが遺したもの。お話をお伺いして、鶴岡さんの「なんだかわからないけれど惹かれるもの」へのまなざし、それらが失われずに今、鶴岡さんの手の中にあることがとても奇跡のようだと思えた。そして本になることで未来へとつなぐことができる。ひと山越えたので、夜、レイトショーで黒沢清の『Cloud』を観る。
10/1(火) OKATAOKAの作品集『WALL OF SOUNDS』納品日。昼ご飯にトマトと玉ねぎとウィンナーのパスタを作って食べて出かける。よくわかんない味になった。作品集の色はいい感じに整っていた~。よかった!ほっとひと安心。こちらは来週から始まる展覧会にて初披露。月末締めをして、港まちアートブックフェアへ。数日間限定の対面型のブックフェアも活気があってよいのだけれど、数か月の長い期間の開催でゆっくり本が見られるこのスタイルもいい。ELVIS PRESSも毎年出展している。ZINEのイベントとも、TABFなどのアートブックフェアとも違う、独特のラインナップとバランス。『渦中から/佐藤李青』『おまじないまんがBOOK/これでいいんだ村』『みちくさの地図/AHA! 編』などを購入。多様な本に触れられる貴重な機会なので、今後も続いて欲しい。夜は、内沼さんに聞いてほしい話があってZOOM。去年の一年間、とある案件で内沼さんとは月イチで話していて、その案件自体は休止中だけど、こうして気軽に相談したいときにできるようになったのは得難いこと。何が功を奏すか、本当にわからない。
10/2(水) 今日、私はお休みをもらって一日家から出ないと決めていた。どうにも休み方が下手すぎて、私はここ数年秋にぶっ倒れているので、休める時に休んでおきたい。休むのにも決意が必要。ひどい状態だった家の片付けをちょっとやって、次の山(原稿2本)にとりかかる。そのうちの1本で、4年前に亡くなった猫について書こうとして、「2020年2月、飼っていた猫が死んだ。」と一行書いたら涙が出てきて、泣きながら書く。わんわん泣きながら、まだこんなに涙が出るんだな、と思う。泣き疲れて猫たちが寝ている部屋に行ったらわらわらと猫たちが寄ってきてくれる。優しい。あたたかくてやわらかい。猫は本当にありがたい。夜、鯖ソテー、ピクルスソースを添えて。味噌汁、じゃがいもとピーマンのきんぴら。その後、NCの加藤さんと打ち合わせ。8月の滞在制作について、次号で書かせてもらうことになった。「結構ぶっちゃけてください」とのこと。
10/3(木) 朝、きゅうりとロメインレタスとトマトのツナサラダ、チーズトースト。今日は一日雨。暇かな~と思っていたけど、POPUPを開催中のSTANDARD SUPPLYのアイテムが立て続けに出る。夕方、GOFISHのショウタさんがご来店。来週末にちくさ座で開催される単独ライブのチラシを持ってきてくれた。もちろん既にもう配りまくってる。ちくさ座は、すり鉢式の円形舞台で、観客がぐるりと舞台を取り囲むように席が配置されている。ここで見るGOFISHは絶対にいい!日程的に行けないかも、と思っていた予定が変更になったため、俄かに行ける気がしている。(チケットまだあるようなので皆さんも是非!)気圧のせいかふわふわするので帰宅してすぐに横にならせてもらう。なすとピーマンと鶏肉の甜面醤炒めをよっさんが作ってくれた。中華スープ、昨日のじゃがいもとピーマンのきんぴらの残り。
EXHIBITION INFORMATION
~~~~~ COMING SOON! ~~~~~
【EXHIBITION】10月12日(土)~10月27日(日) at ON READING GALLERY
OKATAOKA Exhibition 『WALL OF SOUND』
イラストレーター・オカタオカによる最新作品集『WALL OF SOUND』(ELVIS PRESS刊)の刊行記念展を開催します。自分で好きな曲を選び、それを聴きながらイメージを膨らませ、7インチと12インチのブランクのレコードジャケットをキャンバスにして描いたシリーズを展示します。新作のシルクスクリーンポスターやハンカチなどもお披露目します。お楽しみに!
初日はオカタオカも在廊しますよ~。
オカタオカ OKATAOKA
宮崎と鹿児島の県境で育つ。桑沢デザイン研究所卒業。 書籍やアパレル、広告などにイラストレーションを提供。 ペインティングのみならず、セラミックやウッドカットなど様々な手法の作品も発表している。 近年ではカーアクセサリーブランド〈HIGHWAY/南国灰道倶楽部〉をスタートさせるなど、その活動は多岐にわたる。https://www.instagram.com/okataoka/
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【EXHIBITION】10月24日(木)~ 11月10日(日) at ON READING店内
湯浅景子 作品集刊行記念巡回展 『Beside my Flowers / Within my Flowers』2024 – 2025
画家・湯浅景子による、小原流『挿花』の表紙画24点を収録した作品集『Beside my Flowers / Within my Flowers』(momogusa刊)の刊行を記念して、巡回展を開催します。
会場では、コラージュの技法を使った小作品をおよそ100点展示。作品集とともに限定販売いたします。
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【EXHIBITION】11月2日(土)~ 11月17日(日) at ON READING GALLERY
ミヤザキ個展「安心な寝床」
ON READINGでは初となる、イラストレーター、アーティストのミヤザキによる個展を開催します。
対象となる事物を、シンプルで柔らかな線と造形で再解釈し描いたミヤザキの作品には、ユーモラスな親しみやすさが漂っています。本展では、今年から始めた油絵をメインに、新作のペインティング作品を発表します。
♪ Now Listening
GOFISH / GOFISH
もう本当に本当に大好き。名古屋が誇る至高のSSW、テライショウタによるソロプロジェクト・GOFISH。屈託のないロマンティックなバラード、ひりひりとしたフォーク・ロック、愛くるしいボッサなど、巧みなアレンジと、シンガー、テライショウタとしてのうたごころがいかんなく発揮された傑作です。10/11(金)にはちくさ座でライブが~!みんな、観に行きましょう!(義)
今日のところはこのあたりで。また来週~~!
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